夏風邪

手足口病、ヘルパンギーナ…夏風邪ウイルスの見分け方と、ホームケア【ママナースが解説】

「夏なのに、なんで風邪!?」その疑問、解決します

暑い夏、子どもが急に熱を出したり、発疹が出たりすると、「夏なのに、なんで風邪!?」と驚くママ・パパも多いのではないでしょうか。

実は、夏には夏特有の「夏風邪ウイルス」が流行します。手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱など、聞き慣れない病名に不安を感じるかもしれません。

「うちの子、何の病気だろう?」
「病院に行くべき?それとも家で様子を見るべき?」
「どうやって看病すればいいんだろう?」

そんな風に、夏風邪について、漠然とした不安や疑問を抱えているママ・パパも多いのではないでしょうか。

何を隠そう、現役看護師として働きながら3人の娘を育ててきた私も、毎年夏になると、子どもの夏風邪に悩まされてきました。

「どうすれば、この子の辛い症状を和らげてあげられるんだろう?」
「他の子にうつさないためには?」

この記事では、ママナースである私が、代表的な夏風邪ウイルスの見分け方から、家庭でできるホームケア、そして、病院を受診する目安まで、私の知識と経験を交えながら分かりやすく解説します。

もう、夏風邪で一人で悩む必要はありません。この記事を読めば、お子さんの夏風邪について正しく理解し、安心して看病できるようになるはずです!


代表的な夏風邪ウイルス:見分け方と症状

夏風邪ウイルスは、それぞれ特徴的な症状があります。主な夏風邪ウイルスの見分け方と症状を知っておきましょう。

1. 手足口病

  • 原因ウイルス: コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなど
  • 主な症状: 口の中、手、足に水疱性の発疹が現れます。発熱は軽度か、ないこともあります。口の中の発疹が痛むため、食欲不振になることがあります。
  • 感染経路: 飛沫感染、接触感染、糞口感染

2. ヘルパンギーナ

  • 原因ウイルス: コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなど
  • 主な症状: 突然の高熱(38℃以上)と、口の中(喉の奥)に水疱や潰瘍が現れます。発熱は2〜3日で下がることが多いですが、口の中の痛みで食欲不振になることがあります。
  • 感染経路: 飛沫感染、接触感染、糞口感染

3. プール熱(咽頭結膜熱)

  • 原因ウイルス: アデノウイルス
  • 主な症状: 突然の高熱(38℃以上)、喉の痛み、目の充血や目やにが特徴です。発熱は3〜5日続くことが多いです。
  • 感染経路: 飛沫感染、接触感染、プールを介した感染

夏風邪のホームケア:辛い症状を和らげるために

夏風邪は、特効薬がないため、症状を和らげるためのホームケアが中心となります。辛い症状を和らげるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

1. 水分補給をこまめに

  • 脱水症状に注意: 発熱や口の中の痛みで、水分が摂りにくくなることがあります。脱水症状にならないように、こまめに水分補給をしましょう。
  • 飲ませやすいものを: 経口補水液、麦茶、薄めたイオン飲料、冷ましたスープなど、子どもが飲めるものを少量ずつ頻繁に与えましょう。

2. 食事は食べやすいものを

  • 口の中が痛い場合: 口の中の発疹や潰瘍が痛む場合は、刺激の少ない、柔らかいものを与えましょう。プリン、ゼリー、ヨーグルト、冷ましたお粥、豆腐などがおすすめです。
  • 無理に食べさせない: 食欲がない場合は、無理に食べさせる必要はありません。水分が摂れていれば大丈夫です。

3. 熱の管理

  • 体を冷やす: 熱が高い場合は、脇の下や首の付け根、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やしましょう。冷えピタや、濡らしたタオルなどが有効です。
  • 薄着にする: 熱がこもらないように、薄着にしましょう。汗をかいたら、こまめに着替えさせましょう。
  • 解熱剤の使用: 辛そうであれば、医師の指示に従って解熱剤を使用しましょう。ただし、解熱剤は熱を下げるだけで、病気を治すものではありません。

4. 安静にする

  • 十分な睡眠: 体力を消耗しないように、十分な睡眠をとりましょう。子どもが眠れる環境を整えてあげましょう。
  • 無理に遊ばせない: 熱が下がっても、すぐに元気になったように見えても、無理に遊ばせないようにしましょう。体力が回復するまで、ゆっくりと過ごさせましょう。

病院を受診する目安と、感染対策

夏風邪は、多くの場合、自宅でのケアで回復しますが、中には病院を受診すべきケースや、感染対策が必要な場合もあります。

病院を受診する目安

以下のような場合は、すぐに病院を受診しましょう。

  • 水分が全く摂れない
  • ぐったりしている、意識が朦朧としている
  • 呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている
  • けいれんを起こした
  • 発熱が5日以上続く
  • 症状が悪化している
  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが発熱した

感染対策

  • 手洗い・うがい: 家族みんなでこまめに手洗い・うがいをしましょう。特に、排泄物の処理後や、食事の前には念入りに。
  • タオルの共有を避ける: 家族間でのタオルの共有は避けましょう。
  • おもちゃの消毒: 子どもが触れるおもちゃは、こまめに消毒しましょう。
  • 便の処理に注意: 夏風邪ウイルスは、便の中に長く排出されることがあります。おむつ交換の際は、手袋を使用し、処理後は念入りに手洗いしましょう。

まとめ:夏風邪は、正しく理解して乗り切ろう!

