「お菓子買って!」その一言、マネー教育の絶好のチャンスです
「ねえ、あのおもちゃ買って!」
「お小遣い、もっと上げてよ!」
スーパーに行くたびに、おねだりされる。お小遣いをあげても、あっという間に使い切ってしまう…。子どもの金銭感覚、このままで大丈夫?と不安に思ったことはありませんか?
実は、その悩みこそ、子どもの「生きる力」に直結するマネー教育を始める絶好のタイミングです。
お小遣いは、単なるお楽しみのためのお金ではありません。子どもが、「限りあるお金をどう使うか」を学び、計画性や自己管理能力を養うための、最高の教材なのです。
この記事では、将来子どもがお金で困らないために、今すぐ家庭で始められる「お小遣い制度」の作り方と、賢い使い方を教えるためのポイントを解説します。
なぜ、お小遣い制度は「お手伝い制」より「定額制」がいいのか?
お小遣いの渡し方には、大きく分けて3つのタイプがあります。
- 定額制: 月に一度など、決まった日に決まった額を渡す方法。
- 報酬制(お手伝い制): お手伝いをしたら、その対価として渡す方法。
- 都度制: 子どもが必要な時に、その都度渡す方法。
この中で、マネー教育の観点から最もおすすめなのが**「定額制」**です。
なぜなら、報酬制だと「お金をもらえないなら、お手伝いはしない」という考えに繋がりやすく、家族の一員としての役割を学ぶ機会を失ってしまいます。また、都度制では、計画的にお金を使う練習ができません。
定額制は、毎月決まった収入(お小遣い)の中で、やりくりする練習になります。これは、将来お給料をもらって生活する社会人としての予行演習そのものなのです。
我が家の「お小遣いルール」を作ろう!4つのステップ
ステップ1:始める時期と金額を決める
- いつから? お金の計算に興味を持ち始める、小学校低学年頃が最適なタイミングです。
- いくら? 「学年×100円」などがよく言われる目安ですが、家庭の方針や周りの状況に合わせて決めましょう。最初は少し少ないかな?くらいから始めるのがポイントです。
ステップ2:お小遣いで「まかなう範囲」を決める
これが非常に重要です。お小遣いで買って良いもの、親が払うものを明確に区別しましょう。
- お小遣いで買うもの(例): 友達への誕生日プレゼント、自分のためのお菓子、漫画やおもちゃなど
- 親が払うもの(例): 学用品、本、友達と出かける際の交通費など
「これはお小遣いで買うんだっけ?」と、子どもに考えさせる習慣をつけましょう。
ステップ3:お小遣い帳をつけさせる
買ったものと金額を記録することで、自分がお金を何に使っているのかを「見える化」できます。最初は面倒くさがるかもしれませんが、お金の出入りを把握する大切な習慣です。簡単なノートやアプリで構いません。
ステップ4:「欲しいもの」のための貯金を教える
「今月のお小遣いでは買えないけど、どうしても欲しいゲームソフトがある」
そんな時こそ、貯金のチャンスです。「毎月500円ずつ貯めたら、3ヶ月で買えるね」と一緒に計画を立ててあげましょう。目標を達成し、自分の力で欲しいものを手に入れた経験は、子どもにとって大きな自信になります。
こんな時どうする?お小遣いQ&A
- Q. 前借りや追加をせがまれたら?
- A. 基本的にはNGです。計画的に使わなかった結果、お金が足りなくなるという「失敗」を経験させることも大切な学びです。なぜ足りなくなったのかを一緒に考え、次の月の使い方を改善する機会にしましょう。
- Q. お金の使い道に口出ししたくなったら?
- A. 無駄遣いに見えても、ぐっとこらえて見守りましょう。お小遣いは子どものものです。失敗から学ぶ権利を尊重してあげてください。ただし、友達におごる、危険なものを買うなど、問題がある場合は、きちんと話し合う必要があります。
まとめ:お小遣いは、親から子への「信頼」のプレゼント
お小遣い制度を始めることは、子どもに「あなたを信頼しているよ。このお金をどう使うか、あなたに任せるね」というメッセージを伝えることでもあります。
もちろん、子どもは何度も失敗するでしょう。しかし、その小さな失敗の積み重ねこそが、将来大きな失敗をしないための最高のワクチンになります。
家庭という安全な場所で、お金との上手な付き合い方を学び、賢く、たくましく生きる力を育んでいきましょう。