はじめに:「頭が痛い…」「お腹が痛い…」その言葉に、あなたは心を痛めていませんか?
「ママ、頭が痛い…」
「お腹が痛いって泣いてるけど、どこが痛いの?」
子どもが頭痛や腹痛を訴える時、親としては「ただの風邪かな?」「食べすぎかな?」と思う一方で、「もしかして、何か大きな病気が隠れているのでは…」と不安になってしまうかもしれません。特に、まだ言葉でうまく伝えられない小さな子どもの場合、親もどう対応すればいいのか迷ってしまいますよね。
こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。
私自身も、娘たちの急な頭痛や腹痛に直面し、どう対応すべきか悩んだ経験があります。でも、看護師として、そして母として、子どもの頭痛や腹痛が、その後の心身の健やかな成長にどれほど影響するかを痛感しています。
この記事では、そんなあなたの不安に寄り添い、子どもの頭痛や腹痛について、その原因、見逃してはいけない危険なサイン、家庭でできる対処法をママナースの視点から分かりやすく解説します。
さあ、お子さんの「つらい」に寄り添い、親が冷静に判断し、適切に対応するための一歩を、一緒に踏み出しましょう。
子どもの頭痛・腹痛:見逃してはいけないサイン
子どもの頭痛や腹痛は、多くの場合、心配のないものですが、中には重篤な病気が隠れている場合もあります。見逃してはいけない危険なサインを知っておきましょう。
1.頭痛:こんな症状があったら要注意!
- 突然の激しい頭痛: 「今まで経験したことのない痛み」と子どもが訴える場合。
- 意識障害を伴う頭痛: ぐったりしている、呼びかけに反応しない、意識が朦朧としているなど。
- 嘔吐を繰り返す頭痛: 特に、吐き気や嘔吐が頭痛と同時に起こる場合。
- 発熱を伴う頭痛: 特に、高熱が続き、首が硬くなる(項部硬直)などの症状がある場合。
- けいれんを伴う頭痛。
- 頭を強く打った後の頭痛。
- 視力障害や麻痺を伴う頭痛。
- いつもと違う頭痛: 子どもが「いつもと違う」と訴える場合。
2.腹痛:こんな症状があったら要注意!
- 痛みが非常に強い、または痛みが続く: 特に、痛みが移動したり、徐々に強くなったりする場合。
- 嘔吐を繰り返す腹痛: 特に、緑色の胆汁性嘔吐や、血が混じった嘔吐がある場合。
- 血便、粘液便、タール便が出る。
- お腹がパンパンに張って、苦しそう。
- 発熱を伴う腹痛: 特に、高熱が続き、腹痛が強い場合。
- ぐったりしている、顔色が悪い、元気がない。
- 陰嚢(いんのう)の痛み(男の子の場合): 精巣捻転などの可能性も。
- お腹を触られるのを極端に嫌がる。
<ママナースの視点>
頭痛や腹痛は、子どもが言葉で表現しにくい症状です。親は、痛みの程度だけでなく、子どもの顔色、機嫌、食欲、活気など、全身の状態を注意深く観察することが大切です。
家庭でできる対処法と受診の目安
子どもの頭痛や腹痛は、家庭で様子を見ても良い場合と、すぐに病院を受診すべき場合があります。
1.家庭でできる対処法
- 安静にする: 痛みが強い場合は、無理に動かさず、静かな場所で休ませましょう。
- 体を温める・冷やす:
- 頭痛の場合: 痛む部分を冷たいタオルなどで冷やすと、痛みが和らぐことがあります。
- 腹痛の場合: お腹を温かいタオルなどで温めると、痛みが和らぐことがあります。ただし、虫垂炎など、温めてはいけない場合もあるので、判断に迷う場合は温めない方が安全です。
- 水分補給: 脱水を防ぐために、こまめに水分を摂らせましょう。
- 食事: 消化の良いものを少量ずつ与えましょう。食欲がない場合は無理に食べさせる必要はありません。
- 解熱鎮痛剤: 医師から処方された子ども用の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を、痛みが強い時に使用しましょう。
2.病院を受診すべき目安
- 上記「見逃してはいけないサイン」に当てはまる場合。
- 痛みが徐々に強くなる、または痛みが続く。
- 家庭での対処法で症状が改善しない、または悪化する。
- 子どもがぐったりしている、元気がない。
- 顔色が悪い、唇の色が悪い。
- 排尿や排便に異常がある(血尿、血便、排尿時の痛みなど)。
- 生後間もない赤ちゃんの場合。
<ママナースの重要メモ>
熱の高さよりも、**子どもの全身状態(元気があるか、水分が摂れているか、呼吸はどうかなど)**を重視してください。親の「何かおかしい」という感覚は、非常に重要です。迷ったら、地域の小児救急電話相談(#8000)や、かかりつけ医に相談しましょう。
まとめ:親の冷静な判断が、子どもの命を守る
子どもの頭痛や腹痛は、親にとって心配の種ですが、正しい知識と適切な対処法があれば、慌てずに対応することができます。
完璧なケアを目指す必要はありません。大切なのは、お子さんの状態をよく観察し、異変に気づいたら早めに専門家を頼ることです。
あなたのその愛情と、適切な判断が、お子さんの健やかな成長と、親子の笑顔を育む、何よりの力になります。