その小さな声が、親の心を揺さぶる。でも、焦っていませんか?
「ママ」「パパ」
初めて我が子が発した言葉は、親にとって何よりも嬉しいもの。その小さな声に、私たちは大きな感動と喜びをもらいます。
でも、同時にこんな不安も感じていませんか?
「〇〇ちゃんはもうペラペラしゃべってるのに、うちの子はまだ…」
「言葉が遅いって言われたらどうしよう…」
「何か、私がしてあげられることはないのかな?」
周りの子と比べてしまったり、インターネットの情報に一喜一憂したり…。私も3人の娘たちの、個性豊かな言葉の発達を、時にハラハラしながら見守ってきました。特に、長女の時は「この時期には〇〇ができるはずなのに…」と、目安と比べては心配になったものです。
こんにちは!高校生から小学1年生まで、3人の娘を育てる現役ママナースの皐月です。
まず、あなたにお伝えしたいのは、子どもの言葉の発達は、本当に一人ひとり違う、ということです。目安はあくまで目安。大切なのは、お子さん自身のペースを尊重し、その子らしい成長を温かく見守ってあげることです。
この記事では、そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、月齢ごとの言葉の発達の目安と、親ができる「言葉を引き出す」具体的な関わり方、そして**「こんな時は注意してほしい」というサイン**を、私の実体験とママナースとしての専門家の視点から分かりやすく解説します。
さあ、お子さんの「今」を楽しみながら、言葉の成長の道のりを一緒に見守っていきましょう。
この記事でわかること
- なぜ子どもの言葉の発達には個人差があるの?ママナースが解説
- 【月齢別】子どもの言葉の発達の目安と、親ができる具体的な関わり方
- 「言葉の遅れ」が気になったら?専門家への相談目安と相談先
- 焦らず、比べず、お子さんの「言葉の芽」を育むママナースからのメッセージ
なぜ?どうして?子どもの言葉の発達に個人差があるの?
子どもの言葉の発達には、大きな個人差があります。これは、脳の発達のスピード、性格、環境など、様々な要因が絡み合っているからです。
【結論】子どもの言葉の発達に個人差があるのは、脳の発達スピード、性格、そして親子のコミュニケーションの量や質といった環境要因が複雑に絡み合っているためです。発達の目安は「多くの赤ちゃんがこの時期にできるようになること」であり、絶対的な基準ではありません。
- 脳の発達: 言葉を司る脳の領域の発達スピードは、子どもによって異なります。
- 性格: 慎重な性格の子は、言葉を理解してから発話するため、一見遅れているように見えることもあります。また、体を動かすことが得意な子は、言葉よりも運動が先行することもあります。
- 環境: 親子のコミュニケーションの量や質、絵本の読み聞かせの有無なども、言葉の発達に影響を与えます。
大切なのは、「発達の目安」は、あくまで「多くの赤ちゃんがこの時期にできるようになること」を示すものであり、「この時期までにできなければいけない」というものではない、と理解することです。私も、目安通りにいかない娘を見ては一喜一憂しましたが、最終的にはその子のペースを信じることが一番だと学びました。
【月齢別】子どもの言葉の発達の目安と親ができること
子どもの成長に合わせて、言葉の発達を促す関わり方を工夫しましょう。
【結論】月齢別の言葉の発達目安は、0~6ヶ月頃はクーイングや喃語、7ヶ月~1歳頃は指差しや意味のある単語、1歳半~2歳頃は単語の爆発期と二語文、2歳半~3歳頃は会話のキャッチボールです。親はそれぞれの時期に合わせた「言葉のシャワー」「言葉の広げ方」「待つ姿勢」で関わることが大切です。
0〜6ヶ月頃:言葉のシャワーを浴びせる
- 発達の目安:
- 音のする方を向く
- あやすと笑う、クーイング(「あー」「うー」などの声)
- 喃語(「あーあー」「まんま」など、意味のない声)
- 親ができること:
- たくさん話しかける: 赤ちゃんの目を見て、笑顔でたくさん話しかけましょう。オムツ替えや授乳中など、日常のあらゆる場面で語りかけましょう。
- 赤ちゃんの声に反応する: 赤ちゃんが声を出したら、真似して返してあげましょう。コミュニケーションの楽しさを学びます。
- 読み聞かせ: まだ絵本の内容を理解できなくても、親の優しい声や、絵本のカラフルな色などが、赤ちゃんの五感を刺激します。
→ 関連記事: 【ママナースが解説】読み聞かせは最高の知育!いつから?効果・選び方と読み方のコツ
この時期は、とにかく「言葉のシャワー」を浴びせることが大切です。私も、娘たちに「可愛いね」「気持ちいいね」と、たくさん話しかけていました。
