「また、転んじゃった…」その傷口、あなたは、どう手当てしていますか?
公園で、元気に遊んでいた子どもが、突然、転んで、膝を擦りむいてしまった。
血が滲む傷口を見て、あなたは、慌てて、
- 「痛かったね、大丈夫?」と声をかけながら、
- 持っていた消毒液を、シュッシュッと吹きかけ、
- 絆創膏を貼る。
そんな対応を、していませんか?
その気持ち、痛いほど、わかります。
私も3姉妹の母として、何度も、その状況に直面し、どうしていいかわからず、慌てていました。
でも、ナースとして、たくさんの子どもたちと接してきた経験から、
そして、母として、子育てをしてきた中で、私は、あることに気づいたんです。
それは、絆創膏を貼る前に、傷口を「3分」水道水で流すことが、何よりも大切だ、ということ。
そして、これだけで感染リスクは激減するのだ、と。
今日は、そんな、子どもの傷の手当てに悩むママへ。
子どもの傷の手当てのための、3つのヒントについて、ナースの視点から、お話しさせてください。
子どもの傷の手当て、なぜ「水道水」が最重要なのか?それは「洗浄」と「感染予防」
まず、知っておいてほしいこと。
それは、傷口には、砂や土、細菌などが付着している可能性がある、ということです。
これらを、洗い流すことが、感染を防ぎ、傷の治りを早める上で、最も大切なのです。
消毒液は、確かに細菌を殺す効果がありますが、同時に、傷口の細胞も傷つけてしまいます。
傷口の細胞が傷つくと、傷の治りが遅くなったり、かえって悪化したりする可能性があります。
だからこそ、子どもの傷の手当てでは、「洗浄」が最優先なのです。
なぜ「3分」水道水で流すことが大切なのか?それは「細菌の洗い流し」
では、なぜ「3分」水道水で流すことが大切なのでしょうか。
それは、短時間では、細菌を十分に洗い流せないからです。
- 細菌の洗い流し:3分間、流水で洗い流すことで、傷口に付着した細菌の数を大幅に減らすことができます。
- 異物の除去:砂や土などの異物も、流水で洗い流すことで、効果的に除去できます。
この「3分間、水道水で流す」という方法は、薬に頼らず、自然な形で感染リスクを減らすことができる、非常に効果的な方法なのです。
子どもの傷の手当て!親の3つのヒント
では、どうすれば、私たちは、子どもの傷の手当てを安全に行い、ママも子どもも笑顔で過ごせるようになるのでしょうか。
ヒント1:「3分間、水道水で流す」
傷口を、流水で3分間、優しく洗い流しましょう。
石鹸を使っても構いませんが、ゴシゴシこすらず、優しく洗い流すことが大切です。
砂や土などの異物が残っていないか、よく確認しましょう。
ヒント2:「清潔なガーゼやタオルで水分を拭き取る」
傷口の周りの水分を、清潔なガーゼやタオルで、優しく拭き取りましょう。
傷口を直接こすらないように注意してください。
ヒント3:「絆創膏やガーゼで保護する」
傷口を乾燥させないように、絆創膏やガーゼで保護しましょう。
最近では、「湿潤療法」といって、傷口を乾燥させずに、潤った状態を保つことで、傷の治りを早める方法が主流になっています。
市販の湿潤療法用の絆創膏(キズパワーパッドなど)も有効です。
消毒液はNG?その理由と、正しい使い方
「消毒液は、使わない方が良い」と聞くと、驚くママもいるかもしれません。
しかし、前述の通り、消毒液は、傷口の細胞を傷つけ、治りを遅らせる可能性があります。
基本的には、水道水でしっかり洗うだけで十分です。
もし、消毒液を使う場合は、医師の指示に従い、適切な種類と濃度で使用するようにしましょう。
特に、アルコール消毒液は、刺激が強く、傷口には不向きです。
子どもの健やかな成長を促すために
絆創膏を貼る前に、傷口を「3分」水道水で流す。これだけで感染リスクは激減します。
子どもの傷の手当てには、水道水での洗浄、清潔な保護、適切な絆創膏の使用が大切です。
親は、焦らず、正しい知識で対応すること。
そして、何よりも、子どもを信頼し、愛していることを伝え続けること。
その姿勢が、子どもの健やかな成長を促し、快適な毎日を送るための、何よりの力になります。
どうか、あなたの目の前で、傷口を痛がる我が子を、
「わがままな子」だと、決めつけないでください。
その「痛い!」は、あなたへの、そして、自分自身への、大切なメッセージなのですから。
