「嘘つき!」…その一言が、子どもの心を深く傷つけているかもしれません
「おもちゃ、片付けたって言ったのに、まだ散らかったままじゃない!」
「お菓子、食べてないって言ったのに、口の周りにチョコがついてるよ!」
子どもが嘘をついた時、あなたは、どう反応しますか?
つい、カッとなって、「嘘つき!」と、感情的に叱ってしまっていませんか?
そして、そのたびに、子どもの、シュンとした顔を見て、「あーあ、またやっちゃった…」と、自己嫌悪に陥る。
3姉妹の母である私も、何度も、この「子どもの嘘」という問題に直面し、どう対応すればいいのか、悩んできました。
でも、ナースとして、そして、母として、たくさんの子どもたちと接してきた中で、私は、あることに気づいたんです。
それは、子どもの嘘は、決して「悪いこと」ばかりではない、ということ。
むしろ、脳が発達した証拠であり、その裏には、親に伝えたい、本当のSOSが隠されているのだ、と。
今日は、そんな、子どもの嘘の裏にある、本当の気持ちと、叱る前に知っておきたい、賢い対応法について、お話しさせてください。
子どもの嘘は「成長の証」!?脳の発達と嘘の関係
まず、知っておいてほしいこと。
それは、嘘をつくには、高度な認知能力が必要だ、ということです。
- 想像力:現実とは異なる状況を、頭の中で作り出す力。
- 記憶力:自分がついた嘘の内容を覚えておく力。
- 相手の気持ちを推測する力:相手が何を信じるか、どう反応するかを考える力。
これらの能力は、子どもの脳が、順調に発達している証拠です。
特に、3歳を過ぎた頃から、子どもは、このような高度な嘘をつけるようになると言われています。
つまり、子どもが嘘をつくことは、決して「悪いこと」ばかりではなく、**「成長の証」**でもあるのです。
叱る前に知りたい!嘘の裏にある「本当のSOS」3つのパターン
では、子どもが嘘をつく時、その裏には、どんな「本当のSOS」が隠されているのでしょうか。
SOS1:「怒られたくない」という恐怖
これは、最も多いパターンかもしれません。
親に叱られるのが怖くて、つい、その場しのぎの嘘をついてしまう。
子どもは、親の顔色を伺い、「どうすれば、怒られないか」を考えて、嘘をついてしまうのです。
SOS2:「注目されたい」「褒められたい」という欲求
親の関心を引きたい、褒められたいという気持ちから、大げさに話したり、作り話をしたりしてしまう。
特に、普段、親にあまり構ってもらえないと感じている子どもに、見られることがあります。
SOS3:「想像の世界」と「現実」の区別がついていない(特に幼児期)
特に幼児期の子どもは、想像と現実の区別が曖昧です。
悪気なく、自分が想像したことを、あたかも現実のように話してしまうことがあります。
これは、豊かな想像力の表れでもあります。
嘘をついた子どもへの賢い対応3つのステップ
子どもが嘘をついた時、感情的に叱るのではなく、嘘の裏にある子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。
ステップ1:まずは、子どもの気持ちに寄り添う
「怒られたくなかったんだね」
「ママに見てほしかったんだね」
「〇〇ちゃんは、そう思ったんだね」
と、嘘の裏にある子どもの気持ちを、まずは、受け止めてあげましょう。
子どもは、自分の気持ちを理解してもらえた、と感じることで、安心して、本当のことを話せるようになります。
ステップ2:「嘘は悲しい」と伝える
子どもの気持ちを受け止めた上で、**「嘘をつかれると、ママは悲しい気持ちになるよ」**と、親の気持ちを伝えましょう。
「ママは、〇〇ちゃんのこと、信じたいから、本当のことを話してほしいな」
と、優しく、諭すように伝えます。
感情的に怒鳴るのではなく、親の悲しい気持ちを伝えることで、子どもは、嘘をつくことの重さを、理解できるようになります。
ステップ3:「本当のことを話してくれてありがとう」と褒める
もし、子どもが、嘘を正直に話してくれたら、その勇気を、全力で褒めてあげましょう。
「本当のことを話してくれて、ありがとう。ママは、〇〇ちゃんが、正直に話してくれて、嬉しいよ」
と、伝えることで、子どもは、「正直に話すことは、良いことなんだ」と学び、次からは、嘘をつかずに、本当のことを話せるようになります。
嘘をつかせない環境作り
子どもが嘘をつくのは、親にとって心配の種です。
しかし、それは子どもが成長している証拠であり、その裏には、親に伝えたい本当のSOSが隠されています。
叱るのではなく、嘘の裏にある子どもの気持ちに寄り添い、子どもが安心して本音を話せる環境を作ること。
親が完璧を求めすぎず、子どもが失敗しても、受け止めてくれる、という安心感を与えること。
それが、子どもの心を育み、親子の信頼関係を深めるための、最も大切な一歩です。
