【きょうだい喧嘩】もう「どっちもどっち」で怒鳴らない!ママナースが教える正しい仲裁術

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「キーッ!」「ギャーッ!」

リビングに響き渡る、甲高い叫び声。おもちゃの取り合い、テレビのチャンネル争い…。仕事から疲れて帰ってきた途端に始まるゴングに、「お願いだから、今日くらい静かに過ごさせて…」と、天を仰いでいませんか?

こんにちは!3姉妹の母で、毎日がリングサイドの現役看護師、皐月です。

「いい加減にしなさい!」「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい!」

かつての私も、毎日こんな風に怒鳴っては、子どもたちの寝顔を見て「今日も怒りすぎちゃったな…」と自己嫌悪に陥る、その繰り返しでした。

でも、ある時気づいたんです。きょうだい喧嘩は、子どもたちが**社会性を学び、自分の感情をコントロールする練習をしている、最高の「心のトレーニング」**なのだと。

この記事では、そんな私の失敗と学びから得た、親が絶対にやってはいけないNG対応と、子どもたちの心を育む「正しい仲裁のステップ」を、具体的にお伝えします。

この記事でわかること

  • 今すぐやめて!子どもの心を傷つける「NG仲裁」ワースト3
  • 親の役割は裁判官じゃない!目指すべき「通訳」とは?
  • ママナースが実践!心を育む「正しい仲裁」4つのステップ
  • きょうだい喧嘩が、最高の「心のトレーニング」に変わる視点

今すぐやめて!私が後悔した「NG仲裁」ワースト3

良かれと思ってやっていた、かつての私の対応です。もし一つでも当てはまったら、今日から一緒に変えていきましょう。

NG①:「どっちもどっちでしょ!」と、両成敗する

一見、公平に見えるこの言葉。でも、子どもたちからすれば、「僕の気持ちは聞いてもらえなかった」「どうせ分かってくれない」という不満と諦めしか残りません。それぞれの言い分を無視することは、子どもの心を無視することと同じなんです。

NG②:「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい!」と、年上を責める

これは、きょうだい育児で一番やってしまいがちな間違い。私自身、長女に何度この言葉をぶつけてしまったことか…。この言葉は、上の子に「いつも私ばかり…」という理不尽な思いを抱かせ、下の子には「泣けば、お姉ちゃんのせいにできる」という悪知恵をつけさせてしまいます。

NG③:親が「裁判官」になって、白黒つける

「先に手を出した方が悪いでしょ!」と、親が善悪をジャッジすると、子どもたちは自分たちで解決する力を失い、「ママ(パパ)に言いつければ勝てる」と考えるようになってしまいます。

子どもの心を育む!ママナース式「正しい仲裁」4ステップ

親の役割は「裁判官」ではありません。子どもたちの気持ちを整理し、解決へと導く**「通訳」であり「心の救護班」**です。では、具体的にどうすればいいのか、見ていきましょう。

STEP1:まずは避難!物理的に引き離し、クールダウン

喧嘩がヒートアップしている時は、何を言っても火に油を注ぐだけ。「はい、ストップ!」「ちょっと離れようか」と、二人を物理的に引き離し、まずはそれぞれの気持ちが落ち着くのを待ちましょう。別の部屋に行くなど、場所を変えるのが効果的です。

《ママナースの視点》
これは、医療現場での応急処置と全く同じ。まずは安全を確保し、落ち着ける環境を作ることが最優先です。

STEP2:一人ずつ話を聞く(気持ちの代弁)

ここが最も重要なステップ。必ず、一人ずつ、マンツーマンで話を聞きます。ポイントは、意見やアドバイスはせず、ただひたすら「そうだったんだね」と、子どもの気持ちに寄り添い、言葉にしてあげること(傾聴・共感)です。

  • 魔法の言葉①:「そっか、あのブロックで遊びたかったんだね。取られて悲しかったんだね」(弟へ)
  • 魔法の言葉②:「そっか、一生懸命作っていたのに、壊されて悔しかったんだね」(兄へ)

自分の気持ちを親に100%受け止めてもらえた、と感じるだけで、子どもの興奮は半分以上収まります。

STEP3:お互いの気持ちを「通訳」する

それぞれの気持ちが落ち着いたら、今度は親が「通訳」になります。

  • 魔法の言葉③:「〇〇(弟)はね、あのおもちゃが使いたくて、貸してって言えなくて、取っちゃったんだって。悲しい気持ちにさせて、ごめんねって思ってるみたいだよ」
  • 魔法の言葉④:「〇〇(兄)はね、せっかく作ったのを壊されて、すごく悔しかったんだって」

親が間に入ることで、お互いを責めるのではなく、相手にも自分と同じような「気持ち」があることを、客観的に知ることができます。

STEP4:解決策を「本人たちに」考えさせる

最後に、「じゃあ、どうしたら、二人とも仲良く遊べるかな?」と、解決策を子どもたち自身に考えさせます。

「順番で使う?」「一緒に作る?」など、最初は稚拙でも、子どもたちなりの解決策が出てくるはずです。親は、そのアイデアを尊重し、もしうまく実行できたら、「二人で考えられて、えらかったね!」と、結果ではなく、解決できたプロセスそのものを、思いっきり褒めてあげましょう。

まとめ:きょうだい喧嘩は、最高の「心のトレーニングジム」

きょうだい喧嘩の仲裁は、時間も手間もかかり、本当に骨の折れる仕事です。

でも、このプロセスを通じて、子どもたちは、

  • 自分の感情を言葉にする力
  • 相手の気持ちを想像する力
  • 自分たちで問題を解決する力

といった、社会で生きていくために不可欠なスキルを、日々トレーニングしているのです。

感情的に怒鳴りつけるのではなく、子どもたちの「心のトレーニング」に付き合うコーチのような気持ちで、根気強く関わってみてください。その積み重ねが、きょうだいの強い絆と、自己肯定感の高い心を育んでいくのですから。

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