ハンバーグから、器用に人参だけをより分ける我が子…
細かく刻んでハンバーグに混ぜても、大好きなカレーに溶け込ませても、まるで探偵のように、的確に野菜だけを見つけ出して、お皿の隅によける…。
そんな我が子の姿に、今日も深いため息をついていませんか?
こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。
かつての私も、娘たちの偏食に頭を悩ませ、栄養バランスのことばかり考えては、ノイローゼ寸前でした。
でも、ある日、私はきっぱりと、子どもに野菜を「食べさせる」ことを、諦めたのです。
今回は、私がなぜその決断に至ったのか、そして、栄養失調よりもっと怖い「食卓でのNG行動」について、私の経験を交えてお話しします。
食卓が「戦場」になっていませんか?
「一口でいいから、食べなさい!」
「これ食べないと、おやつ抜きだからね!」
子どもの健康を思うあまり、こんな言葉で、無理やり野菜を食べさせようとしていませんか?
その瞬間、あなたの家の食卓は、楽しい食事の場から、親と子の**「戦場」**へと変わってしまいます。
親はイライラ、子どもは親の顔色をうかがい、ビクビク…。
そんな緊張した空気の中で食べるご飯が、美味しいはずがありません。
私は、この**「食事=楽しくない、怒られる時間」**というネガティブな刷り込みが、子どもの心に与える悪影響の方が、少しばかり栄養が偏ることよりも、ずっと怖いと気づいたのです。
栄養失調より怖い「食卓でのNG行動」
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無理やり口に押し込む
これは、食事そのものへの嫌悪感を植え付ける最悪の行動です。トラウマになりかねません。 -
「〇〇しないと、××だよ」と脅す
食べることが「罰」や「交換条件」になってしまい、食べ物への純粋な興味を失わせます。 -
ため息をついたり、イライラした顔を見せる
子どもは親の表情に非常に敏感です。「僕が食べないから、ママは悲しんでいる」と感じ、食事が不安で苦痛な時間になってしまいます。
「食べさせる」のをやめて、私が始めたこと
「食べさせる」という執着を手放した私が、代わりに始めたのは、とてもシンプルなことでした。
① とにかく、親が美味しそうに食べる
「うわー、このピーマン、甘くて最高!」
「パプリカって、色が綺麗で元気が出るね!」
ポジティブな言葉と共に、親が心から食事を楽しんでいる姿を見せつけます(笑)。
子どもは、親が美味しそうに食べているものに、自然と興味を持つようになります。
② 「仲間」にする(調理や栽培)
「このレタス、ちぎってくれる?」
「ミニトマト、赤くなってるか見てきて!」
自分で収穫したり、調理に関わったりした野菜には、不思議と愛着が湧くものです。「自分が作ったものだから、一口食べてみようかな」という気持ちを育みます。
③ 食べなくても、食卓には出し続ける
たとえ食べなくても、毎回食卓には並べ続けます。
「いつか食べる日が来るかもね」くらいの、軽い気持ちで。
何度も目にすることで、子どもにとって、その野菜は「得体の知れない敵」から、「見慣れた顔なじみ」へと変わっていきます。
◇
子どもの偏食は、本当に根気がいる問題です。
でも、長い目で見れば、少しずつ食べられるものは増えていきます。
目先の栄養バランスに一喜一憂するよりも、まずは、家族みんなで「今日もご飯が美味しいね!」と笑い合える食卓を取り戻すこと。
それこそが、子どもの心と体を健やかに育む、最高の栄養になるはずですよ。
