【ママナースが解説】子どもの癇癪・暴言、どう受け止める?年齢別対処法と親の心の持ち方

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「もう知らない!」「ママなんか大嫌い!」
そう叫んで、床にひっくり返って泣き叫ぶわが子。

おもちゃが思い通りにならないだけで、物を投げつけたり、暴言を吐いたり…。
その激しい怒りの爆発に、あなたは戸惑い、心を痛めていませんか?

「どうして、うちの子はこんなに怒りっぽいんだろう…」
「私の育て方が悪いのかな…」
「このまま、感情的な子になってしまうんじゃないか…」

子どもの怒りや癇癪は、親にとって本当に胸が締め付けられるような悩みですよね。周りの目も気になり、どう対応すればいいのか分からず、一人で抱え込んでいませんか?

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。何を隠そう、我が家の娘たちも、小さな頃はそれはもう激しい癇癪持ちでした。その度に私も感情的になってしまい、後で自己嫌悪に陥る…そんな日々を繰り返していました。

だからこそ、今、悩みの真っ只中にいるあなたに伝えたいのです。

子どもの「怒り」は、決して「悪い感情」ではありません。それは、言葉にできない気持ちを必死に伝えようとしている、子どもからのSOSサインなのです。

この記事では、そんなあなたの心を少しでも軽くするために、子どもの怒りの本当の原因から、今日から実践できる年齢別の具体的な対処法、親がやってはいけないNG行動、そして何より大切な親の心の持ち方まで、私の経験を交えながら詳しくお伝えします。

この記事でわかること

  • 子どもの怒りや癇癪に隠された、本当の気持ち
  • 親がやってしまいがちな「NG行動」と、その理由
  • 【0歳〜小学生】年齢別の具体的な対処法と声かけのコツ
  • 親の心が軽くなる!イライラしないための心の持ち方
  • 「もしかして発達障害?」専門家への相談を考える目安

もう大丈夫。お子さんの気持ちを理解し、正しい関わり方をすれば、必ずこの時期を乗り越えられます。一緒に、解決の糸口を見つけていきましょう。

なぜ?どうして?子どもの怒りや癇癪に隠された5つの「言えない気持ち」

「悪いこと」だとわかっているのに、なぜ怒りを爆発させてしまうのでしょうか。その行動の裏には、子どもなりの切実な「本音」が隠されています。

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【結論】「言葉にできない」「思い通りにならない」「見てほしい」という気持ちが、怒りの正体です。

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  1. 言葉にできない「もどかしさ」
    特に乳幼児期の子どもは、「嫌だ」「こうしたい」という気持ちを、まだ言葉でうまく表現できません。言いたいのに言えないもどかしさから、手や足、体全体を使って感情を爆発させてしまうのです。

  2. 欲求が満たされない「不満」や「ストレス」
    「もっと遊びたいのに、もう帰る時間」「眠い、お腹がすいた」など、自分の思い通りにならない時や、体調が悪い、疲れているといったストレスが、イライラや怒りに繋がります。

  3. 「自分でやりたい!」のにできない「もどかしさ」
    自我が芽生え、「自分でやりたい!」という気持ちが強いのに、まだ体がうまく動かせなかったり、思った通りにできなかったりするもどかしさから、怒りや癇癪に繋がることがあります。

  4. ママ・パパの気を引きたい「寂しさ」
    親が忙しそうにしている時や、他の兄弟にばかり注目している時など、「こっちを向いて!」という寂しさから、わざと怒りを表現することがあります。親が反応することで、「こうすれば注目してもらえる」と学習してしまうことも。

  5. 周りの「真似」
    テレビやアニメ、周りの大人の行動を真似して、怒りを表現することがあります。善悪の判断がまだ曖昧なため、無意識に模倣してしまうのです。

<皐月の視点>
いかがですか?こうして見ると、どの理由も子どもなりに一生懸命に何かを伝えようとしている姿が浮かび上がってきませんか?「怒りっぽい子」と決めつける前に、まずは「この子は何を伝えたかったのかな?」と考えてみることが、解決への第一歩です。

親がやってはいけない「NG行動」と、子どもの成長を促す「見守りのコツ」

子どもの怒りへの親の関わり方次第で、子どもの感情コントロール能力は大きく変わります。ついやってしまいがちなNG行動と、子どもの成長を促す見守りのコツを学びましょう。

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【結論】感情的に怒鳴らず、子どもの感情を受け止め、安全を確保した上で、正しい表現方法を教えましょう。

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親がやってはいけないNG行動

  • 感情的に怒鳴る、叩き返す: 親が感情的になると、子どもも感情的になり、怒りの連鎖が生まれます。子どもは、怒りの感情をコントロールする方法を学ぶ機会を失います。
  • 無視する: 子どもの怒りを無視すると、子どもは「自分の気持ちは伝わらない」と感じ、さらに激しい行動に出たり、心を閉ざしたりすることがあります。
  • 「怒っちゃダメ!」と感情を否定する: 怒りは自然な感情です。感情そのものを否定すると、子どもは自分の感情を抑え込むようになり、健全な感情の発達を妨げます。
  • すぐに要求を飲む: 怒れば要求が通る、と子どもが学習してしまうと、怒りをコントロールできなくなります。