7ヶ月〜1歳頃:言葉と行動を結びつける
- 発達の目安:
- 指差しをする(要求の指差し、共感の指差し)
- 「ママ」「パパ」など意味のある言葉を話す
- バイバイなどの身振りをする
- 簡単な言葉を理解する(「おいで」「ちょうだい」など)
- 親ができること:
- 指差しを促す: 「ワンワンはどれかな?」「ブーブーは?」と、絵を指差しながら問いかけましょう。言葉と物の結びつきを学びます。
- オノマトペ(擬音語・擬態語)を使う: 「ワンワン、バウバウ!」「お花がフワフワ」など、声色を変えたり、身振り手振りを加えたりして、表現豊かに話しましょう。
- 子どもの言葉を繰り返す: 子どもが発した言葉を、親が正しく繰り返してあげることで、言葉の定着を促します。
「ワンワン、いたね!」と、子どもの指差しに合わせて言葉を返すことで、娘たちはどんどん言葉を吸収していきました。
1歳半〜2歳頃:言葉の爆発期
- 発達の目安:
- 単語の数が急激に増える
- 二語文を話す(「ママ、ねんね」「ワンワン、いた」など)
- 簡単な質問に答える
- 自分の名前を言う
- 親ができること:
- 子どもの言葉を広げる: 子どもが「ワンワン」と言ったら、「大きいワンワンだね」「ワンワン、お散歩してるね」など、言葉を広げて返してあげましょう。
- 質問を増やす: 「これ、何色?」「どっちがいい?」など、子どもが言葉で答える機会を増やしましょう。
- 絵本や図鑑を活用: 物の名前や、状況を言葉で表現する練習になります。
この時期は、本当に毎日新しい言葉を覚えて、驚きの連続でした。
2歳半〜3歳頃:会話のキャッチボールを楽しむ
- 発達の目安:
- 三語文以上を話す
- 「いつ?」「どこ?」「だれ?」などの質問ができる
- 簡単な会話のキャッチボールができる
- 自分の気持ちを言葉で表現する
- 親ができること:
- 子どもの話を最後まで聞く: 子どもが話している時は、手を止めて、目を見て真剣に聞く姿勢を見せましょう。
- 「なぜ?」を大切にする: 子どもが「なぜ?」と聞いてきたら、丁寧に答えてあげましょう。知的好奇心を育みます。
- ロールプレイング: お店屋さんごっこなど、言葉を使った遊びを通して、コミュニケーション能力を高めましょう。
娘たちが「なんで?」「どうして?」と聞いてくるたびに、私も一緒に考え、言葉で説明するように心がけていました。
【ママナースの視点】「言葉の遅れ」が気になったら…
「うちの子、もしかして言葉が遅れている?」
そう感じたら、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してください。
【結論】1歳半健診での指摘、2歳になっても単語がほとんど出ない、名前を呼んでも振り向かない・目を合わせない、オウム返しが多い、特定の音に過敏・無反応、指差しがない場合は、小児科医や地域の保健センターなどの専門機関に相談しましょう。早期発見・早期支援が大切です。
- 1歳半健診で言葉の指摘があった
- 2歳になっても単語がほとんど出ない
- 名前を呼んでも振り向かない、目を合わせようとしない
- オウム返しが多い、会話のキャッチボールができない
- 特定の音に過敏に反応する、または全く反応しない
- 指差しをしない、要求の指差しがない
相談先:
- かかりつけの小児科医: まずは、普段からお子さんのことをよく知っている小児科医に相談しましょう。発達の専門機関を紹介してくれることもあります。
- 地域の保健センター・子育て支援センター: 乳幼児健診などで、保健師さんや言語聴覚士さんなどが相談に乗ってくれます。地域の支援情報も教えてくれます。
- 児童発達支援センター・発達障害者支援センター: 発達に特性のある子どもやその家族を支援する専門機関です。診断の有無に関わらず、相談や療育(発達支援)を受けることができます。
「親の直感」は、何よりも大切なサインです。少しでも気になることがあれば、一人で抱え込まず、専門家を頼ってくださいね。早期発見・早期支援が、お子さんの可能性を最大限に引き出す鍵になります。
まとめ:最高の言葉の先生は、あなたの「愛」
子どもの言葉の発達は、親にとって尽きることのない喜びと、時に不安をもたらします。
しかし、この時期は二度と戻ってきません。
周りの子と比べるのではなく、お子さん自身の「昨日」と「今日」を比べてみてください。きっと、小さな成長の積み重ねに気づくはずです。
焦らず、比べず、お子さんの「今」を心から楽しみ、たくさんの言葉と愛情のシャワーを注いであげてください。あなたのその優しい声と笑顔が、お子さんの言葉の芽を育む、何よりの栄養になるでしょう。