夏風邪は、子どもにとって辛いものですが、正しく理解し、適切なホームケアを行うことで、症状を和らげ、回復を早めることができます。また、感染対策をしっかり行うことで、家族への感染を防ぐことも可能です。

この記事が、あなたの不安を少しでも軽減し、自信を持って子どもの夏風邪を看病できるようになる一助となれば幸いです。今年の夏も、家族みんなで元気に過ごしてくださいね!

とびひ(伝染性膿痂疹)は、なぜ広がる?正しい薬の塗り方と、プールはいつからOK?

その水ぶくれ、あっという間に全身へ。夏に多い「とびひ」の正しい対処法

虫刺されや、あせもを掻き壊した場所から、小さな水ぶくれ(水疱)ができ、それが、あっという間に、全身に広がっていく…。夏場に、子どもに多い皮膚の感染症、それが**「とびひ(伝染性膿痂疹)」**です。その名の通り、火事の「飛び火」のように、驚くべきスピードで、感染が広がります。

こんにちは、ママナースのさとみです。とびひは、正しい知識を持って、早期に治療を開始すれば、怖い病気ではありません。しかし、対応を間違えると、自家感染で、どんどん悪化したり、きょうだいや、お友達に、うつしてしまったりします。

この記事では、とびひの正しいスキンケアと、薬の塗り方、そして、多くの親が悩む**「お風呂」や「プール」は、いつからOKか**、という疑問について、詳しく解説します。


なぜ「とびひ」は、広がるの?

とびひは、主に、黄色ブドウ球菌や、溶連菌といった、細菌が、皮膚のバリア機能が低下した場所(虫刺され、あせも、湿疹、小さな傷など)に、感染することで起こります。

水ぶくれが破れると、中から、細菌を含んだ滲出液が出てきます。その液が、ついた手で、体の他の場所を掻いてしまうことで、次から次へと、新しい場所に、感染が広がってしまうのです。


とびひ治療の3本柱

とびひの治療は、皮膚科や、小児科で処方される、薬物療法が基本です。それに加え、家庭での、正しいスキンケアが、早期治癒の鍵となります。

1. 抗菌薬(飲み薬)

原因となっている細菌を、体の中から、やっつけます。症状が良くなったように見えても、自己判断で中断せず、医師に指示された期間、必ず、最後まで飲み切りましょう。

2. 抗菌薬(塗り薬)

患部に直接塗って、細菌の増殖を抑えます。塗り方には、少しコツが必要です。

  • 患部を、優しく洗う: まず、シャワーなどで、患部を、石鹸をよく泡立てて、優しく洗い、古い薬や、かさぶた、滲出液を、きれいに洗い流します。
  • 薬は、少し広めに: 患部だけでなく、その周りにも、少し広めに、たっぷりと塗ります。
  • 患部を、ガーゼで覆う: 薬を塗った後、患部を、ガーゼなどで覆い、他の場所に、細菌が接触しないように保護します。ただし、ガーゼが、滲出液で、ジュクジュクになったら、こまめに取り替えましょう。

3. 抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)

強いかゆみを伴う場合は、かゆみを抑えるための、飲み薬が処方されることもあります。掻き壊しを防ぐことが、悪化と、拡大を防ぐために、非常に重要です。


お風呂は?プールは?日常生活のQ&A

  • Q. お風呂に入ってもいい?
    A. **はい、毎日、シャワーで、きれいに洗い流してください。**湯船に浸かるのは、きょうだいへの感染のリスクがあるため、治るまでは避けましょう。体を洗う時も、ゴシゴシこすらず、泡で優しく。タオルは、必ず、患者専用のものを用意し、共用は避けてください。

  • Q. プールは、いつから入れる?
    A. **患部が、完全に乾き、新しい水ぶくれが、できなくなるまで、プールは、お休みです。**自己判断せず、必ず、医師の許可を得てから、再開しましょう。

  • Q. 登園・登校は、してもいい?
    A. とびひは、学校保健安全法で、出席停止が義務付けられている病気ではありません。しかし、感染を広げる可能性があるため、患部を、ガーゼなどで、きちんと覆うことができれば、登園・登校は可能、とする園や、学校が多いです。ただし、園や、学校の方針によりますので、必ず、事前に確認しましょう。


まとめ:早期受診と、正しいケアが、治癒への近道

とびひは、夏の、子どもの皮膚トラブルの代表格です。

虫刺されや、あせもを、掻き壊しているのを見つけたら、早めに、皮膚科、または、小児科を受診すること。そして、処方された薬を正しく使い、患部を清潔に保つこと。

この、基本的な対応を、徹底することが、とびひの、つらいかゆみと、感染の連鎖から、お子さんを、早く解放してあげるための、一番の近道です。


夏のお弁当が危ない!子どもの食中毒を防ぐための3つの原則

はじめに:そのお弁当、菌の温床になっていませんか?

