子どもが熱を出した時、あなたは、何に一番、不安を感じますか?
「38度…、いや、39度まで上がってる!」
「このまま、熱が上がり続けたら、どうしよう…」
「熱性けいれんを起こしたら、どうしよう…」
子どもが熱を出すと、ママの心臓は、バクバク。
つい、熱の高さばかりに目が行き、一喜一憂してしまいますよね。
私も3姉妹の母として、何度も、その不安を経験してきました。
でも、ナースとして、たくさんの子どもたちと接してきた経験から、
そして、母として、子育てをしてきた中で、
私は、あることに気づいたんです。
それは、子どもの発熱で、本当に怖いのは、熱の高さではない、ということ。
むしろ、**「水分が取れないこと」**の方が、はるかに危険なのだ、と。
今日は、そんな、子どもの発熱時に、ママが本当に注意すべきポイントと、
「水分が取れない」時の危険サイン、そして、その対処法について、ナースの視点から、お話しさせてください。
子どもの発熱、なぜ「水分補給」が最重要なのか?
発熱時は、体温が上がることで、汗をかきやすくなり、呼吸も速くなるため、体から、どんどん水分が失われていきます。
子どもは、大人よりも体内の水分量が多く、また、体温調節機能も未熟なため、脱水症状になりやすい、という特徴があります。
脱水症状は、軽度であれば、元気がない、食欲がない、といった症状で済みますが、
重症化すると、意識障害や、腎臓への負担など、命に関わることもある、非常に危険な状態です。
だからこそ、子どもの発熱時には、熱の高さに一喜一憂するよりも、
**「水分がしっかり取れているか」**を、最優先に観察することが、何よりも重要なのです。
「水分が取れない」時の危険サイン3つ。これを見逃さないで!
では、具体的に、どんなサインが見られたら、「水分が取れていない」と判断し、注意が必要なのでしょうか。
危険サイン1:おしっこの回数・量が減る
- 普段より、おしっこの回数が少ない。
- おむつが、あまり濡れていない。
- おしっこの色が、いつもより濃い。
これは、体内の水分が不足している、最もわかりやすいサインです。
危険サイン2:唇や口の中が乾燥する
- 唇がカサカサしている。
- 口の中がネバネバしている。
- 泣いても、涙が出ない。
これらも、脱水症状のサインです。
特に、泣いても涙が出ない場合は、かなり脱水が進んでいる可能性があります。
危険サイン3:元気がない、ぐったりしている
- 呼びかけへの反応が鈍い。
- ぐったりして、眠っていることが多い。
- 顔色が悪い。
これは、脱水症状だけでなく、他の病気の可能性も考えられます。
子どもの様子が、いつもと明らかに違う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
「水分が取れない」時の対処法と、病院に行くタイミング
これらの危険サインが見られた場合、どうすればいいのでしょうか。
対処法1:少量ずつ、こまめに与える
一度にたくさん飲ませようとすると、吐いてしまうことがあります。
スプーンやスポイトで、少量ずつ(5ml〜10ml程度)、5分おきなど、こまめに与えるようにしましょう。
飲める量で構いません。とにかく、少しでも口に含ませることが大切です。
対処法2:経口補水液を活用する
水やお茶だけでなく、**電解質も補給できる経口補水液(OS-1など)**を活用しましょう。
スポーツドリンクも、糖分が多いですが、飲めるものであれば、水やお茶よりは良いでしょう。
ただし、乳幼児には、薄めて与えるなど、注意が必要です。
対処法3:無理に食べさせない
食欲がなくても、無理に食べさせる必要はありません。
水分だけは、しっかり与えることを最優先にしましょう。
食べられるものであれば、ゼリーやプリン、おかゆなど、消化の良いものを少量ずつ与えても構いません。
病院に行くタイミング
- 上記の危険サインが、複数見られる場合。
- 水分が、全く取れない場合。
- ぐったりしている、意識が朦朧としているなど、子どもの様子が明らかに悪い場合。
- 熱性けいれんを起こした場合。
これらの場合は、すぐに病院を受診しましょう。
夜間や休日であれば、救急外来や、小児救急電話相談(#8000)を活用してください。
ママの冷静な判断が、子どもの命を守る
子どもの発熱は、ママにとって、本当に心配の種です。
しかし、熱の高さに一喜一憂するのではなく、
**「水分が取れているか」**を、最優先に観察すること。
そして、危険サインを見逃さず、適切に対処することで、子どもの命を守ることができます。
ママの冷静な判断と、適切な対応が、何よりも、お子さんを救う力になります。
不安な時は、一人で抱え込まず、いつでも、医療機関や、専門家を頼ってくださいね。
