「かゆい!かゆい!」その声に、あなたは、どう対応していますか?
夏。
公園で、元気に遊んでいた子どもが、突然、腕をかきむしり始めた。
蚊に刺された跡が、みるみるうちに赤く腫れ上がり、子どもは、
「かゆい!かゆい!」
と、泣き叫ぶ。
そのたびに、あなたは、
「かきむしっちゃダメ!」
「掻いたら、もっと痒くなるよ!」
と、つい、感情的に叱ってしまっていませんか?
そして、そのたびに、子どもの、不満そうな顔を見て、「あーあ、また言っちゃった…」と、自己嫌悪に陥る。
「でも、掻き壊したら、とびひになったら困るし…」
「どうすれば、この痒みから解放してあげられるんだろう…」
そんな不安に、押しつぶされそうになる日もありました。
3姉妹の母である私も、かつては、この「虫刺され問題」に、頭を悩ませてきました。
でも、ナースとして、そして、母として、たくさんの子どもたちと接してきた中で、私は、あることに気づいたんです。
それは、虫刺され、かきむしる前に「冷やす」ことが、何よりも大切だ、ということ。
そして、これだけで痒みは半減するのだ、と。
今日は、そんな、子どもの虫刺されに悩むママへ。
子どもの虫刺され対策のための、3つのヒントについて、ナースの視点から、お話しさせてください。
子どもの虫刺され、なぜかきむしってしまうのか?それは「痒み」と「我慢できない」
まず、知っておいてほしいこと。
それは、子どもは、大人よりも痒みに敏感で、我慢することが難しい、ということです。
特に、乳幼児は、痒みを言葉で表現できないため、かきむしることで、その不快感を伝えようとします。
かきむしることで、
- 傷口が悪化:皮膚が傷つき、細菌感染を起こしやすくなる。
- とびひなどの感染症:掻き壊した傷口から、細菌が入り込み、とびひなどの感染症に繋がる可能性。
- 色素沈着:掻き壊した跡が、色素沈着として残ってしまう可能性。
といった問題を引き起こしてしまうのです。
なぜ「冷やす」ことが痒みを半減させるのか?それは「感覚の鈍化」と「炎症抑制」
では、なぜ「冷やす」ことが、痒みを半減させる効果があるのでしょうか。
- 感覚の鈍化:冷やすことで、痒みを感じる神経の働きが鈍化し、痒みが和らぎます。
- 炎症抑制:虫刺されは、炎症反応によって痒みや腫れが起こります。冷やすことで、炎症を抑える効果もあります。
この「冷やす」という方法は、薬に頼らず、自然な形で痒みを和らげることができる、非常に効果的な方法なのです。
子どもの虫刺され対策!親の3つのヒント
では、どうすれば、私たちは、子どもの虫刺されを対策し、快適な夏を過ごしてあげられるのでしょうか。
ヒント1:「かきむしる前に冷やす」
虫に刺されたら、すぐに冷たいタオルや保冷剤で冷やすことを習慣にしましょう。
冷やすことで、痒みが和らぎ、かきむしるのを防ぐことができます。
保冷剤を使う場合は、直接肌に当てず、タオルなどで包んで使用しましょう。
ヒント2:「市販薬を適切に使う」
痒みが強い場合は、ステロイド配合の市販薬を適切に使うことも有効です。
- ステロイド配合の市販薬:炎症を抑える効果が高く、痒みや腫れを早く鎮めます。
- 非ステロイド系の市販薬:痒み止め成分が配合されており、比較的軽度な痒みに効果があります。
薬を使う際は、必ず用法・用量を守り、子どもの年齢に合ったものを選びましょう。
また、症状が改善しない場合は、皮膚科を受診してください。
ヒント3:「虫刺され予防を徹底する」
虫に刺されないことが、一番の対策です。
- 虫除けスプレー:外出時は、肌の露出部分に虫除けスプレーを塗布しましょう。
- 長袖・長ズボン:特に、蚊が多い場所や時間帯は、長袖・長ズボンを着用しましょう。
- 蚊帳:寝る時は、蚊帳を使用するのも有効です。
- 網戸の設置:窓を開ける際は、網戸を閉め、虫の侵入を防ぎましょう。
親も「虫刺され」を理解し、焦らない
子どもの虫刺されは、親にとって心配の種です。
しかし、焦らず、正しい知識で対応することが大切です。
「また刺されちゃった…」と、子どもを責めたり、プレッシャーをかけたりしないようにしましょう。
虫刺されがひどい場合や、症状が改善しない場合は、自己判断せずに、皮膚科を受診してください。
適切な診断と治療を受けることで、子どもの苦痛を和らげることができます。
子どもの健やかな成長を促すために
虫刺され、かきむしる前に「冷やす」。これだけで痒みは半減します。
子どもの虫刺され対策には、冷やすこと、市販薬を適切に使うこと、虫刺され予防を徹底することが大切です。
親は、焦らず、正しい知識で対応すること。
そして、何よりも、子どもを信頼し、愛していることを伝え続けること。
その姿勢が、子どもの健やかな成長を促し、快適な毎日を送るための、何よりの力になります。
どうか、あなたの目の前で、痒みで苦しむ我が子を、
「わがままな子」だと、決めつけないでください。
その「かゆい!」は、あなたへの、そして、自分自身への、大切なメッセージなのですから。
