看病

【プール熱と目ヤニ】タオル共有は絶対NG!ナースが教える家族内感染を防ぐ「隔離術」

夏の定番の感染症、「プール熱」(咽頭結膜熱)。高熱や喉の痛みが治まってホッとしたのも束の間、今度は子どもの目から、ベッタリとした大量の「目ヤニ」が…!

実はこの目ヤニ、プール熱の本当の恐ろしさが詰まった、いわば**「ウイルスの塊」**なんです。

「もう熱もないし、大丈夫だろう」と油断して、いつも通りタオルなどを共有してしまうと、あっという間に家族全員に感染が広がってしまいます。

3姉妹の母であり現役ナースである私が、家庭内全滅を防ぐための、ナース流「隔離術」をお伝えします。

なぜ「目ヤニ」がそんなに危険なの?

プール熱の原因であるアデノウイルスは、非常に感染力が強く、特に目ヤニや涙には大量のウイルスが含まれています。

このウイルスが付着した手で、ドアノブや電気のスイッチ、リモコンなどを触る。そして、それを別の家族が触り、無意識に目や口を触ってしまう…。

これが、家庭内で爆発的に感染が広がる典型的なパターンです。アルコール消毒も効きにくいため、物理的にウイルスとの接触を断つことが何よりも重要になります。

家族を守る!ナース流「3つの隔離術」

大げさだと思うかもしれませんが、「やりすぎかな?」と思うくらいが、アデノウイルスの感染対策では正解です。

1. タオル・洗面用具は「完全」に分ける

最も重要なのが、タオルの共有をやめることです。

  • お風呂上がりのバスタオル
  • 顔や手を拭くフェイスタオル

これらは、感染している子ども専用のものを用意し、他の家族のものとはハンガーや置く場所も完全に分けましょう。理想は、洗濯も別にすることです。洗濯が難しい場合は、ペーパータオルで代用するのが最も安全です。

2. 「触りそうな場所」を徹底的に消毒する

感染している子どもが触りそうな場所は、「次亜塩素酸ナトリウム消毒液」でこまめに消毒しましょう。

消毒液の作り方(濃度0.02%)
500mlのペットボトルに、キッチン用塩素系漂白剤(ハイターなど)を2ml(ペットボトルのキャップ半分弱)入れ、水で満たせば完成です。
※作り置きはせず、その都度使い切りましょう。金属や色柄物には使えないので注意してください。

  • ドアノブ
  • 電気のスイッチ
  • リモコン
  • おもちゃ
  • トイレのレバーや便座

これらの場所を、消毒液を染み込ませた布やペーパータオルで拭いておくだけで、接触感染のリスクを大幅に減らすことができます。

3. お風呂は「最後」に入れる

湯船のお湯を介して感染することも、残念ながらあります。

症状が出ている子どもは、シャワーだけで済ませるか、みんなが入り終わった一番最後に入浴するようにしましょう。

目ヤニが続く限り、油断は禁物

プール熱の症状が落ち着いても、目ヤニが出ている間は、まだ感染力があると考えましょう。

少しの注意と工夫で、家族みんなの健康を守ることができます。大変な時期ですが、あと少しだけ、感染対策を徹底してみてくださいね。

【家族全滅を防ぐ】冬の胃腸炎…ナースが教える「最強の消毒液」の作り方と正しい吐物処理

冬、子どもが突然「気持ち悪い…」と言い出した時の絶望感。胃腸炎の流行る季節は、ママにとって悪夢の季節でもありますよね。

一人がかかると、あっという間に兄弟、そして親へと広がり、一家全滅…なんて地獄絵図、絶対に避けたいものです。

3姉妹の母であり、現役ナースである私が断言します。家庭内感染を防ぐ最も重要なカギは、**「吐物の正しい処理」**です。

今回は、ウイルスを無力化する「最強の消毒液」の作り方と、二次感染を防ぐための安全な処理方法を、徹底的に解説します。

なぜ吐物の処理がそんなに大事なの?

