「手伝ってほしいけど、かえって手間が増える…」そのジレンマ、分かります
「ママ、これやるー!」
そう言って、張り切って洗濯物をぐちゃぐちゃにしたり、お皿を割ってしまったり…。
「ありがとうね」と言いつつも、結局やり直す手間が増えたり、危ないからとつい「いいよ、ママがやるから」と言ってしまったり。
「お手伝いって、いつから、どう教えればいいんだろう?」
「どうせなら、ちゃんと戦力になってほしいけど…」
そんな風に、子どものお手伝いについて、ジレンマを抱えている親御さんは、決して少なくありません。
こんにちは!3人の娘たちに、それぞれ異なる形でお手伝いを教えてきた、現役ママナースの皐月です。
お伝えしたいのは、お手伝いは、単なる家事の分担ではありません。 それは、子どもの「自立心」と「自己肯定感」を育む、最高の教育の場だということ。そして、「戦力」になることよりも、「やってみたい」という気持ちを大切にすることが何よりも重要だということです。
この記事では、そんなあなたの疑問を解消するために、子どものお手伝いを始める最適な時期から、年齢別のお手伝いリスト、やる気を引き出す魔法の声かけ、そして自立心を育むヒントまで、専門家の視点と実体験を交えて、徹底的に解説します。
さあ、今日からお子さんと一緒に、お手伝いを通して「生きる力」を育んでいきましょう。
なぜ「お手伝い」が子どもの成長に大切なの?驚きの5つの効果
お手伝いは、子どもの心と体に、計り知れないほどの良い影響を与えます。
1.自立心が育つ
- 「自分でできた!」という成功体験を積み重ねることで、自信がつき、自分のことは自分でやろうとする自立心が育まれます。
2.自己肯定感が高まる
- 「ありがとう」「助かったよ」と感謝されることで、「自分は役に立つ存在だ」と感じ、自己肯定感が高まります。
3.責任感が芽生える
- 自分の役割を果たすことで、物事を最後までやり遂げる責任感が養われます。
4.生活能力が身につく
- 家事のスキルを身につけることで、将来、自分で生活していくための基礎能力が養われます。
5.家族の一員としての意識が育つ
- 家族のために貢献することで、家族の一員としての意識や、協力することの大切さを学びます。
【年齢別】今日からできる!お手伝いリスト
子どもの発達段階に合わせて、無理なくできるお手伝いから始めましょう。大切なのは、完璧にできることではなく、「やってみたい」という気持ちを尊重することです。
1〜2歳頃:まずは「まねっこ」から
- できること:
- おもちゃを箱に入れる
- タオルをたたむ(ぐちゃぐちゃでもOK)
- ゴミをゴミ箱に入れる
- 靴を揃える
- 声かけのコツ:
- 「ママと一緒だよ」「まねっこ上手だね」と、一緒にやってみましょう。
- 「ポイしてくれてありがとう!」「できたね!」と、具体的に褒めてあげましょう。
3〜4歳頃:簡単な「お仕事」に挑戦
- できること:
- 自分の服をたたむ(簡単なものから)
- 食卓を拭く
- 洗濯物を運ぶ
- 野菜を洗う(安全なものから)
- お風呂のおもちゃを片付ける
- 声かけのコツ:
- 「〇〇ちゃんのおかげで、助かったよ!」「ありがとう、ママ嬉しいな」と、感謝の気持ちを伝えましょう。
- 「これは〇〇ちゃんのお仕事だよ」と、役割を与えてあげると、責任感が芽生えます。
5〜6歳頃:少し複雑な「役割」を任せる
- できること:
- 自分の部屋を片付ける
- 食器を並べる・下げる(割れにくいものから)
- 洗濯物を干す・取り込む
- 簡単な料理の手伝い(卵を割る、野菜を切るなど、親が見守る中で)
- お風呂掃除
- 声かけのコツ:
- 「どうすればもっと早くできるかな?」「〇〇ちゃんが工夫したところ、教えてくれる?」と、自分で考える力を促しましょう。
- 「さすが、お兄さん(お姉さん)だね!」と、成長を認め、期待を伝えましょう。
【ママナースの視点】お手伝いを通して「生きる力」を育む
お手伝いは、単なる家事のスキルを身につけるだけでなく、子どもが社会で生きていく上で必要な「生きる力」を育む、最高の機会です。
- 段取り力: 「洗濯物を干すには、まずハンガーを用意して…」など、物事を順序立てて考える力が養われます。
- 問題解決能力: 「どうすればもっときれいにできるかな?」「どうすればもっと早くできるかな?」と、自分で考えて工夫する力が育まれます。
- 共感力: 家族のために貢献することで、相手の気持ちを思いやる共感力が育まれます。
お手伝いをさせる際は、「完璧」を求めすぎないことが大切です。多少の失敗は、学びのチャンス。温かく見守り、できたことをたくさん褒めてあげましょう。
まとめ:お手伝いは、親子の「共同プロジェクト」
子どものお手伝いは、親にとって少し手間がかかるかもしれません。でも、その手間を上回るほどの、素晴らしい成長と学びの機会を与えてくれます。
大切なのは、「やらされる」お手伝いではなく、「自分からやりたい」と思えるお手伝いにすること。
そして、親子の「共同プロジェクト」として、一緒に楽しみながら取り組むことです。
あなたのその温かいサポートと、たくさんの「ありがとう」が、お子さんの「生きる力」を育む、何よりの栄養になるでしょう。