「ママ、部活、やめたい…」
お子さんから、そんな風に打ち明けられたら、あなたはどんな風に答えますか?
「もう少し頑張ってみたら?」「せっかく入ったんだから、最後までやり通しなさい」
そう言って、引き止めてしまうお母さんも少なくないのではないでしょうか。
私も3姉妹の母ですが、長女が中学時代に部活を辞めたいと言い出した時、最初は「根性がないのかな…」「簡単に辞めてほしくないな」という気持ちが正直ありました。でも、看護師としてたくさんの患者さんの「心身の限界」を見てきた経験から、「この言葉は、もしかしたらSOSサインかもしれない」とハッとしたんです。
今日は、現役ママナースの私が、お子さんから「部活を辞めたい」と言われた時に、親がどう向き合うべきか。根性論で引き止める前に、子どもの心身の限界サインを見極めるポイントと、親としてできるサポートについて、本音でお話ししたいと思います。
この記事でわかること
- 「部活を辞めたい」という言葉の裏に隠された子どものSOSサイン
- 根性論で引き止めることが危険な理由
- 子どもの心身の限界を見極めるための観察ポイント
- 親としてできる、適切なサポートと声かけ
【結論】「部活を辞めたい」は、子どもの心と体からの大切なメッセージ!
お子さんから「部活を辞めたい」と打ち明けられた時、それは決して「ワガママ」や「根性がない」わけではありません。多くの場合、子どもの心と体が「もう限界だ」と発している、大切なSOSメッセージなんです。
根性論で引き止めることが危険な理由
私自身も「努力は報われる」「最後までやり通すことが大切」という教育を受けてきましたし、子どもたちにもそうあってほしいと願う気持ちはあります。でも、その「根性論」が、子どもの心や体を深く傷つけてしまうことがあります。
- 精神疾患のリスク:ストレスを抱え込んだまま部活を続けることで、うつ病や適応障害などの精神疾患を発症するリスクが高まります。
- 身体的症状の悪化:頭痛、腹痛、不眠、食欲不振など、様々な身体症状が現れることがあります。
- 自己肯定感の低下:「自分はダメな人間だ」と自己肯定感が低下し、将来にわたって影響を及ぼすことがあります。
- 登校拒否やひきこもり:部活を辞めることで楽になるどころか、学校そのものに行けなくなってしまうケースも少なくありません。
私もナースとして、患者さんの「つらい」という言葉の裏に、どれだけの苦しみが隠されているかを知っています。子どもの「辞めたい」も、同じように真剣に受け止める必要があります。
子どもの心身の限界を見極めるための観察ポイント
お子さんから「部活を辞めたい」と言われた時、その言葉だけで判断せず、まずは日頃の様子をよく観察してください。
- 睡眠の変化:寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝起きられないなど。
- 食欲の変化:食欲がない、急に食べる量が増えた、特定のものばかり食べるなど。
- 表情の変化:笑顔が減った、無表情、暗い顔をしているなど。
- 言動の変化:口数が減った、イライラしやすくなった、友達や家族との会話を避けるようになったなど。
- 身体症状:原因不明の頭痛、腹痛、吐き気、めまいなど(病院で検査しても異常が見つからないこともあります)。
- 部活の話をしたがらない:部活の話をすると、嫌な顔をする、話題を変えるなど。
- 学校に行きたがらない:部活がある日だけ学校を休む、遅刻するなどもサインの一つです。
これらのサインが複数見られる場合、それは「心身の限界」が近い証拠かもしれません。
親としてできる、適切なサポートと声かけ
お子さんから「部活を辞めたい」と言われた時、親としてどうサポートすれば良いのでしょうか。
- まずは「話を聞く」に徹する:
- 「どうしたの?」「何があったの?」と、まずは子どもの話を遮らず、最後までしっかり聞きましょう。
- 「辞めるなんてダメ!」と否定せず、「そうだったんだね」「辛かったね」と、共感の言葉を伝えることが大切です。
- 「辞めたい」という気持ちの背景にある、具体的な理由(人間関係、練習内容、学業との両立など)を探りましょう。
- 「辞める」以外の選択肢も一緒に考える:
- すぐに「辞める」と決めるのではなく、「休部する」「練習回数を減らす」「顧問の先生に相談してみる」など、他の選択肢も一緒に検討してみましょう。
- 「どうしたい?」と、子どもの意思を尊重することが大切です。
- 顧問の先生や学校との連携:
- 必要であれば、お子さんの了解を得て、顧問の先生や担任の先生に相談しましょう。日頃の部活での様子や、お子さんの状況を共有することで、学校側も適切なサポートをしてくれるはずです。
- 「いつでも味方だよ」という安心感を与える:
- どんな選択をしても、親はいつでも子どもの味方であるという安心感を与えることが最も重要です。
- 「部活を辞めても、あなたの価値は変わらないよ」と伝え、自己肯定感を高めてあげましょう。
まとめ:あなたの「温かい目」が、子どもの未来を拓く
お子さんから「部活を辞めたい」という言葉は、親にとって受け止めにくいものかもしれません。
でも、その言葉の裏には、子どもが必死に発しているSOSが隠されている可能性があります。
私自身、長女が部活を辞めた時、最初は「これでよかったのかな」という不安もありました。でも、部活を辞めてから見違えるように明るくなり、新しいことに挑戦し始めた娘の姿を見て、「あの時の選択は正しかったんだ」と心から思えました。
どうか、お子さんのつらい言葉に耳を傾け、その心身の限界を見極めてあげてください。
根性論で縛り付けるのではなく、あなたの温かいまなざしと、適切なサポートが、子どもの新しい未来を拓くきっかけになるはずです。
頑張りすぎず、焦らず、あなたのペースで進めていきましょうね。応援しています!