子どもの成長を促す「見守りのコツ」

  1. まずは、安全を確保する: 物を投げたり、人を叩いたりして、子ども自身や周りの人に危険が及ぶ場合は、まずは安全を確保しましょう。
  2. クールダウンの場所へ誘導する: 感情的になった時に、一時的に落ち着ける場所(クールダウンコーナー)へ誘導しましょう。静かで安全な場所で、気持ちが落ち着くのを待ちます。
  3. 「怒り」の感情を受け止める: 子どもが落ち着いたら、「怒っていたんだね」「嫌だったんだね」と、怒りの感情そのものを受け止めてあげましょう。感情を言葉で表現することを促します。
  4. 「なぜ怒ったのか」を一緒に考える: 「どうして怒ったのかな?」「何が嫌だった?」と、子どもの気持ちに寄り添い、怒りの原因を一緒に考えましょう。この時、親は「聞き役」に徹し、子どもの話を最後まで聞くことが大切ですいです。
  5. 代替行動を提案する: 「怒りたい時は、ママに『怒ってる!』って教えてね」「嫌な時は、『嫌だ』って言おうね」など、言葉で表現する方法や、他の方法(深呼吸する、クッションを叩くなど)を教えてあげましょう。

【年齢別】子どもの怒りへの具体的な対処法

子どもの発達段階に合わせて、適切な対処法を選びましょう。大切なのは、どんな時も感情的にならず、一貫した態度で根気強く対応することです。

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【結論】年齢が低いほど「共感と安全確保」、高くなるほど「言葉での表現と自己解決」を促しましょう。

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【0〜2歳頃】共感と危険回避が最優先

この時期は「イヤイヤ期」の真っ只中。言葉でうまく表現できないもどかしさから、怒りを爆発させます。

  • 共感: 「嫌だったね」「悲しかったね」と、気持ちを受け止めてあげましょう。
  • 危険回避: 物を投げたり、叩いたりする行動が見られたら、すぐにその場を離させ、毅然とした態度で「ダメ!」と伝えましょう。

【3〜4歳頃】言葉での表現を促し、気持ちを代弁する

言葉の理解が進み、少しずつ我慢ができるようになる時期。なぜダメなのか、理由も一緒に伝えていきましょう。

  • 気持ちの代弁: 「おもちゃを取られて嫌だったんだね」「怒りたかったんだね」と、子どもの気持ちを受け止めてから、「でも、叩くのは違うよ」と伝えましょう。
  • 代替行動の提案: 「怒りたい時は、ママに『怒ってる!』って教えてね」「嫌な時は、『嫌だ』って言おうね」など、言葉で表現する方法や、他の方法(深呼吸する、絵を描くなど)を教えてあげましょう。

【5歳〜小学生】自己コントロールと問題解決をサポートする

集団生活のルールを理解し、自分の感情と向き合う練習を始める時期です。

  • 自己コントロールの練習: 自分の感情をコントロールする方法を、子どもと一緒に考え、練習しましょう。怒りの感情を数値化する「アンガーマネジメント」の考え方も有効です。
  • 問題解決: 怒りの原因となった問題について、子ども自身にどうすれば解決できるかを考えさせましょう。親は、解決策を見つける手助けをします。
  • 仲直り: 怒ってしまったら、相手に謝罪し、仲直りする方法を一緒に考えましょう。親が間に入って、仲直りのきっかけを作ることも大切です。

もう自分を責めないで。親の心の余裕が、子どもの感情を育む

子どもの怒りや癇癪は、親にとって大きなストレスになります。でも、お母さんの心の余裕が、冷静な対応に繋がり、お子さんの感情を健やかに育む土台となります。

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【結論】一人で抱え込まず、周りを頼ってOK!完璧な親なんて、どこにもいません。

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自分を責めたり、完璧な対応を求めすぎたりしないでください。パートナーと悩みを共有し、時には子育て支援センターや信頼できる友人に話を聞いてもらうだけでも、心は軽くなります。

専門家への相談を考えた方が良いケース

ほとんどの場合、子どもの怒りや癇癪は成長と共におさまりますが、以下のような状況が続く場合は、一人で抱えずに専門機関に相談することも考えてみてください。

  • 怒りの頻度や強さが、年齢に比べて著しく高い
  • 物を壊す、人を傷つけるなど、危険な行動が頻繁に見られる
  • 怒りの感情が、日常生活に支障をきたしている(登園・登校を嫌がるなど)
  • 親自身が精神的に追い詰められている
  • 言葉の遅れや、他の発達面で気になることがある

【相談先】
かかりつけの小児科医、地域の保健センター、子育て支援センター、児童相談所、スクールカウンセラーなど

まとめ:怒りは、子どもの「心」を育てる大切な感情

子どもの怒りや癇癪は、親にとって本当に悩ましい問題です。
でも、それは、**子どもが自分の感情を表現し、コントロールする方法を学ぶための、かけがえのない「練習の場」**です。

大切なのは、子どもを「怒りっぽい子」と決めつけるのではなく、その行動の裏にある子どもの気持ちを理解し、適切な方法で表現することを教えてあげること。

そして、何よりも、親子の信頼関係を築き、子どもが安心して感情を表現できる環境を作ってあげることです。

あなたのその愛情と忍耐が、お子さんの「感情をコントロールする力」を育む、何よりの栄養になります。このガイドが、あなたと、あなたの大切なお子さんの成長をサポートする一助となれば幸いです。

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