【ママナースが解説】「成長痛」と決めつけないで。夜に足を痛がる子ども、考えられる他の原因

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夜中に泣いて訴える足の痛み、本当に「成長痛」で片付けて大丈夫?

夕方から夜にかけて、子どもが「足が痛い」と泣き出す。でも、翌朝には、ケロッとして元気に走り回っている…。そんな時、多くの親御さんは、「ああ、成長痛かな」と、考えるのではないでしょうか。

こんにちは、ママナースの皐月です。3人の娘を育てている私も、娘たちが夜中に足の痛みを訴えてきた時、「成長痛かな?」と安易に考えてしまった経験があります。でも、実は、**「成長痛」という名前の病気は、正式には存在しません。**他に明らかな異常がなく、年齢や症状から、推測される診断名なのです。

しかし、中には、成長痛とよく似た症状で、治療が必要な、別の病気が隠れている可能性もあります。この記事では、

  • いわゆる「成長痛」の特徴と原因
  • 見逃してはいけない「危険な足の痛み」のサイン
  • 「成長痛」と診断された場合の家庭でできるケア

について、私の経験も交えながら詳しく解説します。この記事を読めば、お子さんの足の痛みに対する不安が解消され、親として、今すぐできる具体的なアプローチが見つかるはずです。お子さんの小さなSOSを見逃さないために、一緒に学んでいきましょう。

この記事でわかること

  • 「成長痛」と呼ばれる足の痛みの一般的な特徴
  • 「成長痛」と間違えやすい、治療が必要な病気のサイン
  • 夜間の足の痛みに親がどう対応すべきか
  • 家庭でできる痛みのケアと、安心感を与える方法
  • 専門医を受診するタイミングと重要性

いわゆる「成長痛」、その特徴とは?原因はまだ不明?

一般的に「成長痛」と呼ばれる足の痛みには、以下のような特徴があります。これらの特徴に当てはまるからといって、必ずしも「成長痛」と自己判断せず、まずは医師に相談することが大切です。

【結論】「成長痛」は、夕方から夜間にかけて下肢に痛みが生じ、朝には痛みが消え、見た目の異常がなく、日中は元気に活動できるのが特徴です。原因は不明ですが、骨と筋肉の成長バランスや精神的ストレスが関連していると考えられています。

  • 痛む時間帯: 夕方から夜間、特に就寝中が多いです。朝になると、痛みが消えていることがほとんどです。私の娘も、夜中に突然「足が痛い!」と泣き出すことがよくありました。
  • 痛む場所: 膝、ふくらはぎ、足の甲など、下肢に多いです。痛む場所が、日によって移動することもあります。特定の関節ではなく、広範囲に痛みを訴えることが多いです。
  • 痛みの程度: シクシクとした痛みから、泣き叫ぶほどの強い痛みまで、様々です。断続的に、数週間から数ヶ月続くことがあります。
  • 見た目の変化: 痛がる部分に、腫れや、赤み、熱感など、**見た目の異常はありません。**もし見た目に変化がある場合は、別の病気を疑う必要があります。
  • 日中の様子: 日中は、痛みを忘れ、元気に走り回っていることが多いです。学校生活や遊びに支障がないのが特徴です。

原因は、まだはっきりと分かっていませんが、骨の成長に、筋肉の成長が追いつかないためのアンバランスや、日中の活動による、肉体的な疲労、精神的なストレスなどが、関係していると考えられています。子どもが新しい環境に適応しようと頑張っている時期に、精神的なストレスが足の痛みとして現れることもあります。


「成長痛」と決めつける前に!見逃してはいけない危険なサイン

「成長痛だろう」と安易に自己判断してしまうのは危険です。以下の症状が一つでも見られる場合は、成長痛以外の病気の可能性があります。自己判断せず、**必ず整形外科を受診してください。**早期発見・早期治療が、子どもの健康を守る上で非常に重要です。

