【ママナースが解説】「なんで?」を「考える力」に。クリティカルシンキングの芽を育てる親の質問術

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「なんで?」を「考える力」に。AI時代を生き抜く子どものクリティカルシンキングを育む親の質問術

AIがますます進化していく、これからの社会。人間に求められるのは、知識の量や計算の速さではなく、「自分の頭で深く考え、本質を見抜く力」、すなわち、**「クリティカルシンキング(批判的思考)」**です。これは、情報を鵜呑みにせず、「本当にそうなの?」「なぜそう言えるの?」と、多角的に物事を捉える能力のこと。

こんにちは、ママナースの皐月です。「なんだか難しそう…」と思いますか?いいえ、この未来を生き抜くために最も重要な力は、実は、家庭での親子の何気ない会話の中から育んでいくことができるのです。

私自身、3人の娘たちとの日々の会話の中で、この「質問術」を意識するようになってから、娘たちの「なんで?」が、ただの疑問で終わらず、さらに深く考えるきっかけになっていると感じています。例えば、長女がニュースを見て「なんでこんなことが起こるの?」と聞いてきた時、すぐに答えを教えるのではなく、「あなたはどう思う?」と問いかけるようにしています。

この記事では、子どもの「なんで?」期を絶好の機会と捉え、**クリティカルシンキングの芽を育てるための親の「質問術」**について、私の体験を交えながらご紹介します。毎日の会話が、子どもの未来を創る大切な時間になるはずです。

この記事でわかること

  • AI時代に子どもに求められる「考える力」とは
  • クリティカルシンキングを育む親の役割
  • 子どもの思考を深める具体的な質問術5選
  • 親も「分からない」と言える勇気の大切さ
  • 毎日の会話が子どもの未来を創るヒント

「正解」を教える親から、「問い」を立てる親へ

子どもが、「空はなんで青いの?」と聞いてきた時、あなたならどう答えますか?

「それはね、太陽の光が空気中の小さな粒にぶつかって、青い光だけが私たちの目にたくさん届くからだよ」

これは科学的には正しい答えです。しかし、この答え方では、子どもの思考はそこで終わってしまいます。せっかくの「なんで?」という知的好奇心の芽を摘んでしまうことにもなりかねません。

【結論】クリティカルシンキングを育む親の役割は、正解を教えることではなく、子どもがさらに深く考えるための「良い問い」を立ててあげることです。

クリティカルシンキングを育むための親の役割は、「正解を教えること」ではありません。子どもがさらに深く考えるための、「良い問い」を立ててあげることなのです。私も以前は、すぐに答えを教えてしまっていましたが、それでは娘たちの「もっと知りたい!」という気持ちがそこで止まってしまうことに気づきました。それからは、娘たちの疑問に対して、さらに疑問を投げかけるように意識しています。


子どもの思考を深める!魔法の質問術5選

では、具体的にどんな質問をすれば、子どもの思考を深めることができるのでしょうか。私が娘たちとの会話で実践している「魔法の質問術」を5つご紹介します。ぜひ、今日から試してみてくださいね。

【結論】子どもの思考を深めるためには、「もし〇〇だったら?」「どうしてそう思うの?」「反対の考えの人は?」「なんでそう言えるの?」「つまりどういうこと?」という5つの質問術が効果的です。

1. 視点を変える質問:「もし、〇〇だったら?」

  • 子: 「空はなんで青いの?」
  • 親: 「そうだね。もし、空が赤かったら、どんな気持ちになるかな?」
  • 育つ力: 想像力、多角的な視点。自分とは違う視点から物事を捉えることで、柔軟な思考力が育まれます。

2. 理由を問う質問:「どうして、そう思うの?」

  • 子: 「僕は、ウサギさんが一番好きだな」
  • 親: 「そっか!どうして、ウサギさんが一番好きなの?どこが素敵なの?」
  • 育つ力: 自分の考えを言語化する力、論理的思考力。自分の「好き」を言葉で説明することで、思考が整理されます。

3. 反対意見を問う質問:「反対の考えの人は、なんて言うかな?」

  • 子: 「ゲームは毎日やった方がいいよ!」
  • 親: 「なるほどね。じゃあ、『ゲームはあまりやらない方がいい』って思っている人は、どうしてそう思うんだろうね?」
  • 育つ力: 客観性、自分とは違う他者の視点を想像する力。多様な意見があることを知り、相手の立場を考える力が育ちます。

4. 根拠を問う質問:「なんで、そう言えるの?」

  • 子: 「テレビで、〇〇が良いって言ってたよ!」
  • 親: 「へぇ、そうなんだ!テレビでは、どうしてそれが良いって言っていたの?何か理由を説明していた?」
  • 育つ力: 情報の信憑性を見抜く力、根拠に基づいて判断する力。情報リテラシーの基礎を育むことができます。

5. 要約を促す質問:「つまり、どういうこと?」

  • 子: (その日の出来事をだらだらと長く話している)
  • 親: 「うん、うん。それで、結局、一番言いたいことは何かな?一言で言うとどういうこと?」
  • 育つ力: 要約力、物事の本質を捉える力。情報を整理し、簡潔に伝える力が身につきます。

これらの質問は、特別な場面で使う必要はありません。食卓での会話や、お風呂の中、寝る前の読み聞かせの後など、日常のあらゆる場面で活用できます。私も、娘たちが学校であったことを話してくれた時、「それで、一番面白かったことは何だった?」と聞くようにしています。


大切なのは、親も「分からない」と言える勇気

これらの質問を投げかけた時、親が全ての答えを知っている必要は全くありません。むしろ、「分からない」と言えることこそが、子どもの知的好奇心を刺激する最大のチャンスになります。

【結論】親が「分からない」と正直に伝え、子どもと同じ目線で一緒に考え、学ぶ姿勢を見せることで、子どもの知的な好奇心に火をつけ、探求心を育むことができます。

「面白い視点だね!お母さんも考えたことなかったな。一緒に調べてみようか」

親が知ったかぶりをせず、子どもと同じ目線で、一緒に考え、学ぶ姿勢を見せること。その「探求のパートナー」としての親の姿が、子どもの知的な好奇心に火をつける、最大のエンジンとなるのです。私も、娘たちから予想外の質問をされた時は、「良い質問だね!ママも知らなかったから、一緒に図鑑で調べてみようか」と答えるようにしています。そうすると、娘たちは目をキラキラさせて、一緒に調べてくれるんですよ。


まとめ:毎日の会話が、未来を創る。子どもの「考える力」を育む質問術

今回は、AI時代を生き抜くために必要な「クリティカルシンキング」を育む親の質問術についてお伝えしました。

  • AI時代に求められるのは、知識ではなく「自分の頭で考える力」です。
  • 親の役割は、正解を教えることではなく、子どもが深く考えるための「良い問い」を立てることです。
  • 「もし〇〇だったら?」「どうしてそう思うの?」などの質問で、子どもの思考を深めましょう。
  • 親も「分からない」と言える勇気を持ち、子どもと一緒に学ぶ姿勢が大切です。

クリティカルシンキングは、特別な英才教育ではありません。

「なんで、そう思うの?」

食卓で、お風呂で、寝る前の布団の中で。親が子どもにかける、そのたった一言の質問。その毎日の小さな、小さな積み重ねが、子どもの思考の「癖」を作り、やがて誰にも奪われることのない、たくましい「生きる力」となっていくのです。

私たちママナースも、子どもの「考える力」を育むあなたの育児を、心から応援しています!

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