「別に…」その一言に、あなたは、今日、何回傷つきましたか?
「今日の学校、どうだった?」
「別に…」
「何か、困ってることない?」
「別に…」
思春期に入った子どもに話しかけても、返ってくるのは、いつも「別に…」の一言。
そのたびに、あなたは、胸が締め付けられるような気持ちになりますよね。
「私、嫌われちゃったのかな…」
「もう、話したくないのかな…」
そうやって、心が折れそうになり、子どもとの距離が、どんどん離れていくのを感じているママ、多いのではないでしょうか。
3姉妹の母である私も、長女が思春期に入った時、同じような経験をしました。
でも、ナースとして、そして、母として、たくさんの子どもたちと接してきた中で、私は、あることに気づいたんです。
それは、思春期の子どもが発する「別に…」は、決して、親への拒絶ではない、ということ。
むしろ、100個くらいの感情が詰まった、圧縮ファイルなのだ、と。
今日は、そんな、思春期の子どもの「別に…」に悩むママへ。
親が知るべき3つのことと、賢い対応法について、お話しさせてください。
思春期の「別に…」は、なぜ起こる?それは「自立心」と「葛藤」
まず、知っておいてほしいこと。
それは、思春期の子どもは、心と体が、大きく変化する時期だ、ということです。
ホルモンバランスの変化、身体的な成長、そして、精神的な自立。
親から自立しようとする一方で、まだ、社会経験も少なく、不安や葛藤も抱えています。
- 自分の気持ちをうまく言葉にできない:複雑な感情を、まだうまく言葉で表現できないため、「別に…」という形で表現してしまう。
- 親からの干渉を嫌がる:親からの干渉を「うざい」と感じ、距離を置こうとする。
- 考える時間が必要:自分の気持ちや考えを整理するために、一人になる時間が必要。
そう。
思春期の子どもの「別に…」は、親への拒絶ではなく、「今はそっとしておいてほしい」「自分の気持ちを整理する時間が必要」という、複雑なメッセージが込められた、SOSなのです。
親が「別に…」を責めると、どうなる?親子の溝が深まる可能性
では、親が「別に…」を責めると、どうなるでしょうか。
子どもは、
- 「ママは、僕(私)の気持ちをわかってくれない」
- 「ママは、僕(私)のことを信じてくれない」
- 「どうせ、言っても無駄だ」
と、感じ、さらに心を閉ざしてしまう可能性があります。
結果として、親子の信頼関係を損ない、コミュニケーションが希薄になってしまうことも、少なくありません。
大切なのは、子どもの「別に…」を「悪いこと」と決めつけるのではなく、その裏にある子どもの気持ちに、寄り添うことです。
思春期の「別に…」への賢い対応!親が知るべき3つのこと
では、どうすれば、私たちは、思春期の子どもの「別に…」に、賢く対応できるのでしょうか。
知るべきこと1:「今はそっとしておく」という愛情表現
無理に話しかけようとせず、子どもに「考える時間」を与えることも、大切な愛情表現です。
子どもが一人になりたがっている時は、そっとしておいてあげましょう。
ただし、完全に放置するのではなく、見守っていることを伝えることが大切です。
知るべきこと2:「見守っているよ」というメッセージを伝える
直接話さなくても、「何かあったら、いつでも話してね」「ママは、あなたの味方だよ」と、いつでも頼れる存在であることを、言葉で伝えましょう。
手紙やメッセージで伝えるのも良いでしょう。
子どもは、親が自分を見守ってくれている、と感じることで、安心感を得ることができます。
知るべきこと3:「短い挨拶」は続ける。最低限のコミュニケーションを保つ
「おはよう」「おやすみ」「いってらっしゃい」「おかえり」など、最低限のコミュニケーションは、毎日続けるようにしましょう。
短い挨拶でも、親子の繋がりを保ち、子どもに「ママは、僕(私)のことを気にかけてくれている」というメッセージを伝えることができます。
思春期を通して、子どもが学ぶこと
思春期の子どもの「別に…」は、親にとって辛いものかもしれません。
しかし、それは、子どもが、
- 自分の気持ちと向き合うこと。
- 感情をコントロールすること。
- 他者との距離感を学ぶこと。
など、社会性を学ぶための、大切な機会でもあります。
親は、子どもの変化を受け止め、適切な距離感を保ちながら、見守ってあげること。
そして、何よりも、子どもを信頼し、愛していることを伝え続けること。
その姿勢が、子どもの健やかな成長を促し、快適な毎日を送るための、何よりの力になります。
どうか、あなたの目の前で、心を閉ざしているように見える我が子を、
「嫌いになった」と、決めつけないでください。
その「別に…」は、あなたへの、そして、自分自身への、大切なメッセージなのですから。
