「また熱…」「吐いちゃった…」子どもの病気に、心が折れそうなあなたへ
保育園から帰ってきたら、なんだかぐったりしている我が子。
夜中に突然、マーライオンのように吐いてしまう。
「また風邪…?」「胃腸炎かな…?」
子どもの体調不良は、親にとって最も心配で、そして最も疲れることの一つですよね。
「病院に行った方がいいのかな?」「家でできることって、他にないかな?」
そんな不安と疑問で、頭がいっぱいになっていませんか?
こんにちは!3人の娘たちが、数えきれないほどの風邪や胃腸炎を経験し、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。
看護師として、多くの病気の子どもたちと接してきました。そして、一人の母親として、夜中に吐き続ける我が子を前に、途方に暮れた経験も何度もあります。
この記事では、そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、**子どもがよくかかる「風邪」と「胃腸炎」に焦点を当て、家庭でできる具体的なホームケアと、すぐに病院に行くべき「危険なサイン」、そして「受診の目安」**を、専門家の視点から分かりやすく解説します。
正しい知識と準備があれば、きっとあなたは、お子さんの「最初の看護師」として、冷静に対応できるはずです。
Part 1:子どもの「風邪」― 鼻水・咳・発熱のホームケア
子どもが最もよくかかる病気の一つが「風邪」です。ウイルス感染が原因で、鼻水、咳、発熱などの症状が出ます。
【ホームケアの基本】
- 水分補給をこまめに: 発熱や鼻水で脱水になりやすいので、湯冷まし、麦茶、経口補水液などを少量ずつ、頻繁に与えましょう。
- 安静にする: 無理に遊ばせず、ゆっくり休ませましょう。睡眠は、回復を促す最高の薬です。
- 室温・湿度を快適に: 室温は20〜25℃、湿度は50〜60%を目安に。加湿器を使うと、鼻や喉の乾燥を防ぎ、咳を和らげる効果も期待できます。
- 鼻水対策:
- 鼻吸い器: 鼻水がひどい場合は、鼻吸い器でこまめに吸い取ってあげましょう。鼻が詰まっていると、呼吸が苦しくなったり、中耳炎の原因になったりすることもあります。
- 蒸しタオル: 温かい蒸しタオルを鼻に当てると、鼻の通りが良くなります。
- 咳対策:
- 体を起こす: 寝る時に、上半身を少し起こしてあげると、咳が楽になることがあります。枕の下にタオルなどを敷いて、少し高くしてあげましょう。
- 加湿: 部屋の加湿を心がけましょう。
【発熱時のホームケア】
- 薄着にする: 熱が上がりきって手足が温かくなってきたら、薄着にして熱がこもらないようにしましょう。
- 体を冷やす: 脇の下、首の付け根、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。嫌がる場合は無理に冷やさなくても大丈夫です。
- 解熱剤: ぐったりしている、つらそうにしている、眠れないなどの場合に、医師から処方された子ども用の解熱剤を使いましょう。熱を下げること自体が目的ではなく、つらさを和らげるためです。
Part 2:子どもの「胃腸炎」― 嘔吐・下痢のホームケア
ウイルスや細菌が原因で、嘔吐や下痢を繰り返すのが「胃腸炎」です。脱水になりやすいので、特に注意が必要です。
【ホームケアの基本】
- 水分補給を最優先:
- 少量ずつ、頻繁に: 嘔吐がある場合は、一度にたくさん飲ませるとまた吐いてしまうので、スプーン1杯ずつなど、ごく少量から始めましょう。
- 与えるもの: 経口補水液が最もおすすめです。なければ、薄めた麦茶やリンゴジュース(薄める)、野菜スープなどでも良いでしょう。
- 吐き気が強い時: 吐き気が強い時は、無理に飲ませず、30分〜1時間ほど胃を休ませてから、また少量ずつ試しましょう。
- 食事は無理に与えない:
- 嘔吐や下痢がひどい時は、無理に食べさせる必要はありません。水分補給を優先しましょう。
- 食べられるようになったら、おかゆ、うどん、食パン、すりおろしリンゴなど、消化の良いものから少量ずつ始めましょう。
- おむつかぶれ対策: 下痢が続くと、おむつかぶれになりやすいので、こまめにおむつを替え、お尻を優しく洗い、ワセリンなどで保護しましょう。
【ママナースの視点】すぐに病院へ!危険なサインと受診の目安
子どもの病気で最も大切なのは、「いつもと違う」という親の直感です。以下のサインが見られたら、迷わず病院を受診しましょう。
すぐに救急車を呼ぶべき危険なサイン
- 意識がない、呼びかけに反応しない、ぐったりしている
- けいれんが5分以上続く、けいれんを繰り返す
- 呼吸が苦しそう(肩で息をしている、ゼーゼー、ヒューヒューと音がする、陥没呼吸)
- 顔色や唇の色が真っ青、紫色になっている
- 激しい頭痛や嘔吐を繰り返す
- 生後3ヶ月未満の38℃以上の発熱
夜間・休日でも受診を検討すべきサイン
- 熱が下がってもぐったりしている、元気がない。
- 機嫌が悪い、あやしても泣き止まない。
- 発疹を伴う発熱。
- 特定の部位の痛みが強い(耳を痛がる、お腹を痛がるなど)。
- 血便、粘液便が出る。
- 持病がある場合の発熱(喘息、心臓病など)。
<ママナースの重要メモ>
熱の高さよりも、**子どもの全身状態(元気があるか、水分が摂れているか、呼吸はどうかなど)**を重視してください。親の「何かおかしい」という感覚は、非常に重要です。迷ったら、地域の小児救急電話相談(#8000)や、かかりつけ医に相談しましょう。
まとめ:親の笑顔が、子どもの一番の薬
子どもの病気は、親にとって本当に大変なことです。でも、どうか一人で抱え込まないでください。
正しい知識を持って冷静に対応すること。そして、何よりも、あなたが笑顔でいることが、病気と闘うお子さんにとって、一番の安心であり、最高の薬になります。
この大変な時期を乗り越えれば、きっと親子の絆は、より一層深まるはずです。