【子どものADHD】「落ち着きがない」「集中できない」は個性?ママナースが教える、家庭でできるサポートと理解の第一歩

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「何度言っても聞かない…」そのイライラ、もしかして誤解かも?

「また忘れ物?」「少しは、じっとしてなさい!」「ちゃんと話を聞いてるの?」

落ち着きがない。集中力が続かない。衝動的に行動してしまう。
そんな我が子の姿に、毎日イライラしたり、途方に暮れたりしていませんか?

「私の育て方が悪いのかな…」
「どうして、うちの子だけ…」

そのお悩み、もしかしたら、しつけや本人のやる気の問題ではなく、**ADHD(注意欠如・多動症)**という、生まれ持った脳の特性が関係しているのかもしれません。

こんにちは。3人の娘を育てながら、ナースとして働く皐月です。
今日は、ADHDの特性を持つ子どもたちと、その子育てに奮闘するママ・パパが、少しでも心穏やかに、そして前向きに過ごせるようになるための、「理解」と「サポート」の第一歩についてお話しします。


まず知ってほしいこと:ADHDは「才能」の裏返し

ADHDは、決して「病気」や「性格の問題」ではありません。脳の機能の、生まれ持った「個性」です。

脳内の神経伝達物質の働きに偏りがあることで、行動や思考をコントロールするのが、定型発達の子どもより少し難しい、というだけなのです。

そして、その特性は、見方を変えれば素晴らしい「才能」にもなります。

  • 多動性 → 好奇心旺盛で、エネルギッシュ!
  • 衝動性 → 直感力に優れ、行動力がある!
  • 不注意 → 独創的なアイデアが浮かぶ、クリエイティブ!

大切なのは、親がその特性を正しく理解し、「ダメなこと」として抑えつけるのではなく、その子が社会で生きやすくなるように、環境を整え、サポートしてあげることです。


【ママナースの処方箋】家庭でできる、具体的なサポート術

「じゃあ、具体的にどうすればいいの?」
今日からすぐに始められる、具体的なサポート方法を「処方箋」としてご紹介します。

処方箋①:「環境」を整える

子どもを変えようとするのではなく、子どもが過ごしやすいように「環境」を整えてあげましょう。

  • 集中できる勉強スペースを作る: テレビやおもちゃが目に入らない、シンプルな机周りを。
  • 持ち物リストを目につく場所に貼る: 玄関のドアなどに、写真やイラスト付きの持ち物リストを貼って、視覚的に確認できるようにする。
  • スケジュールを「見える化」する: 「朝やること」「夜やること」などを絵や写真でボードに貼り出し、次にするべきことが一目でわかるようにする。

処方箋②:「声かけ」を工夫する

ADHDの特性を持つ子は、一度にたくさんの情報を処理するのが苦手です。

  • 指示は「短く」「一つずつ」: 「〇〇して、次に△△してね」ではなく、「まず、〇〇しようか」「終わったら、△△をしようね」と区切って伝えます。
  • 肯定的な言葉を選ぶ: 「走っちゃダメ!」ではなく、「廊下は歩こうね」と、してほしい行動を具体的に伝えます。
  • たくさん褒める: どんな小さなことでも、「できた!」という成功体験を積み重ねることが、自己肯定感を育みます。「準備、早かったね!」「忘れ物、なかったね!」と、具体的に褒めてあげましょう。

処方箋③:エネルギーを「発散」させる

有り余るエネルギーは、体を動かして発散させてあげるのが一番です。

  • 毎日、外遊びの時間を確保する。
  • トランポリンやバランスボールなど、室内で体を動かせる遊具を取り入れる。
  • 習い事なら、水泳やダンス、武道など、全身を使うものがおすすめです。

これはNG!子どもの自己肯定感を下げる、親のNG行動

  • 叱り続ける: 「どうして、あなただけできないの!」と叱り続けても、子どもは「自分はダメな人間なんだ」と自信を失うだけです。
  • 他の子と比べる: 「お兄ちゃんはできたのに」という言葉は、百害あって一利なしです。
  • 完璧を求める: 親が完璧を求めすぎると、親子ともに疲弊してしまいます。「6割できれば上出来!」くらいの気持ちで、どーんと構えましょう。

最後に。あなたは、お子さんの一番の理解者

ADHDの特性を持つ子の子育ては、決して楽な道ではないかもしれません。
でも、そのユニークな視点や、あふれるエネルギーは、周りの人を惹きつける、かけがえのない魅力です。

もし、どうしても対応に困ったり、専門的なアドバイスが欲しいと感じたら、一人で抱え込まず、かかりつけの小児科や、地域の保健センター、発達障害者支援センターなどに、気軽に相談してみてくださいね。

あなたは、お子さんの一番の味方であり、最高の応援団長です。
その子の「得意」を伸ばし、「苦手」をサポートしながら、一緒に未来を切り拓いていきましょう。

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