「お金持ちと結婚して、幸せになるのよ」…その言葉、本当に娘のためですか?
可愛い、可愛い、我が娘。
その子の将来を思うあまり、私たち親は、つい、こう願ってしまいます。
「どうか、お金で苦労だけはしないでほしい」
「素敵な旦那さんを見つけて、楽な暮らしをさせてあげたい」
そして、その願いが、ポロッと、こんな言葉になって、口からこぼれ落ちる。
「あなたも、将来はお金持ちと結婚しなさいよ」
その気持ち、痛いほどわかります。
娘の幸せを願う、親としての、純粋な愛情から出た言葉ですよね。
でも、3姉妹の母として、そして、一人の働く女性として、これからの時代を生きていく娘たちの背中を見つめながら、私は、その言葉に、ある種の「危うさ」を感じずにはいられないのです。
今日は、その「危うさ」の正体と、私が娘たちに、本当に伝えていきたいと思っている**「自分で自分を幸せにするための、お金の教育」**について、お話しさせてください。
なぜ「お金持ちと結婚しなさい」が、危険な呪いになるのか
「お金持ちと結婚しなさい」という言葉は、一見、娘の幸せを願う、優しいアドバイスのように聞こえます。
でも、その裏には、
「あなたの幸せは、あなた以外の誰か(=結婚相手)に、委ねられているのよ」
という、非常に危険なメッセージが隠されています。
これは、娘に「依存的な生き方」を、無意識のうちに、教えてしまっているのと同じこと。
もし、その結婚がうまくいかなかったら?
もし、相手の経済状況が、ある日突然、変わってしまったら?
他人に依存した幸せは、砂上の楼閣のようにもろく、崩れやすい。
そして何より、経済的な依存は、精神的な依存に繋がり、娘から**「人生の選択の自由」**を奪ってしまう可能性があるのです。
私が娘たちに本当に伝えたい「幸せになるためのお金の教育」3つの柱
私が、3人の娘たちに、口を酸っぱくして伝えていること。
それは、「誰かに幸せにしてもらう」生き方ではなく、**「自分の力で、自分を幸せにする力」**を身につけてほしい、ということです。
そして、そのための最強の翼となるのが、「経済的な自立」。
そのために、我が家では、3つの柱でお金の教育を実践しています。
柱①:「稼ぐ力」を身につけることの尊さを教える
まず、一番大切なこと。
それは、自分の「好き」や「得意」を活かして、社会の役に立ち、その対価として「ありがとう」の気持ちと共にお金をいただく、ということの尊さを教えることです。
「あなたには、自分で自分の人生を切り拓いていく力が、ちゃんと備わっているんだよ」
そう信じ、娘たちが、どんなことに興味を持ち、どんなことに心をときめかせているのかを、親として、一番の応援団長として、見守り、サポートする。
それが、将来、娘が「稼ぐ力」を身につけるための、一番の土台になります。
柱②:「使う力」を賢く育む練習をさせる
お金は、ただ貯め込むためのものではありません。
自分の人生を豊かにする経験や、学び、そして、誰かを喜ばせるために「使う」ことができる、素晴らしいツールです。
我が家では、お小遣いを通して、
「限られた予算の中で、自分は、何に価値を感じ、何にお金を使いたいのか」
を、徹底的に、自分で考え、選択する練習をさせています。
失敗したっていい。
その失敗から、「自分にとって、本当に価値のあるお金の使い方とは何か」を学ぶことの方が、100倍大切なのです。
柱③:「守る・増やす力」が、未来の自分を守る武器になることを知る
これからの時代、ただ銀行に預けておくだけでは、お金の価値は目減りしていくかもしれません。
だからこそ、自分のお金を、インフレや予期せぬリスクから「守り」、そして、賢く「増やしていく」という視点が、不可欠になります。
もちろん、小学生の娘に、いきなり株や投資の話をするわけではありません。
でも、「お金にも、働いてもらう、という考え方があるんだよ」「お金を置いておく場所によって、将来、増え方が変わってくるんだよ」といった、基本的な知識を、年齢に応じて、分かりやすく伝えています。
お金の知識は、将来、娘が、自分の力で自分の身を守るための、最強の「武器」になるのです。
お金の話は、タブーじゃない。最高のコミュニケーションだ
「うちには、お金がないから…」
「お金の話なんて、はしたない」
日本では、なぜか、家庭でお金の話をすることが、タブー視されがちです。
でも、私は、お金の話こそ、最高のコミュニケーションの機会だと思っています。
「このお菓子は、パパが、毎日一生懸命働いてくれたお給料で買えたんだよ。感謝して食べようね」
「次の沖縄旅行のために、家族みんなで、毎月1,000円ずつ、この瓶に貯金していこう!」
お金への感謝や、目標のために計画的にお金を使うことの楽しさを、日常会話の中で、ポジティブに伝えていく。
その積み重ねが、子どもの「生きる力」に繋がっていきます。
娘の幸せを、心から願うからこそ。
「誰かに幸せにしてもらう」生き方ではなく、「自分の足で立ち、自分の力で、自分と、周りの人を幸せにできる」強さを持った女性に、育ててあげたい。
そのために、私たち親にできることは、まだまだ、たくさんありそうです。
