川崎病ってどんな病気?見逃したくない初期症状と後遺症を防ぐ早期発見のポイント

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「ただの風邪」じゃない!見逃してはいけない子どもの病気「川崎病」

「高熱が続いているけど、風邪かな?」「体に赤いブツブツが出てるけど、突発性発疹かな?」

子どもの体調不良は、親にとって常に心配の種です。しかし、中には風邪や他の病気と間違えやすく、見逃してしまうと重篤な後遺症を残す可能性のある病気があります。その一つが「川崎病」です。

川崎病は、主に乳幼児がかかる原因不明の病気で、全身の血管に炎症が起こります。特に心臓の血管(冠動脈)に炎症が及ぶと、「冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)」という合併症を引き起こし、将来的に心臓病のリスクを高める可能性があります。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、川崎病の主な症状と、見逃してはいけない初期症状、そして後遺症を防ぐための「早期発見のポイント」について、詳しく解説します。正しい知識を身につけ、お子さんの命と健康を守りましょう。

川崎病とは?なぜ早期発見が重要なのか?

川崎病は、正式には「急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」と呼ばれ、全身の血管に炎症が起こる病気です。特に、心臓に栄養を送る冠動脈に炎症が起こりやすく、これが「冠動脈瘤」という合併症を引き起こすことがあります。

冠動脈瘤とは?

冠動脈瘤は、冠動脈の壁が炎症によって弱くなり、コブのように膨らんでしまう状態です。このコブの中に血栓ができたり、動脈硬化が進んだりすると、将来的に心筋梗塞や狭心症などの心臓病を引き起こすリスクが高まります。

早期発見・早期治療の重要性

川崎病は、発症から10日以内に適切な治療を開始することで、冠動脈瘤の発生を大幅に抑えることができます。そのため、早期に病気を発見し、治療を開始することが非常に重要なのです。

ママナース直伝!見逃してはいけない川崎病の主要症状6つ

川崎病の診断には、以下の6つの主要症状のうち、5つ以上が当てはまることが目安となります。ただし、全てが揃わなくても診断されることがありますので、気になる症状があればすぐに医療機関を受診しましょう。

  1. 5日以上続く発熱:
    • 抗生剤が効かない高熱が5日以上続きます。解熱剤を使っても一時的に下がるだけで、すぐにまた上がります。
  2. 両目の充血(眼球結膜の充血):
    • 目やにが出ないのに、両方の白目が真っ赤に充血します。結膜炎と間違えやすいですが、目やにがないのが特徴です。
  3. 唇の赤み、いちご舌:
    • 唇が真っ赤に腫れ、乾燥してひび割れたり、出血したりすることがあります。舌の表面がブツブツと赤くなり、「いちご舌」と呼ばれる状態になります。
  4. 体幹部の発疹:
    • 手足や顔にはあまり出ず、体幹部(お腹や背中)を中心に、様々な形の発疹が出ます。かゆみはあまりありません。
  5. 手足の腫れ、指先の皮むけ:
    • 手のひらや足の裏が赤く腫れ、硬くなることがあります。熱が下がってから、指先の皮がむけてくることも特徴的です。
  6. 首のリンパ節の腫れ:
    • 首の片側または両側のリンパ節が腫れて、触ると痛みを伴うことがあります。

こんな時はすぐに病院へ!

上記6つの主要症状のうち、いくつか当てはまる症状が見られた場合は、迷わず小児科を受診しましょう。特に、発熱が5日以上続く場合は、川崎病の可能性を疑い、医師にその旨を伝えることが重要です。

治療について

川崎病の治療は、主に「ガンマグロブリン大量療法」と「アスピリン療法」が行われます。早期に治療を開始することで、冠動脈瘤の発生を抑え、後遺症のリスクを減らすことができます。

まとめ|親の「気づき」が、子どもの未来を守る

川崎病は、原因不明の病気であり、診断が難しいこともあります。しかし、親が子どもの異変にいち早く気づき、適切なタイミングで医療機関を受診することが、お子さんの命と健康を守る上で非常に重要です。

「ただの風邪だろう」と自己判断せず、上記のような症状が見られた場合は、迷わず小児科を受診し、医師に詳しく症状を伝えましょう。そして、川崎病の可能性を疑い、検査を依頼することも大切です。

子どもの未来を守るために、親の「気づき」と「行動」が何よりも大切です。不安なことがあれば、ためらわずに医療機関に相談してくださいね。

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