ノロウイルスやロタウイルスなどの胃腸炎ウイルスは、非常に感染力が強いのが特徴です。

吐物や便の中には、目に見えないほどの小さな粒子となって、大量のウイルスが潜んでいます。アルコール消毒が効きにくいのも厄介な点。

ただ普通に拭き取るだけでは、ウイルスを床中に広げているようなもの。そこからウイルスが空気中に舞い上がり、他の家族の口に入ってしまうことで、家庭内感染が拡大していくのです。

家庭でできる!「次亜塩素酸ナトリウム消毒液」の作り方

ウイルスを無力化するには、「次亜塩素酸ナトリウム」が有効です。これは、実はキッチン用の塩素系漂白剤(ハイターなど)で簡単に作ることができます。

【最重要】取り扱いの注意

  • 必ず換気をしながら作業する。
  • ゴム手袋を着用する。
  • 原液が皮膚や衣類につかないように注意する。
  • 酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生するため、絶対に混ぜない
  • 金属を腐食させたり、色柄物を脱色させたりする作用があるので注意する。

準備するもの

  • キッチン用塩素系漂白剤(「次亜塩素酸ナトリウム」が主成分のもの)
  • 500mlの空のペットボトル

作り方1:吐物・便の処理用(濃度0.1%)

  1. 500mlのペットボトルに、漂白剤を10ml(ペットボトルのキャップ約2杯分)入れる。
  2. 肩のラインまで水を静かに入れ、フタを閉めて優しく混ぜる。

作り方2:ドアノブ・おもちゃの消毒用(濃度0.02%)

  1. 500mlのペットボトルに、漂白剤を2ml(ペットボトルのキャップ半分弱)入れる。
  2. 肩のラインまで水を静かに入れ、フタを閉めて優しく混ぜる。

※作った消毒液は時間が経つと効果が薄れるため、その都度使い切るようにしましょう。

ナース直伝!安全な吐物処理の7ステップ

  1. 窓を開けて換気し、使い捨てのマスクとゴム手袋を装着します。
  2. 吐物の上に、ペーパータオルや新聞紙をそっと被せ、外側から内側に向かって静かに拭き取ります。
  3. 拭き取ったペーパータオルは、すぐにビニール袋に入れます。
  4. 作っておいた0.1%の消毒液をペーパータオルにたっぷり含ませ、吐物があった場所を覆うように、広めに拭きます。
  5. そのまま10分ほど放置し、ウイルスを無力化させます。
  6. 最後に、きれいな雑巾やペーパータオルで水拭きをします。
  7. 使った手袋やマスク、処理に使ったもの全てをビニール袋に入れ、口を固く縛って捨てます。

冬のお守りとして「塩素系漂白剤」を

胃腸炎は、突然やってきます。いざという時に慌てないためにも、この冬は「お守り」として、キッチン用の塩素系漂白剤を1本常備しておくことを心からお勧めします。

正しい知識と準備が、あなたと、あなたの大切な家族を守ります。

【インフルエンザの異常行動】高熱時、子どもを一人にしないで。ナースからのお願い

冬になると、インフルエンザの猛威がやってきます。高熱でぐったりしている子どもの姿は、見ているだけで胸が張り裂けそうになりますよね。

十分な睡眠と水分補給、そして解熱剤…。基本的な看病は、多くのママがご存知だと思います。

でも今日は、3姉妹の母であり、現役ナースである私が、それと同じくらい、いえ、それ以上に大切だと考えていることを、お願いとしてお伝えさせてください。

それは、インフルエンザで高熱が出ている間は、絶対に子どもを一人にしないでほしい、ということです。

突然、子どもが豹変する「異常行動」の恐怖

「異常行動」という言葉を、ニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。

これは、インフルエンザで高熱が出た際に、突然意味のわからないことを言ったり、怯えたり、走り回ったり、暴れたりといった、普段では考えられない行動をとることです。

私がナースとして働いていた救命センターにも、インフルエンザの異常行動が原因で、マンションのベランダから転落してしまったお子さんが運ばれてきたことがありました。幸い命に別状はありませんでしたが、一歩間違えれば、取り返しのつかないことになっていました。

これは、決して他人事ではありません。どんなに普段おとなしい子でも、高熱によって引き起こされる可能性が十分にある、非常に危険な症状なのです。

なぜ「異常行動」は起こるのか?