夏場の遠足や学童保育。子どもが楽しみにしているお弁当ですが、気温と湿度が高いこの季節は、細菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクが一年で最も高まる時期でもあります。「いつも通り作っているから大丈夫」その油断が、思わぬトラブルを招くかもしれません。

こんにちは、ママナースのさとみです。子どものお弁当作りは、愛情表現のひとつ。だからこそ、安全面にも最大限の配慮をして、子どもが美味しく、そして安心して食べられるようにしてあげたいですよね。

この記事では、**夏の食中毒から子どもを守るための、お弁当作りの基本3原則「つけない・増やさない・やっつける」**について、具体的なテクニックと共にご紹介します。


原則1:菌を「つけない」ための下準備

食中毒予防は、調理を始める前から始まっています。まずは、食材やお弁当箱に菌を「つけない」ことが基本です。

  • 調理前の手洗い: 当たり前ですが、石鹸で指の間や手首まで、しっかり洗いましょう。
  • お弁当箱の消毒: パッキンなどは外し、食器用洗剤で洗った後、アルコールスプレーで消毒するか、熱湯をかけてしっかり乾かします。
  • 清潔な調理器具: まな板や包丁は、肉・魚用と、野菜・果物用で使い分けるのが理想です。難しい場合は、野菜から先に切り、肉・魚を切った後はその都度、熱湯消毒しましょう。
  • 素手で触らない: おにぎりを握る時はラップを使い、おかずを詰める時は清潔な箸を使いましょう。手には、目に見えない雑菌がたくさん付いています。

原則2:菌を「増やさない」ための工夫

菌は、20℃〜40℃の温度帯で最も活発に増殖します。いかにこの温度帯にいる時間を短くするかが、菌を「増やさない」ための鍵です。

  • しっかり冷ましてから詰める: ご飯やおかずが温かいまま蓋をすると、蒸気がこもって傷みやすくなります。うちわや扇風機なども活用し、完全に冷ましてから蓋をしましょう。
  • 水分を徹底的に切る: 煮物などの汁気は、菌の栄養源になります。おかかやゴマを和えて水分を吸わせたり、カップなどを使って他のおかずに汁気が移らないように工夫しましょう。生野菜(ミニトマトなど)も、ヘタを取り、洗った後はキッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ります。
  • 保冷剤と保冷バッグは必須: お弁当を、抗菌シートや保冷剤、保冷バッグでしっかりガードしましょう。保冷剤は、お弁当箱の上と下の両方に置くと、より効果的です。

原則3:菌を「やっつける」ための調理法

最後に、調理段階で菌をしっかり「やっつける」ためのポイントです。

  • 中心部までしっかり加熱: 肉、魚、卵など、火を通すおかずは、中心部まで75℃で1分以上、しっかりと加熱することが重要です。「生焼けかも?」と思ったら、迷わず再加熱しましょう。
  • 自然解凍はNG: 冷凍食品も、一度しっかり加熱してから冷まして詰めるのが基本です。「自然解凍OK」と書かれているものでも、夏場は避けた方が安全です。
  • 抗菌作用のある食材を活用する: 梅干し、しそ、生姜、カレー粉などには、菌の繁殖を抑える効果が期待できます。ご飯に混ぜ込んだり、おかずに加えたりするのも良いでしょう。

まとめ:3つの原則で、夏の「美味しい」と「安全」を守る

夏の食中毒対策は、少しの手間と工夫で、格段に安全性を高めることができます。

  1. つけない(清潔な手と器具)
  2. 増やさない(しっかり冷ます、水分を切る)
  3. やっつける(中心部まで加熱)

この3つの原則を合言葉に、愛情たっぷりのお弁当で、子どもの楽しい夏の思い出を応援してあげてくださいね。


長引く子どもの咳、ただの風邪?病院へ行くべき危険な咳の見分け方

はじめに:その咳、本当にただの風邪ですか?

「コンコン」「ゼーゼー」…子どもの咳が続くと、聞いている親もつらくなりますよね。「ただの風邪だろう」と思っていても、あまりに咳が長引いたり、いつもと違う咳が出たりすると、「もしかして、ただの風邪じゃないのかも?」と不安になるものです。

こんにちは、ママナースのさとみです。咳は、気道に入った異物やウイルスを外に出すための大切な防御反応ですが、中には注意すべき「危険な咳」も隠れています。

この記事では、家庭で様子を見ても良い咳と、すぐに病院を受診すべき危険な咳の見分け方、そして咳を和らげるためのホームケアについて、ママナースの視点から詳しく解説します。


まずは咳の音をよく聞いて!咳の種類と特徴

咳と一言で言っても、その音や特徴は様々です。咳の音は、原因を探るための重要な手がかりになります。

  • 乾いた咳「コン、コン」: 喉の炎症や、気管支炎の初期に見られます。風邪のひき始めに多い咳です。
  • 湿った咳「ゴホッ、ゴホッ、ゼロゼロ」: 痰が絡んだ咳です。気管支炎や肺炎の可能性があります。痰が切れるようになれば、快方に向かっているサインでもあります。
  • 犬の遠吠えのような咳「ケン!ケン!」: 声帯が腫れている時に出る特徴的な咳です。クループ症候群の可能性があり、夜間に悪化しやすい傾向があります。
  • 発作のように激しく続く咳: 咳き込みすぎて顔が赤くなったり、吐いてしまったりします。百日咳やマイコプラズマ肺炎などの可能性も考えられます。

