【ママナースが解説】「うちの子、貧血かも?」見逃しやすい子どもの鉄欠乏性貧血のサインと食事対策

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「うちの子、貧血かも?」その不機嫌、ただのイヤイヤ期じゃないかもしれません

「最近、なんだか顔色が悪い」「すぐに疲れたと言う」「理由もなく不機嫌なことが多い」…。そんな子どもの様子に、首をかしげた経験はありませんか?それはもしかしたら、体内の鉄分が不足している「鉄欠乏性貧血」のサインかもしれません。

こんにちは、ママナースの皐月です。3人の娘を育てている私も、子どものちょっとした変化にはいつもアンテナを張っています。特に、子どもの貧血は、大人のように立ちくらみなどの分かりやすい症状が出にくいため、見過ごされがちなんです。

でも、放置すると、体の成長だけでなく、脳の発達や学習意欲にも影響を及ぼすことがある、とても大切な問題。だからこそ、ママやパパが「あれ?」と気づいてあげることが、何よりも大切なんです。

この記事では、現役ママナースである私が、

  • 見逃しやすい子どもの貧血のサイン
  • なぜ子どもは貧血になりやすいのか
  • 家庭の食事で無理なく鉄分を補うための具体的な方法

について、自身の経験も交えながら詳しく解説します。

この記事を読めば、子どもの貧血に対する漠然とした不安が解消され、明日からすぐに実践できる具体的な対策が見つかるはずです。一緒に、子どもの元気な毎日をサポートしていきましょう。

この記事でわかること

  • 子どもの鉄欠乏性貧血の主なサインと見つけ方
  • 子どもが貧血になりやすい理由
  • 鉄分を効率よく摂取できる食材と食べ合わせのコツ
  • 家庭でできる「貯鉄」習慣の始め方

なぜ?子どもは貧血になりやすいの?

「うちの子、ちゃんと食べてるのに…」そう思われるかもしれませんね。でも、子どもが貧血になりやすいのには、ちゃんとした理由があるんです。

【結論】子どもは体が急激に成長するため鉄分需要が高く、離乳食への移行期や偏食、牛乳の過剰摂取などにより鉄分が不足しやすいため、貧血になりやすい傾向があります。

特に乳幼児期から幼児期にかけては、体がぐんぐん大きくなる時期。この成長を支えるために、たくさんの鉄分が必要になります。しかし、この時期は、

  • 離乳食への移行期: 母乳やミルクから固形食に変わる過程で、鉄分が不足しがちになることがあります。
  • 「牛乳貧血」: 牛乳をたくさん飲むことでお腹がいっぱいになり、鉄分豊富な食事を摂らなくなること。また、牛乳に含まれるカルシウムが鉄分の吸収を妨げることもあります。
  • 食べ物の好き嫌い: 鉄分を多く含む食材(レバーやほうれん草など)を嫌がる子も少なくありません。

といった理由から、鉄分の摂取が需要に追いつかず、鉄欠乏状態に陥りやすいのです。私の娘も、一時期牛乳ばかり飲んでしまい、食が細くなったことがありました。その時は「もしかして貧血かも?」と心配になったものです。


見逃さないで!子どもの「かくれ貧血」チェックリスト

子どもの貧血は、大人と違って「だるい」「立ちくらみがする」といった自覚症状を訴えることが少ないため、親が見つけてあげることが重要です。以下のようなサインが複数見られる場合は、鉄欠乏性貧血の可能性があります。気になる場合は、かかりつけの小児科で相談してみましょう。

【結論】子どもの「かくれ貧血」のサインは、顔色の変化、疲れやすさ、食欲不振、集中力の低下、不機嫌さ、爪の異常など多岐にわたります。これらのサインを見逃さず、早めに専門医に相談することが大切です。

  • 顔色が青白い、目の下の粘膜(あっかんべーをした時の下まぶたの裏)が白い: これは貧血の最も分かりやすいサインの一つです。特に、唇や歯茎の色もチェックしてみてください。
  • 疲れやすい、すぐに「抱っこ」と言う: 以前よりも疲れやすくなったり、すぐに座り込んだり、抱っこをせがむことが増えたら要注意です。
  • 食が細い、または氷などを食べたがる(異食症): 食欲不振も貧血のサイン。また、氷や土、髪の毛など、食べ物ではないものを口にしたがる「異食症」も貧血の症状として知られています。
  • 風邪をひきやすい、治りにくい: 鉄分は免疫機能にも関わっているため、不足すると風邪をひきやすくなったり、治りにくくなったりすることがあります。
  • 集中力がない、落ち着きがない: 脳への酸素供給が不足することで、集中力が続かなかったり、落ち着きがなくなったりすることもあります。
  • 寝起きや寝つきが悪い、不機嫌なことが多い: 貧血は睡眠の質にも影響を与えることがあります。朝なかなか起きられない、夜寝つきが悪い、理由もなくイライラしている、といった様子が見られたら、貧血を疑ってみてください。
  • 爪が白っぽく、スプーンのように反り返っている: 「スプーン爪」と呼ばれる症状で、爪の中央がへこんで反り返るのが特徴です。