【結論】夜間の足の痛みが「成長痛」ではない可能性を示す危険なサインは、痛みが朝まで続く、痛む場所が常に同じ(特に股関節や特定の関節)、患部の腫れ・赤み・熱感、足を引きずる、発熱を伴う、元気がなくなるなどです。これらのサインがあれば、速やかに整形外科を受診しましょう。

  • 痛みが、朝になっても続いている。日中も、痛みを訴える。
  • 痛がる場所が、いつも同じ(特に、股関節や、特定の関節)。
  • 痛がる部分が、赤く腫れていたり、熱を持っていたりする。
  • 足を引きずって歩いている。
  • 発熱を伴っている。
  • 本人が、どんどん元気がなくなっていく。

これらのサインは、若年性特発性関節炎(JIA)などの膠原病や、骨の感染症(骨髄炎)、さらには、骨肉腫などの悪性腫瘍といった、重大な病気が隠れている可能性を示唆しています。私の看護師としての経験からも、これらのサインを見逃さないことの重要性を強く感じています。少しでも気になることがあれば、迷わず専門医に相談してください。


「成長痛」と言われたら。家庭でできる、痛みのケアと心のサポート

病院で、「特に異常はなく、いわゆる成長痛でしょう」と診断された場合、家庭では、どのようにケアしてあげれば良いのでしょうか。成長痛は、体の痛みであると同時に、「甘えたい」という、心のサインでもあります。痛みを和らげ、安心感を与えるケアが、何よりも効果的です。

【結論】「成長痛」と診断された場合、家庭では優しくさすってあげる、温めてあげるなどの身体的ケアに加え、「甘えたい」という子どもの心のサインを受け止め、安心感を与える精神的サポートが重要です。湿布の使用は慎重に行い、日中の疲れを溜めすぎない工夫も必要です。

  • 優しく、さすってあげる: 痛がっている場所を、ママやパパの手で、優しくマッサージしてあげましょう。「痛いの、痛いの、飛んでいけ」と、声をかけながら、ゆっくりさすってあげるだけで、子どもは、不思議と安心します。このスキンシップが、子どもの心の安心タンクを満たします。
  • 温めてあげる: 蒸しタオルや、お風呂で、ゆっくり温めてあげると、血行が良くなり、痛みが和らぐことがあります。湯船に浸かることで、リラックス効果も期待できます。
  • 湿布は、慎重に: 子どもの皮膚はデリケートなので、大人用の湿布は、かぶれの原因になります。使う場合は、必ず、医師や薬剤師に相談してください。自己判断での使用は避けましょう。
  • 日中の疲れを、溜めすぎない: 特に、活発に運動した日の夜に、痛みを訴えることが多いです。疲れすぎないように、休息を促すことも大切です。無理なスケジュールは避け、ゆとりのある生活を心がけましょう。

まとめ:子どもの「痛い」という訴えを、軽視しないで。親の慎重な判断が命を守る

今回は、夜に足を痛がる子どもについて、「成長痛」と決めつけずに、考えられる他の原因と、親ができるサポートについてお伝えしました。

  • 「成長痛」は正式な病名ではなく、他の病気が隠れている可能性もあります。
  • 痛みが朝まで続く、患部の腫れ・赤み・熱感、足を引きずる、発熱、元気がなくなるなどの「危険なサイン」を見逃さないでください。
  • 「成長痛」と診断された場合は、優しくさすったり温めたりする身体的ケアと、心のサポートが大切です。
  • 少しでも気になることがあれば、迷わず整形外科を受診しましょう。

子どもの「痛い」という訴え。それは、体の異常を知らせる、重要なサインです。「どうせ、また成長痛だろう」と、安易に自己判断してしまうのは、危険です。まずは、今回ご紹介した「危険なサイン」がないかを、冷静に観察してください。

そして、少しでも「おかしいな」と感じたら、迷わず、専門医の診察を受けること。その親の慎重な判断が、万が一の、大きな病気の早期発見に繋がるのです。私たちママナースは、お子さんの健やかな成長を願うあなたの育児を、心から応援しています!

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