これは危険!すぐ病院へ行くべき咳のサイン

以下のような症状が見られる場合は、夜間や休日であっても、すぐに医療機関を受診してください。

緊急受診の目安

  • 呼吸が苦しそう(ゼーゼー、ヒューヒューしている)
  • 肩で息をしている、呼吸に合わせて小鼻がピクピクしている
  • 顔色や唇の色が悪い(青白い、紫色)
  • 咳き込んで眠れない、水分がとれない
  • 犬の遠吠えのような咳をしている
  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんの咳

これらのサインは、呼吸困難に陥る危険性を示しています。迷わず救急外来を受診するか、判断に迷う場合は「#8000」(子ども医療電話相談)に電話して指示を仰ぎましょう。


お家でできる!咳を和らげるホームケア

病院へ行くほどではないけれど、咳がつらそうな時に試してほしいホームケアをご紹介します。

  1. 部屋の湿度を保つ: 空気が乾燥すると、喉が刺激されて咳が出やすくなります。加湿器を使ったり、濡れたタオルを部屋に干したりして、湿度を50〜60%に保ちましょう。
  2. 水分補給をこまめに: 喉を潤すことで、咳が和らぎます。麦茶や湯冷ましなど、刺激の少ないものを少しずつ飲ませてあげましょう。
  3. 上半身を少し高くして寝かせる: 仰向けに寝ると、鼻水が喉に垂れ込んで咳が出やすくなります。バスタオルなどを背中の下に入れ、上半身が少し高くなるように調整してあげると、呼吸が楽になります。
  4. はちみつをあげる(1歳以上限定): はちみつには喉の炎症を和らげる効果があると言われています。スプーン1杯をそのまま、またはお湯に溶かして飲ませてあげましょう。※1歳未満の赤ちゃんには、乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、絶対にあげないでください。

まとめ:冷静な観察が、子どもの健康を守る鍵

子どもの咳は、ありふれた症状だからこそ、その裏に隠れたサインを見逃さないことが大切です。

「いつもと違うな」と感じたら、それはお子さんからの大事なメッセージかもしれません。咳の音や子どもの様子をよく観察し、冷静に対応することが、子どもの健康を守る一番の鍵となります。

この記事を参考に、適切な判断とホームケアで、つらい咳の時期を乗り切ってくださいね。


【夏の危険】子どもの熱中症対策!気づきにくい初期症状と予防法

はじめに:その「夏バテ」、実は熱中症のサインかも?

ジリジリと照りつける太陽の下、元気に走り回る子どもたち。見ているだけで微笑ましい光景ですが、夏の遊びには「熱中症」という大きな危険が潜んでいます。子どもは大人よりも熱中症になりやすく、重症化しやすいということをご存知でしたか?

こんにちは、ママナースのさとみです。「うちの子は大丈夫」と思っていても、熱中症は気づかないうちに進行します。特に、自分の不調をうまく言葉で伝えられない小さな子どもは、親がサインを見逃さないことが何よりも大切です。

この記事では、見過ごしがちな熱中症の初期症状と、明日からすぐに実践できる具体的な予防法について、ママナースの視点から詳しく解説します。


なぜ子どもは熱中症になりやすいの?

子どもが大人よりも熱中症のリスクが高いのには、3つの理由があります。

  1. 体温調節機能が未熟: 子どもは汗をかく機能がまだ十分に発達していません。そのため、体に熱がこもりやすくなっています。
  2. 体重あたりの水分量が多い: 体重に占める水分の割合が大人より多く、少しの水分不足でも脱水症状に陥りやすいのです。
  3. 身長が低い: 地面からの照り返しの影響を強く受けます。大人が感じている以上に、子どもは暑い環境にいるということを忘れてはいけません。

見逃さないで!子どもの熱中症「初期症状」チェックリスト

熱中症は、重症度によって症状が異なります。初期の軽い症状のうちに気づいて、すぐに対処することが重要です。

  • 顔が赤く、ひどく汗をかいている
  • 元気がなく、ぼーっとしている
  • 「頭が痛い」「気持ち悪い」と訴える
  • めまいや立ちくらみがある
  • 手足がしびれる
  • 筋肉がピクピクとけいれんする(こむら返り)

これらのサインが見られたら、すぐに涼しい場所へ移動し、体を冷やして水分補給をさせてください。

【危険なサイン】
返事があいまい、意識がない、けいれんしている、汗をかかずに体だけが熱い
このような場合は、命に関わる危険な状態です。ためらわずに救急車を呼んでください。


明日からできる!熱中症を予防する5つの対策

熱中症は、正しい知識でしっかり予防できる病気です。以下の5つの対策を心がけましょう。

1. こまめな水分補給

喉が渇く前に、少しずつ、こまめに水分を摂らせることが基本です。遊びに夢中になると水分補給を忘れがちなので、時間を決めて「お茶タイム」を作りましょう。汗をたくさんかいた時は、麦茶や水だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液で塩分やミネラルも補給することが大切です。

