【魔の2歳児】イヤイヤ期・言葉の遅れ・トイトレに悩むママへ。現役ナースが教える「心の処方箋」

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スーパーの床で、天使が「怪獣」に変わった日

あれは忘れもしない、次女が2歳になったばかりの頃。夕方の混み合うスーパーで、お菓子売り場の前を通りかかった瞬間、事件は起きました。

「これ、ほしい!」
「おうちに帰ってからね」
「イヤ!いま!いまほしいのーーー!!」

次の瞬間、彼女は床にひっくり返り、手足をバタつかせて大絶叫。周りの人の「あらあら…」という視線が突き刺さり、私は顔から火が出る思いで、その場にしゃがみ込むしかありませんでした。

「昨日まであんなにニコニコの天使だったのに、どうして…?」

もし、あなたが今、同じように感じているなら。まず、これだけは伝えさせてください。**「ママ、毎日ほんとうにお疲れさま。あなたは、ひとりじゃないよ」**と。

「魔の2歳児」と呼ばれるこの時期は、子どもの「自分」が爆発的に芽生える、成長の証。大変だけど、かけがえのない時間です。

今日は、3姉妹の育児に奮闘してきたママナースとして、そして、何度もスーパーの床で途方に暮れた先輩ママとして(笑)、この嵐の時期を乗り切るための「心の処方箋」をお渡ししますね。

なぜ?どうして?イヤイヤ期の「困った」の裏側にある本当の気持ち

目の前の「イヤ!」に振り回される前に、まずは2歳児の心の中をそっと覗いてみましょう。理由がわかると、不思議とこちらの心にも余裕が生まれます。

「自分でやりたい!」心の叫び

2歳児の頭の中は、「自分で!」「私が!」という気持ちでいっぱいです。でも、それをうまく伝える言葉や、やり遂げる体の使い方がまだ未熟。そのもどかしさが、「イヤ!」という最大の自己主張となって爆発するんです。

服を「自分で着たい」のにうまく袖に腕が通らない。そんな時、手伝おうとすると「イヤ!」と怒るのは、「手伝ってほしくない」のではなく、「うまくできない自分が悔しい!」という気持ちの表れだったりします。

「ママ、大好き!」の裏返し

信じられないかもしれませんが、親を困らせる行動は、愛情の裏返しであることも多いんです。「こんなにワガママを言っても、ママは僕を好きでいてくれる?」と、親の愛情を試しているんですね。大変なイヤイヤほど、ママへの信頼の証、なんて言われることもあります。

【悩み別】ママナースの心の処方箋|今日からできること

それでは、具体的なお悩みごとに、具体的な対応策を見ていきましょう。

CASE1:「イヤイヤ期」の嵐を乗り切るには?

真正面から「ダメ!」とぶつかるのは、火に油を注ぐようなもの。上手にかわして、子どもの気持ちを別の方向へ誘導してあげるのがコツです。

  • 処方箋①:気持ちを代弁する
    「そっか、今は着替えたくない気分なんだね」「公園から帰りたくなかったよね、楽しかったもんね」と、まずは子どもの気持ちを言葉にして受け止めてあげましょう。「わかってくれた」と感じるだけで、子どもの興奮は少しクールダウンします。

  • 処方箋②:魔法の二択
    「(着替えない子に)赤い服と青い服、どっちがいい?」「(お風呂に入らない子に)アヒルさんとゾウさん、どっちと入る?」と、子どもに選ばせてみましょう。「自分で決めた」という小さな成功体験が、子どもの自尊心を満たします。

  • 処方箋③:遊びに変える
    「どっちが早く靴を履けるか、競争だ!」「お片付け競争、よーいどん!」など、なんでもゲームにしてしまうのも手。我が家では「お着替えマンに変身だ〜!」がよく効きました(笑)。

CASE2:「言葉の発達」がゆっくりで心配…

言葉の発達は、本当に個人差が大きいもの。うちの長女はおしゃべりでしたが、次女は単語がなかなか増えず、私も内心ヤキモキした経験があります。

周りの子と比べて焦る気持ち、痛いほどわかります。でも、大丈夫。大切なのは、お子さん自身のペースを信じて、言葉のシャワーをたくさん浴びせてあげることです。

  • 処方箋①:絵本の読み聞かせ
    これは最強のインプットです。色々な言葉や表現に触れられるだけでなく、ママの膝の上で絵本を読む時間は、子どもの情緒を安定させる最高のコミュニケーションになります。

  • 処方箋②:ママは実況アナウンサー
    「あ、ワンワンだね。かわいいね」「りんご、シャクシャク美味しいね」と、目に見えるもの、聞こえるもの、感じるものをどんどん言葉にしてあげましょう。無理に教え込もうとしなくて大丈夫。ただ、楽しそうに語りかけるだけでいいんです。

CASE3.:「トイレトレーニング」が全然進まない!

トイトレは、焦りが一番の禁物です。「おしっこ、出る前に教えてね」は、大人にとっては簡単ですが、子どもにとっては「体の中の感覚を察知して、それを言葉で伝え、トイレまで我慢する」という超高度なミッション。

体が準備できていないのに始めても、親子で疲弊するだけ。まずは「トイレは楽しい場所」というイメージ作りから始めましょう。

  • 処方箋①:トイレをデコレーション
    好きなキャラクターのポスターを貼ったり、可愛い便座カバーを用意したり。まずは「行きたくなる」場所に。

  • 処方箋②:ハードルを極限まで下げる
    「座れただけで100点満点!」「おしっこが出なくても、トイレに座れたの、すごいね!」と、とにかく褒めちぎる!成功体験を積み重ねることが大切です。

  • 処方箋③:失敗しても、絶対に叱らない
    失敗してしまった時、親がガッカリしたり、叱ったりすると、子どもはトイレに行くこと自体が怖くなってしまいます。「大丈夫、大丈夫!また今度やってみようね」と、笑顔で後始末をする。これが一番の近道です。

頑張るママへ。完璧なママじゃなくて、笑顔のママでいよう

2歳児育児の真っ只中にいると、まるで出口のないトンネルにいるように感じて、孤独に押しつぶされそうになる日もありますよね。

でも、どうか自分を責めないでください。
イライラして、つい声を荒げてしまう日があって当たり前。
ご飯を作る気力がなくて、デリバリーに頼る日があったっていいんです。

大切なのは、100点のママを目指すことではありません。ママ自身が心から笑える時間を、1分でも多く作ること。そのためには、パパや家族、地域のサービスなど、周りを頼る勇気も必要です。

嵐のような2歳児との日々は、必ず終わりが来ます。そして、過ぎ去ってしまえば、あの「イヤ!」さえも、愛おしい思い出に変わるはず。

今、この瞬間だけの、お子さんとのユニークで面白い毎日を、どうか少しでも楽しんでくださいね。心から応援しています。

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