異常行動のハッキリとした原因は、まだ解明されていません。インフルエンザウイルスそのものの影響、脳の未熟さ、あるいは解熱剤の影響など、様々な説が言われています。

しかし、原因が何であれ、少なくとも発熱から2日間は、こうしたリスクが特に高いことがわかっています。

子どもの命を守るために、親ができること

では、私たち親は、どうすれば我が子の命を守れるのでしょうか?

対策は、とてもシンプルです。

  • 子どもが寝ている間も、目を離さない
    • 同じ部屋で過ごす、リビングなど目の届く場所に寝かせるなど、常に気配を感じられるようにしましょう。
  • 転落・飛び出しの危険がある場所の戸締まりを徹底する
    • 玄関の鍵をかける。
    • 窓の鍵をかける(特にベランダ)。
    • マンションであれば、廊下側の窓もしっかり施錠する。

「うちの子は大丈夫」という油断が、一番の敵です。

心配しすぎるくらいで、ちょうどいい

看病で心身ともに疲れている中、24時間体制で子どもを見守るのは、本当に大変だと思います。

でも、インフルエンザの看病で一番大切なのは、解熱剤を飲ませることでも、お粥を作ることでもありません。子どもの命を守り抜くことです。

ほんの数日間のことです。心配しすぎるくらいで、ちょうどいい。どうか、このお願いを、心の片隅に留めておいてください。

【インフルエンザの異常行動】高熱時、子どもを一人にしないで。ナースからのお願い

冬になると、インフルエンザの猛威がやってきます。高熱でぐったりしている子どもの姿は、見ているだけで胸が張り裂けそうになりますよね。

十分な睡眠と水分補給、そして解熱剤…。基本的な看病は、多くのママがご存知だと思います。

でも今日は、3姉妹の母であり、現役ナースである私が、それと同じくらい、いえ、それ以上に大切だと考えていることを、お願いとしてお伝えさせてください。

それは、インフルエンザで高熱が出ている間は、絶対に子どもを一人にしないでほしい、ということです。

突然、子どもが豹変する「異常行動」の恐怖

「異常行動」という言葉を、ニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。

これは、インフルエンザで高熱が出た際に、突然意味のわからないことを言ったり、怯えたり、走り回ったり、暴れたりといった、普段では考えられない行動をとることです。

私がナースとして働いていた救命センターにも、インフルエンザの異常行動が原因で、マンションのベランダから転落してしまったお子さんが運ばれてきたことがありました。幸い命に別状はありませんでしたが、一歩間違えれば、取り返しのつかないことになっていました。

これは、決して他人事ではありません。どんなに普段おとなしい子でも、高熱によって引き起こされる可能性が十分にある、非常に危険な症状なのです。

なぜ「異常行動」は起こるのか?

異常行動のハッキリとした原因は、まだ解明されていません。インフルエンザウイルスそのものの影響、脳の未熟さ、あるいは解熱剤の影響など、様々な説が言われています。

しかし、原因が何であれ、少なくとも発熱から2日間は、こうしたリスクが特に高いことがわかっています。

子どもの命を守るために、親ができること

では、私たち親は、どうすれば我が子の命を守れるのでしょうか?

対策は、とてもシンプルです。

  • 子どもが寝ている間も、目を離さない
    • 同じ部屋で過ごす、リビングなど目の届く場所に寝かせるなど、常に気配を感じられるようにしましょう。
  • 転落・飛び出しの危険がある場所の戸締まりを徹底する
    • 玄関の鍵をかける。
    • 窓の鍵をかける(特にベランダ)。
    • マンションであれば、廊下側の窓もしっかり施錠する。

「うちの子は大丈夫」という油断が、一番の敵です。

心配しすぎるくらいで、ちょうどいい

看病で心身ともに疲れている中、24時間体制で子どもを見守るのは、本当に大変だと思います。

でも、インフルエンザの看病で一番大切なのは、解熱剤を飲ませることでも、お粥を作ることでもありません。子どもの命を守り抜くことです。

ほんの数日間のことです。心配しすぎるくらいで、ちょうどいい。どうか、このお願いを、心の片隅に留めておいてください。