2. 服装の工夫

吸湿性・速乾性に優れた、風通しの良い服を選びましょう。色は、熱を吸収しにくい白や淡い色のものがおすすめです。外出時は、帽子を忘れずに。

3. 時間帯を選んで遊ぶ

日差しが最も強い午前10時から午後2時頃の外出は、できるだけ避けましょう。外で遊ぶなら、比較的涼しい午前中の早い時間や、夕方がおすすめです。

4. 環境を整える

室内でも熱中症は起こります。カーテンやすだれで直射日光を防ぎ、エアコンや扇風機を上手に使って、室温が28℃を超えないように管理しましょう。車で移動する際は、短時間でも絶対に子どもを車内に置き去りにしないでください。

5. 日頃からの体調管理

寝不足や朝食抜きなど、体調が万全でない時は熱中症になりやすくなります。規則正しい生活を心がけ、暑さに負けない体づくりをすることも大切です。


まとめ:夏の楽しい思い出は、万全の熱中症対策から

熱中症は怖い病気ですが、正しい知識を持って対策すれば、防ぐことができます。

「ちょっと神経質かな?」と思うくらいの対策が、子どもの命を守ることに繋がります。万全の準備をして、親子で楽しい夏の思い出をたくさん作ってくださいね。


【ママナースが徹底解説】夏の三大皮膚トラブル(あせも・とびひ・虫刺され)から子どもを守る!予防とホームケア完全ガイド

夏の肌トラブル、今年も…と憂鬱なあなたへ

楽しいはずの夏。しかし、子どもの肌には過酷な季節です。

朝、子どもの首筋にびっしりと広がる赤いポツポツ(あせも)。
掻きむしった虫刺されが、あっという間にジュクジュクの水ぶくれ(とびひ)に…。

「清潔にしているつもりなのに、どうして?」
「このホームケア、本当に合ってる?」

そんな風に、夏の肌トラブルに頭を悩ませ、心を痛めている親御さんは、決して少なくありません。

こんにちは!3人の娘を育てる現役ママナースの皐月です。
何を隠そう、私自身も毎年、娘たちの肌トラブルと格闘してきました。看護師として知識はあっても、我が子のこととなると不安になるものです。

だからこそ、今回はあなたの不安に徹底的に寄り添います。**夏の三大皮膚トラブルである「あせも」「とびひ」「虫刺され」について、その原因から、最も重要な「予防法」、そして悪化させないための「ホームケア」**まで、専門家の視点で分かりやすく解説します。

この記事を読めば、もう夏の肌トラブルに振り回されることはありません。正しい知識を武器に、お子さんのすべすべ肌を守り抜きましょう!


Part 1:あせも(汗疹)― 基本の「き」は清潔と保湿

夏の皮膚トラブル、代表格の「あせも」。正式には「汗疹(かんしん)」と言います。

  • 原因: 大量の汗で、汗を出す管(汗管)が詰まってしまうことが原因。汗が皮膚の内側に溜まり、炎症を起こしてポツポツや水ぶくれになります。
  • できやすい場所: 首の周り、ひじや膝の裏、おむつで蒸れるお尻など、汗が溜まりやすい場所。

【予防が何より大事!】あせもを作らない3つの鉄則

  1. 汗をかいたら、すぐに流す・拭く: これが最も重要です。シャワーをこまめに浴びるのが理想ですが、難しければ濡らしたタオルで優しく拭くだけでも効果があります。
  2. 涼しい環境をキープ: エアコンや扇風機を適切に使い、快適な室温・湿度を保ちましょう。寝ている間も、汗をかきすぎていないかチェックを。
  3. 通気性の良い服を選ぶ: 吸湿性・速乾性に優れた綿やメッシュ素材の肌着がおすすめです。汗をかいたら、こまめに着替えさせてあげましょう。

【できてしまったら…】悪化させないホームケア

  • 優しく洗う: 汗や汚れを洗い流すことが第一。石鹸をよく泡立て、手で優しくなでるように洗い、しっかりとすすぎましょう。
  • しっかり保湿: 洗った後は、肌が乾燥しないように、すぐに保湿剤(ローションやクリーム)を塗ってあげましょう。肌のバリア機能が整い、新たな刺激から肌を守ります。
  • ベビーパウダーは要注意: 昔はよく使われましたが、汗や皮脂と混ざって毛穴を塞ぎ、かえって悪化させることも。基本的には保湿ケアを優先しましょう。

<ママナースの視点>
あせもを掻き壊してしまうと、そこから細菌が入り込み、次に解説する「とびひ」の原因になります。痒みが強そうな場合は、早めに小児科や皮膚科を受診し、適切な塗り薬を処方してもらいましょう。


Part 2:とびひ(伝染性膿痂疹)― 見つけたら、すぐに病院へ!

「とびひ」は、火事の飛び火のようにあっという間に広がることから、その名がついています。正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」という、細菌による皮膚の感染症です。

  • 原因: 虫刺されやあせも、湿疹などを掻き壊した傷口に、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が入り込んで感染します。
  • 特徴: 水ぶくれ(水疱)ができ、それが破れてジュクジュクした状態になります。その滲出液に触れると、体の他の場所や、他の人にもうつります。

【予防がカギ】とびひにさせないために

  • 掻かせない工夫: 虫刺されやあせもで痒がっていたら、冷やしたり、早めに薬を塗ったりして、掻き壊しを防ぎましょう。
  • 爪を短く切る: 爪が長いと、掻いた時に皮膚を傷つけやすくなります。常に短く、清潔に保ちましょう。

【ホームケアの注意点】自己判断はNG!

