冬になると、インフルエンザの猛威がやってきます。高熱でぐったりしている子どもの姿は、見ているだけで胸が張り裂けそうになりますよね。
十分な睡眠と水分補給、そして解熱剤…。基本的な看病は、多くのママがご存知だと思います。
でも今日は、3姉妹の母であり、現役ナースである私が、それと同じくらい、いえ、それ以上に大切だと考えていることを、お願いとしてお伝えさせてください。
それは、インフルエンザで高熱が出ている間は、絶対に子どもを一人にしないでほしい、ということです。
突然、子どもが豹変する「異常行動」の恐怖
「異常行動」という言葉を、ニュースなどで耳にしたことがあるかもしれません。
これは、インフルエンザで高熱が出た際に、突然意味のわからないことを言ったり、怯えたり、走り回ったり、暴れたりといった、普段では考えられない行動をとることです。
私がナースとして働いていた救命センターにも、インフルエンザの異常行動が原因で、マンションのベランダから転落してしまったお子さんが運ばれてきたことがありました。幸い命に別状はありませんでしたが、一歩間違えれば、取り返しのつかないことになっていました。
これは、決して他人事ではありません。どんなに普段おとなしい子でも、高熱によって引き起こされる可能性が十分にある、非常に危険な症状なのです。
なぜ「異常行動」は起こるのか?
異常行動のハッキリとした原因は、まだ解明されていません。インフルエンザウイルスそのものの影響、脳の未熟さ、あるいは解熱剤の影響など、様々な説が言われています。
しかし、原因が何であれ、少なくとも発熱から2日間は、こうしたリスクが特に高いことがわかっています。
子どもの命を守るために、親ができること
では、私たち親は、どうすれば我が子の命を守れるのでしょうか?
対策は、とてもシンプルです。
- 子どもが寝ている間も、目を離さない
- 同じ部屋で過ごす、リビングなど目の届く場所に寝かせるなど、常に気配を感じられるようにしましょう。
- 転落・飛び出しの危険がある場所の戸締まりを徹底する
- 玄関の鍵をかける。
- 窓の鍵をかける(特にベランダ)。
- マンションであれば、廊下側の窓もしっかり施錠する。
「うちの子は大丈夫」という油断が、一番の敵です。
心配しすぎるくらいで、ちょうどいい
看病で心身ともに疲れている中、24時間体制で子どもを見守るのは、本当に大変だと思います。
でも、インフルエンザの看病で一番大切なのは、解熱剤を飲ませることでも、お粥を作ることでもありません。子どもの命を守り抜くことです。
ほんの数日間のことです。心配しすぎるくらいで、ちょうどいい。どうか、このお願いを、心の片隅に留めておいてください。
