「熱い!ママ、熱いよ!」
もし、お子さんがやけどをしてしまったら…
あなたはどうしますか?
熱いお鍋に触ってしまった。アイロンにうっかり触れてしまった。熱い飲み物をこぼしてしまった。
子どもがいる家庭では、残念ながらやけどの事故は起こりやすいもの。
私も3姉妹の母ですが、幼い頃のヒヤリハットは数えきれません。そして、現役ナースとして救急現場でたくさんのやけど患者さんを診てきた経験から、「やけどの応急処置」がいかに重要かを痛感しています。
特に、私が一番大事だと伝えたいのは、**「服の上から流水で冷やす」**こと。
今日は、現役ママナースの私が、もしもの時に慌てず冷静に対応できるよう、家庭でできる正しいやけどの応急処置について、詳しくお話ししたいと思います。
この記事でわかること
- 子どものやけどで最も大切な応急処置「流水冷却」の正しい方法
- なぜ「服の上から」冷やすことが重要なのか
- やけどの重症度を見極めるポイントと、病院受診の目安
- 家庭に常備しておきたいやけど対策グッズ
【結論】やけどをしたら「まず冷やす」!「服の上から」最低15分、流水で冷却を!
やけどの応急処置で、何よりも大切なのは**「とにかく冷やすこと」です。
そして、その際にぜひ覚えておいてほしいのが、「服の上から流水で冷やす」**というポイント。
なぜ「服の上から」冷やすことが重要なのか
「服が皮膚にくっついたらどうしよう…」
そう思って、焦って服を脱がそうとしていませんか?
実は、それが一番やってはいけないことなんです。
- 皮膚が剥がれるのを防ぐ:やけどをした皮膚は非常にデリケートです。焦って服を脱がそうとすると、皮膚が服と一緒に剥がれてしまい、傷口を悪化させてしまう可能性があります。
- 冷却効果の持続:服の上から冷やすことで、衣服が保冷剤代わりとなり、冷却効果が持続しやすくなります。
- 傷口への刺激を避ける:服を脱がすことで、やけどした部分に直接空気が触れ、痛みが強くなるのを防ぎます。
流水で冷やすことで、やけどの進行を止め、痛みを和らげ、水ぶくれや傷跡が残るのを最小限に抑えることができます。
目安は、**「流水で15分以上、痛みが引くまで」**です。冷たすぎる水ではなく、水道水程度の温度で十分です。
やけどの重症度を見極めるポイントと、病院受診の目安
やけどの重症度は、以下の3段階に分けられます。
- I度熱傷:
- 症状:皮膚が赤くなる(発赤)、ヒリヒリとした痛みがある。水ぶくれはできない。
- 処置:流水で十分に冷やす。数日で自然に治ることが多い。
- 受診目安:広範囲の場合や、痛みが強い場合は受診を検討。
- II度熱傷:
- 症状:赤くなり、強い痛みがある。水ぶくれができる。
- 処置:流水で十分に冷やした後、清潔なガーゼで覆い、すぐに病院へ。水ぶくれは破らないように注意。
- 受診目安:必ず病院を受診!
- III度熱傷:
- 症状:皮膚が白っぽく、または黒っぽくなり、痛みを感じないこともある(神経が破壊されているため)。
- 処置:流水で十分に冷やした後、清潔なガーゼで覆い、すぐに救急車を呼ぶ!
【特に注意が必要なやけど】
- 広範囲のやけど:子どもの手のひらサイズを超える場合。
- 顔、手、足、股など、重要な部位のやけど。
- 乳幼児のやけど:体温調節機能が未熟なため、広範囲でなくても重症化しやすいです。
私自身、救急現場でⅢ度熱傷の患者さんを診たことがありますが、本当に痛々しいものです。早期の適切な処置が、その後の回復に大きく影響します。
家庭に常備しておきたいやけど対策グッズ
もしもの時に慌てないよう、家庭に以下のものを常備しておきましょう。
- 清潔なガーゼ:やけどを覆うために使います。
- 清潔なタオルや布:冷却時や、やけどを覆うために使います。
- ラップ:やけどを覆う際に、ガーゼがない場合などに清潔なラップで代用できます。
- 保冷剤:冷却後に痛みが続く場合に使いますが、やけど直後は直接当てず、タオルなどで包んで使いましょう。
- アロエ:冷却効果や抗炎症作用があると言われていますが、やけどの程度がひどい場合は使わず、すぐに病院へ。
- 絆創膏:軽度のやけどの場合に。
まとめ:あなたの「冷静な判断」が、子どもの未来を守る
子どものやけどは、親にとって本当にパッと頭が真っ白になるような出来事です。
でも、その一瞬の冷静な判断と、適切な応急処置が、子どものその後の状態を大きく左右します。
私自身、3姉妹の子育て中にやけどのヒヤリハットを経験するたびに、「もっと対策を!」と心に誓ってきました。そして、看護師として学んだ知識が、家庭での安全を守る上でもどれほど大切かを痛感しています。
もしもの時に、「何をすればいいんだろう?」と慌ててしまわないように、今日ご紹介した「服の上から流水冷却」の正しい方法を、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。
あなたの冷静な判断が、子どもの痛みを和らげ、未来のきれいな肌を守るための大切な一歩になります。
頑張りすぎず、焦らず、あなたのペースで進めていきましょうね。応援しています!