とびひが疑われる場合、市販薬で様子を見るのは絶対にやめてください。

とびひの治療には、抗菌薬(抗生物質)の飲み薬や塗り薬が必要です。必ず小児科か皮膚科を受診しましょう。

医師の指示のもと、家庭では以下の点に注意して「感染を広げない」ケアを徹底します。

  • 患部を清潔に: 石鹸をよく泡立てて、優しく洗い、滲出液をしっかり洗い流します。
  • 患部を覆う: 医師の指示に従い、ガーゼなどで患部を保護し、他の場所に触れないようにします。
  • タオルの共用は避ける: 兄弟間などでうつるのを防ぐため、タオルやバスタオルは必ず分けましょう。
  • プールは禁止: 完全に治るまでは、プールに入ることはできません。

Part 3:虫刺され ― 掻き壊しが二次被害を招く

夏は蚊やブヨ、ダニなど、様々な虫が活発になる季節。子どもの柔らかい肌は、虫にとっても格好の的なのです。

  • 子どもの特徴: 子どもは大人よりアレルギー反応が強く出やすいため、赤く大きく腫れたり、硬くなったりすることがあります。

【刺される前の対策】徹底予防4か条

  1. 服装の工夫: 外出時は、なるべく長袖・長ズボンで肌の露出を減らしましょう。白など、明るい色の服は虫が寄りにくいと言われています。
  2. 虫除け剤を上手に使う: 子ども用の虫除けスプレーなどを活用しましょう。近年では、年齢制限のない「イカリジン」という成分のものが人気です。
  3. 虫が多い場所・時間を避ける: 公園の草むらや水辺、夕方などは特に注意が必要です。
  4. 網戸や蚊帳を活用: 家の中への侵入を防ぐことも大切です。

【刺された後のケア】悪化させない3ステップ

  1. まずは洗う: 刺された場所を、まずは水道水で綺麗に洗い流します。
  2. 次に冷やす: 濡れたタオルや、ハンカチで包んだ保冷剤などで冷やすと、痒みや腫れが和らぎます。
  3. 薬を塗る: 子ども用の虫刺され薬を塗りましょう。痒みが強い場合は、ステロイド入りの塗り薬が有効なこともありますが、強さのランクがあるので、薬剤師に相談するか、皮膚科で処方してもらうのが安心です。

<ママナースの視点>
一番の敵は「掻き壊し」です。ここから「とびひ」に繋がるケースが後を絶ちません。痒みをいかにコントロールするかが、ホームケアの最重要ポイントです。
また、ハチに刺された後などに、ぐったりする、呼吸が苦しそう、全身に蕁麻疹が出るなどの症状が見られた場合は、命に関わるアナフィラキシーショックの可能性があります。ためらわずに救急車を呼んでください。


まとめ:夏の肌トラブルは「予防」が8割!

これまで見てきたように、夏の三大皮膚トラブルは、それぞれ関連しあっています。

あせも・虫刺されを掻き壊す → とびひになる

この悪循環を断ち切るために最も大切なのは、日々の予防です。

  1. 肌は常に清潔に。
  2. 掻き壊させない工夫を。

この2つを徹底するだけで、多くの肌トラブルは防ぐことができます。
そして、もし悪化してしまったら、決して一人で悩まず、早めに専門家を頼ってください。

正しい知識でしっかり予防して、親子で楽しい夏を過ごしてくださいね!


【ママナースが解説】子どもの風邪・胃腸炎、どう乗り切る?ホームケアと受診の目安

「また熱…」「吐いちゃった…」子どもの病気に、心が折れそうなあなたへ

保育園から帰ってきたら、なんだかぐったりしている我が子。

夜中に突然、マーライオンのように吐いてしまう。

「また風邪…?」「胃腸炎かな…?」

子どもの体調不良は、親にとって最も心配で、そして最も疲れることの一つですよね。

「病院に行った方がいいのかな?」「家でできることって、他にないかな?」

そんな不安と疑問で、頭がいっぱいになっていませんか?

こんにちは!3人の娘たちが、数えきれないほどの風邪や胃腸炎を経験し、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

看護師として、多くの病気の子どもたちと接してきました。そして、一人の母親として、夜中に吐き続ける我が子を前に、途方に暮れた経験も何度もあります。

この記事では、そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、**子どもがよくかかる「風邪」と「胃腸炎」に焦点を当て、家庭でできる具体的なホームケアと、すぐに病院に行くべき「危険なサイン」、そして「受診の目安」**を、専門家の視点から分かりやすく解説します。

