その「冷えピタ」、気休めかもしれません。子どもの発熱時、クーリングの正しい知識
子どもが、熱を出すと、多くの親が、まず、冷蔵庫から、取り出すのが、「熱さまシート」や、「冷えピタ」といった、冷却ジェルシートではないでしょうか。「熱を、吸い取ってくれる」「気持ちよさそう」そんな、イメージがあるかもしれません。しかし、医学的には、これらの、冷却シートに、解熱効果(体温を下げる効果)は、ないとされています。
こんにちは、ママナースのさとみです。良かれと思って、やっている、そのケアが、実は、あまり意味がなかったり、場合によっては、逆効果だったりすることも。子どもの発熱は、親にとって、一大事。だからこそ、正しい知識を、持っておきたいですよね。
この記事では、子どもの発熱時の、「クーリング(体を冷やすこと)」に関する、正しい知識と、本当に、効果のある、体の冷やし方について、解説します。
なぜ、「熱さまシート」に、解熱効果はないの?
熱さまシートは、その、ジェルの水分が、蒸発する時の、気化熱によって、おでこなどの、「貼った部分」の、皮膚表面の温度を、一時的に、下げているだけです。体の、中心部の体温(深部体温)を、下げる力は、ありません。
もちろん、子どもが、「冷たくて、気持ちいい」と感じているのであれば、精神的な、安楽のために、使ってあげるのは、良いでしょう。しかし、「熱を下げるため」の、医療的な効果は、期待できない、ということを、知っておきましょう。
使用する際の、注意点
- 窒息のリスク: 乳幼児に、使用する場合、寝ている間に、シートがずれて、口や鼻を、塞いでしまい、窒息する危険性があります。絶対に、目を離さないでください。
- 皮膚トラブル: 肌が弱い子は、かぶれてしまうこともあります。
発熱のメカニズム:体を、冷やすべき時と、温めるべき時
効果的な、クーリングを行うためには、発熱の、フェーズを、理解することが、重要です。
フェーズ1:熱の「上がり際」(悪寒期)
- 症状: 手足が冷たく、ブルブルと、震え(悪寒)がある。顔色が、青白い。
- 体の状態: 体が、熱を、作り出そうと、頑張っている時期。
- 対応: この時期に、体を冷やすのは、逆効果です。本人が、寒さを訴えるなら、布団を一枚、足してあげるなど、保温に努めましょう。
フェーズ2:熱が「上がりきった」後(熱感期)
- 症状: 全身が、熱く、顔が赤い。汗をかき始める。
- 体の状態: 体が、熱を、外に逃がそうと、している時期。
- 対応: このタイミングで、初めて、クーリングが、有効になります。本人が、暑がるようなら、薄着にさせ、体を、冷ましてあげましょう。
本当に、効果のある、体の冷やし方
体を、効率的に、冷やすためのポイントは、**「太い血管が、通っている場所」**を、狙うことです。
- 首の、両脇
- 脇の下
- 足の付け根(そけい部)
これらの場所を、保冷剤を、タオルで包んだものや、冷たい、濡れタオルなどで、冷やしてあげると、そこを流れる、血液が冷やされ、全身の体温が、効率的に、下がります。
おでこを、冷やすのは、本人が、気持ち良いと感じるなら、良いですが、解熱効果としては、あまり、期待できません。
まとめ:クーリングは、あくまで、補助的なケア
子どもの発熱で、最も、大切なこと。それは、クーリングや、解熱剤で、無理に、熱を下げることでは、ありません。
**水分補給を、しっかり行い、ゆっくりと、体を休ませてあげること。そして、熱の高さだけでなく、「機嫌はどうか」「ぐったりしていないか」**といった、子どもの、全身状態を、よく観察することです。
熱さまシートは、「お守り」のようなもの。その、効果を、過信せず、正しい知識を持って、発熱の、つらい時期を、乗り切ってあげてくださいね。