私の娘も、ある時期、やたらと「抱っこ、抱っこ」とせがんだり、些細なことで不機嫌になったりすることがありました。その時は「イヤイヤ期かな?」と思っていたのですが、もしかしたら貧血のサインだったのかもしれないと、今になって思います。子どもの様子を注意深く観察してあげることが、本当に大切ですね。


食事で改善!親子で始める「貯鉄」習慣

貧血の予防・改善の基本は、毎日の食事です。薬に頼る前に、まずは食生活を見直してみましょう。鉄分を多く含む食材と、その吸収を高める食べ合わせのコツをご紹介します。

【結論】鉄分は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂ることで吸収率がアップします。タンニンやフィチン酸、カルシウムの過剰摂取は吸収を妨げるため注意が必要です。

鉄分豊富な食材リスト

鉄分には、動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄の方が吸収率が高いですが、非ヘム鉄も工夫次第で効率よく摂ることができますよ。

  • ヘム鉄(吸収率が高い):
    • 赤身の肉(牛・豚)、レバー: 少量でも効率よく鉄分を摂取できます。レバーが苦手な場合は、ひき肉に混ぜたり、レバーペーストにしたりするのもおすすめです。
    • 赤身の魚(マグロ、カツオ): 刺身やたたき、缶詰など、手軽に摂れるものも多いですね。
    • あさり、しじみ: 汁物や炊き込みご飯に入れると、出汁も出て美味しくいただけます。
  • 非ヘム鉄(吸収率は低いが、工夫次第でUP):
    • 緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜): 茹でて細かく刻んで、おひたしや和え物に。
    • 豆類(納豆、きな粉、豆腐): 納豆ご飯やきな粉餅、豆腐ハンバーグなど、子どもも食べやすいメニューに取り入れましょう。
    • 卵: 卵焼きやスクランブルエッグ、茶碗蒸しなど、調理法も豊富です。
    • 海藻類(ひじき、のり): ひじきの煮物や、おにぎりに海苔を巻くなど、普段の食事にプラスしやすいですね。

鉄分の吸収率をアップさせる「食べ合わせの術」

せっかく鉄分を摂っても、吸収されなければもったいない!鉄分は、ビタミンC動物性たんぱく質 と一緒にとることで、吸収率が格段にアップします。これは、看護師として栄養指導をする際にもよくお伝えするポイントです。

  • ほうれん草のおひたしに、レモン汁を数滴かける: ビタミンCが非ヘム鉄の吸収を助けます。
  • レバーや赤身肉を、ピーマンやブロッコリーと一緒に炒める: 動物性たんぱく質とビタミンCの相乗効果で、鉄分吸収率がアップします。
  • 食後のデザートに、いちごやキウイ、みかんなどの果物を添える: 食事中に摂れなくても、食後にビタミンCを補給するのも効果的です。

逆に、タンニン(緑茶、紅茶など)フィチン酸(玄米、生のナッツ類)カルシウムの過剰摂取 は、鉄分の吸収を妨げるので、食事中や食後すぐは避けた方が良いでしょう。麦茶はタンニンが少ないので、子どもには麦茶がおすすめです。


まとめ:毎日の食事が、子どもの元気の源。焦らず、楽しく「貯鉄」を!

今回は、子どもの鉄欠乏性貧血について、そのサインと食事対策をお伝えしました。

  • 子どもの貧血は、見逃しやすいサインが多いので、ママやパパの観察が大切です。
  • 体が急成長する時期だからこそ、鉄分が不足しがちになります。
  • ヘム鉄と非ヘム鉄をバランスよく、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂るのが効果的です。
  • タンニンやフィチン酸、カルシウムの過剰摂取は鉄分の吸収を妨げるので注意しましょう。

子どもの貧血は、すぐに症状が改善するものではありません。毎日の食事の中で、少しずつ鉄分を「貯金」していくようなイメージで、気長に取り組むことが大切です。

レバーやほうれん草が苦手な子でも、ハンバーグに混ぜ込んだり、ポタージュにしたりと、調理法を工夫すれば食べてくれることもあります。私の娘も、最初はレバーを嫌がりましたが、細かく刻んでミートソースに混ぜたら、パクパク食べてくれましたよ。

まずは、親子で楽しみながら、鉄分豊富な食材を食卓に一品プラスすることから始めてみませんか?ママやパパの愛情たっぷりの食事が、子どもの元気な体と心を作る一番の薬です。私たちママナースも、あなたの頑張りを心から応援しています!

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