正しい知識と準備があれば、きっとあなたは、お子さんの「最初の看護師」として、冷静に対応できるはずです。


Part 1:子どもの「風邪」― 鼻水・咳・発熱のホームケア

子どもが最もよくかかる病気の一つが「風邪」です。ウイルス感染が原因で、鼻水、咳、発熱などの症状が出ます。

【ホームケアの基本】

  1. 水分補給をこまめに: 発熱や鼻水で脱水になりやすいので、湯冷まし、麦茶、経口補水液などを少量ずつ、頻繁に与えましょう。
  2. 安静にする: 無理に遊ばせず、ゆっくり休ませましょう。睡眠は、回復を促す最高の薬です。
  3. 室温・湿度を快適に: 室温は20〜25℃、湿度は50〜60%を目安に。加湿器を使うと、鼻や喉の乾燥を防ぎ、咳を和らげる効果も期待できます。
  4. 鼻水対策:
    • 鼻吸い器: 鼻水がひどい場合は、鼻吸い器でこまめに吸い取ってあげましょう。鼻が詰まっていると、呼吸が苦しくなったり、中耳炎の原因になったりすることもあります。
    • 蒸しタオル: 温かい蒸しタオルを鼻に当てると、鼻の通りが良くなります。
  5. 咳対策:
    • 体を起こす: 寝る時に、上半身を少し起こしてあげると、咳が楽になることがあります。枕の下にタオルなどを敷いて、少し高くしてあげましょう。
    • 加湿: 部屋の加湿を心がけましょう。

【発熱時のホームケア】

  • 薄着にする: 熱が上がりきって手足が温かくなってきたら、薄着にして熱がこもらないようにしましょう。
  • 体を冷やす: 脇の下、首の付け根、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。嫌がる場合は無理に冷やさなくても大丈夫です。
  • 解熱剤: ぐったりしている、つらそうにしている、眠れないなどの場合に、医師から処方された子ども用の解熱剤を使いましょう。熱を下げること自体が目的ではなく、つらさを和らげるためです。

Part 2:子どもの「胃腸炎」― 嘔吐・下痢のホームケア

ウイルスや細菌が原因で、嘔吐や下痢を繰り返すのが「胃腸炎」です。脱水になりやすいので、特に注意が必要です。

【ホームケアの基本】

  1. 水分補給を最優先:
    • 少量ずつ、頻繁に: 嘔吐がある場合は、一度にたくさん飲ませるとまた吐いてしまうので、スプーン1杯ずつなど、ごく少量から始めましょう。
    • 与えるもの: 経口補水液が最もおすすめです。なければ、薄めた麦茶やリンゴジュース(薄める)、野菜スープなどでも良いでしょう。
    • 吐き気が強い時: 吐き気が強い時は、無理に飲ませず、30分〜1時間ほど胃を休ませてから、また少量ずつ試しましょう。
  2. 食事は無理に与えない:
    • 嘔吐や下痢がひどい時は、無理に食べさせる必要はありません。水分補給を優先しましょう。
    • 食べられるようになったら、おかゆ、うどん、食パン、すりおろしリンゴなど、消化の良いものから少量ずつ始めましょう。
  3. おむつかぶれ対策: 下痢が続くと、おむつかぶれになりやすいので、こまめにおむつを替え、お尻を優しく洗い、ワセリンなどで保護しましょう。

【ママナースの視点】すぐに病院へ!危険なサインと受診の目安

子どもの病気で最も大切なのは、「いつもと違う」という親の直感です。以下のサインが見られたら、迷わず病院を受診しましょう。

すぐに救急車を呼ぶべき危険なサイン

  • 意識がない、呼びかけに反応しない、ぐったりしている
  • けいれんが5分以上続く、けいれんを繰り返す
  • 呼吸が苦しそう(肩で息をしている、ゼーゼー、ヒューヒューと音がする、陥没呼吸)
  • 顔色や唇の色が真っ青、紫色になっている
  • 激しい頭痛や嘔吐を繰り返す
  • 生後3ヶ月未満の38℃以上の発熱

夜間・休日でも受診を検討すべきサイン

  • 熱が下がってもぐったりしている、元気がない。
  • 機嫌が悪い、あやしても泣き止まない。
  • 発疹を伴う発熱。
  • 特定の部位の痛みが強い(耳を痛がる、お腹を痛がるなど)。
  • 血便、粘液便が出る。
  • 持病がある場合の発熱(喘息、心臓病など)。

<ママナースの重要メモ>
熱の高さよりも、**子どもの全身状態(元気があるか、水分が摂れているか、呼吸はどうかなど)**を重視してください。親の「何かおかしい」という感覚は、非常に重要です。迷ったら、地域の小児救急電話相談(#8000)や、かかりつけ医に相談しましょう。


まとめ:親の笑顔が、子どもの一番の薬

子どもの病気は、親にとって本当に大変なことです。でも、どうか一人で抱え込まないでください。

正しい知識を持って冷静に対応すること。そして、何よりも、あなたが笑顔でいることが、病気と闘うお子さんにとって、一番の安心であり、最高の薬になります。

この大変な時期を乗り越えれば、きっと親子の絆は、より一層深まるはずです。


【ママナースが解説】手足口病、どう乗り切る?症状・感染経路・ホームケアと受診の目安

そのブツブツ、もしかして手足口病?夏に増える子どもの病気に、不安を感じていませんか?

