「どうせ私なんて…」が口癖の小学生へ。自己肯定感を育む小さな成功体験の積み重ね方

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我が子の「どうせ私なんて…」に、胸が張り裂けそうなママへ

「徒競走、どうせビリだよ」
「テスト勉強したって、どうせ良い点とれないもん」
「〇〇ちゃんは可愛くていいな。どうせ私なんて…」

小学生の我が子の口から、そんな言葉を聞いた時、ママの心は、まるで自分のことのようにズキッと痛みますよね。

「そんなことないよ!」と励ましても、子どもの表情は晴れない。
その自己否定的な言葉の裏にある、自信のなさや諦めの気持ちを思うと、胸が張り裂けそうになる。

「このままで、この子の将来は大丈夫なんだろうか…」

3姉妹の母であり、ナースとして多くの子どもたちと接してきた私も、同じように悩んだ経験があります。
その言葉は、お子さんの自己肯定感が、今、少しだけ元気をなくしているサインなのかもしれません。

でも、大丈夫。
子どもの自己肯定感は、お家でのほんの小さな関わりで、必ず、また育ち始めます。

今日は、私が実践してきた、子どもの「どうせ…」を「私、できるかも!」に変える、簡単な方法についてお話しします。

なぜ「どうせ私なんて…」と言ってしまうの?

そもそも、なぜ子どもは「どうせ私なんて…」と思ってしまうのでしょうか。

それは、子どもなりに「完璧でありたい」という気持ちが強かったり、失敗することを極端に恐れていたり、周りの友達と自分を比べて「自分は劣っている」と感じてしまっていたりするから。

真面目で、頑張り屋さんな子ほど、自分の「できていること」よりも「できていないこと」に目が向いてしまい、自信を失ってしまう傾向があるのです。

自己肯定感の根っこを育てるのは「大きな成功」より「小さな成功体験」

自己肯定感とは、難しい言葉のようですが、要は**「ありのままの自分でいいんだ」「自分は、なかなかやるじゃないか」**と思える、自分への信頼感のこと。

この心の根っこを育てるために必要なのは、テストで100点を取るとか、逆上がりができるようになるといった「大きな成功」ではありません。

「あ、できた!」

という、ごくごく小さな成功体験を、毎日コツコツと、地道に積み重ねていくこと。
この「小さなできた!」の積み重ねこそが、やがて揺るぎない自己肯定感という、太い幹を育てていくのです。

ナースの私が実践!今日からできる「成功体験」の積み重ね方3ステップ

「成功体験を積ませる」というと、なんだか難しそうに聞こえるかもしれません。
でも、やることは驚くほどシンプルです。

ステップ1:ハードルを「これでもか!」というくらい下げる

まず、お子さんが「絶対にクリアできる」簡単な目標を設定します。
ポイントは、親が「これくらいできるでしょ」と思うレベルの、さらに半分以下に設定すること。

  • NG例:「毎日、漢字ドリルを1ページやる」
    OK例:「毎日、漢字を3つだけ書く。なんなら1つでもOK!」

  • NG例:「自分のお部屋を片付ける」
    OK例「寝る前に、机の上のマンガ本を本棚に戻すだけ」

「え、そんなことでいいの?」と思うくらい、ハードルを極限まで下げることが、何よりも重要です。
目的は、漢字を覚えることや、部屋をきれいにすることではありません。
お子さんに「今日もできた!」という達成感を味わってもらうことが、唯一の目的なのです。

ステップ2:「結果」ではなく「行動そのもの」を具体的に褒める

目標をクリアできたら、すかさず褒めます。
ここでもポイントがあります。それは「結果」ではなく「行動(プロセス)」を褒めること。

  • NG例:「100点取れてすごいね!」(結果を褒める)
    OK例:「毎日3つずつでも、コツコツ頑張ったのがすごいね!」(行動を褒める)

  • NG例:「わ、部屋がきれい!えらい!」(結果を褒める)
    OK例:「疲れてるのに、ちゃんと本を本棚に戻せたんだね。その一手間がえらい!」(行動を褒める)

結果だけを褒めていると、「良い結果を出さないと褒めてもらえない」→「失敗が怖い」という気持ちに繋がってしまいます。
結果がどうであれ、「やろうとしたこと」「挑戦したこと」「継続したこと」そのものを具体的に褒めることで、子どもは「失敗しても大丈夫なんだ」という安心感を得ることができます。

ステップ3:「できた!」を親子で見える化する

子どもは、自分の頑張りが「見える」と、さらにやる気がアップします。

  • カレンダーに、できたらシールを貼る
  • 小さなホワイトボードに、できたことを書き出す
  • 褒め言葉を書いた付箋を、机の前に貼っていく

なんでも構いません。
親子で「こんなにできたね!」と、頑張りの軌跡を一緒に眺める時間を作りましょう。
たくさん並んだシールや付箋は、お子さんの自信の勲章になります。

「どうせ…」は「助けて」のサイン

「どうせ私なんて…」
その言葉は、お子さんからの「自信がないよ、助けて」という、切実なSOSです。

私たち親にできるのは、高い目標を与えて、その結果を求めることではありません。

子どもが絶対に越えられる、小さな小さなハードルを用意してあげること。
その挑戦を「あなたなら大丈夫だよ」と応援し、見守ること。
そして、クリアできたら「よく頑張ったね!」と一緒に喜んであげること。

その温かい積み重ねが、お子さんの凍りついた心を少しずつ溶かし、やがて「どうせ私なんて…」という口癖を、「私、意外とできるかも!」という希望の言葉へと変えていってくれるはずです。

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