夏になると、保育園や幼稚園でよく耳にする「手足口病」。

「口の中にブツブツができて、痛がって食べられない…」
「手や足にも発疹が広がってきた…」

高熱が出ないことも多く、一見すると軽症に見えるけれど、食事が摂れなくなったり、発疹が広がったりする様子を見ると、親としては心配になりますよね。

「これって、うつるの?」
「家でどう看病すればいいの?」

そんな不安と疑問で、頭がいっぱいになっていませんか?

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、何度も手足口病と向き合い、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

お気持ち、痛いほど分かります。でも、大丈夫。手足口病は、ほとんどの場合、自然に治る病気です。 そして、正しい知識と適切なホームケアで、お子さんのつらさを和らげ、乗り切ることができます。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、手足口病の主な症状から、感染経路と予防策家庭でできる具体的なホームケア、そして**「こんな時は病院へ」という受診の目安**まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、正しい知識を武器に、手足口病からお子さんとご家族を守り抜きましょう。


手足口病ってどんな病気?症状と感染経路

手足口病は、その名の通り、手、足、口の中に水疱性の発疹ができるウイルス性の感染症です。夏に流行のピークを迎えることから、「夏風邪」の一種とも言われます。

主な症状

  • 口の中の発疹: 喉の奥や、舌、頬の内側などに、小さな水疱や潰瘍(かいよう)ができます。これが痛むため、食事が摂れなくなることがあります。
  • 手足の発疹: 手のひらや足の裏、指の間などに、赤みを帯びた小さな水疱ができます。お尻や膝にもできることがあります。
  • 発熱: 熱が出ないことも多いですが、出ても38℃台の微熱程度で、数日で下がることがほとんどです。
  • その他: 鼻水、咳、だるさ、食欲不振などを伴うこともあります。

感染経路

  • 飛沫感染: 咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。
  • 接触感染: ウイルスが付着した手で、口や鼻に触れることで感染します。
  • 糞口感染: 排泄物に含まれるウイルスが口に入ることで感染します。治った後も、数週間は便の中にウイルスが排出されることがあります。

<ママナースの視点>
手足口病は、特効薬がなく、ウイルスに対する治療法はありません。症状を和らげる対症療法が中心となります。ほとんどは軽症で済みますが、ごく稀に髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。


【家庭でできる】手足口病のホームケアと予防策

手足口病は、家庭でのケアが非常に重要です。お子さんのつらさを和らげ、感染を広げないためのポイントを押さえましょう。

ホームケア

  1. 水分補給を最優先:
    • 口の中の発疹が痛むため、食事が摂れなくなることがあります。脱水にならないよう、水分補給を最優先しましょう。
    • 冷たくて喉ごしの良いもの: 麦茶、湯冷まし、経口補水液、薄めたイオン飲料、ゼリー、プリン、アイスクリームなどがおすすめです。ストローやスプーンで少量ずつ、頻繁に与えましょう。
    • 避けるべきもの: 熱いもの、酸っぱいもの、塩辛いもの、刺激の強いものは、口の中の発疹を刺激するので避けましょう。
  2. 食事は無理に与えない:
    • 口が痛くて食べられない時は、無理に食べさせる必要はありません。水分が摂れていれば大丈夫です。食べられるようになったら、おかゆ、うどん、豆腐、卵豆腐など、柔らかくて刺激の少ないものから始めましょう。
  3. 発熱時のケア:
  4. 清潔を保つ:
    • 発疹を掻き壊さないように、爪を短く切り、清潔に保ちましょう。入浴は、熱がなく元気であれば問題ありません。石鹸をよく泡立てて優しく洗い、シャワーで流しましょう。

予防策

  1. 手洗い・うがいを徹底:
  2. タオルの共用を避ける:
    • 家族間での感染を防ぐため、タオルや食器の共用は避けましょう。
  3. 排泄物の適切な処理:
    • おむつ交換の際は、使い捨て手袋を着用し、排泄物が飛び散らないように注意しましょう。処理後は、石鹸でしっかり手洗いしましょう。
  4. おもちゃの消毒:
    • 子どもが口にするおもちゃは、こまめに消毒しましょう。アルコール消毒が有効です。

【ママナースの視点】こんな時は病院へ!受診の目安

手足口病は、ほとんどが軽症で済みますが、以下のような症状が見られた場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

  • 水分が全く摂れない、おしっこが半日以上出ていない(脱水症状)
  • ぐったりしている、意識がはっきりしない、呼びかけに反応が鈍い
  • 高熱が続く(39℃以上)
  • 頭痛がひどい、嘔吐を繰り返す
  • けいれんを起こした
  • 呼吸が苦しそう、ゼーゼーする
  • 発疹がひどく、痛みが強い
  • 2日以上経っても、口の中の痛みがひどく、水分も摂れない

<受診時のポイント>

  • いつから、どんな症状が出たか
  • 水分はどれくらい摂れているか
  • 口の中の発疹の様子
  • 家庭で試したこと、その効果

などをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。


まとめ:正しい知識で、手足口病を乗り切ろう

手足口病は、夏に子どもがよくかかる病気ですが、正しい知識と適切なホームケアがあれば、慌てずに対応することができます。

大切なのは、お子さんのつらさに寄り添い、水分補給をしっかり行うこと。

そして、感染を広げないための予防策を徹底することです。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。