【それ逆効果かも?】子どもの熱に冷えピピタはNG?救命ナースが教える正しい対処法

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「熱が出たら、まず冷えピタ」…それ、間違いかも!?

深夜、子どもの体が火のように熱い…。
体温計が示した「39.5℃」の文字に、心臓がドクンと跳ね上がる。

「とにかく、熱を下げなきゃ!」

そう思って、あなたは焦って冷蔵庫に走り、お守りのように常備してある「冷えピタ」や「熱さまシート」を、子どものおでこにピタッと貼っていませんか?

その気持ち、痛いほどわかります。

私も、長女が初めて高熱を出した夜、同じことをしていました。
でも、貼ってしばらくすると、娘はガタガタと震えだし、顔色も真っ青に…。

「良かれと思ってやったのに、もしかして逆効果…?」

そう、あの時の私は、看護師でありながら、大きな間違いを犯していたのです。

この記事では、救命の現場も経験したママナースの私が、

  • 冷えピタに「解熱効果」がない衝撃の事実
  • 超重要!熱を「冷やすべき時」と「温めるべき時」の見極め方
  • 本当に効果がある!正しいクーリングの場所と方法
  • 【救命ナースの視点】冷えピタに潜む、まさかの危険性

について、徹底的に解説します。

この記事を読めば、もう発熱で焦らない。子どもの体を本当に楽にしてあげるための、「正しい知識」というお守りを手に入れることができますよ。

【衝撃の事実】冷えピタ・熱さまシートに解熱効果はない

結論:冷えピタなどの冷却ジェルシートに、体全体の熱を下げる「解熱効果」は医学的にありません。

「え、そうなの!?」と驚かれたかもしれませんね。

あれは、ジェルの水分が蒸発する力(気化熱)で、おでこなど「貼った部分の皮膚」を冷たく感じさせているだけなんです。

車のエンジンがオーバーヒートしている時に、ボンネットの表面に冷たいタオルを乗せても、エンジン自体は冷えませんよね。それと全く同じです。

もちろん、本人が「冷たくて気持ちいい」と感じて安心するなら、その目的で使うのはOKです。
しかし、「熱を下げるため」の医療的な効果は期待できない、という事実は、まず大前提として知っておきましょう。

【救命ナースの視点】小さな子には、むしろ危険も

特に、自分でシートを剥がせない乳幼児への使用には、注意が必要です。

寝ている間にシートがずれて、口や鼻を塞いでしまい、窒息するという事故が、実際に報告されています。

「ちょっと目を離した隙に…」が、一番怖い。便利なものほど、思わぬ危険が潜んでいることを忘れないでください。

【超重要】冷やす?温める?熱のフェーズを見極めよう

子どもの発熱対応で最も大切なのが、**「今、体の熱がどういう状態か」**を見極めることです。これを間違えると、良かれと思ってやったケアがすべて逆効果になってしまいます。

熱の段階 症状の特徴 体の状態 OK対応 やってはいけないNG対応
上がり際<br>(悪寒期) ・手足が冷たい<br>・ガタガタ震える<br>・顔色が悪い 体が熱を<br>作っている ✅ 保温する<br>・布団を1枚足す<br>・温かい飲み物 ❌ 冷やす<br>(冷えピタ、氷枕など)
上がりきった後<br>(熱感期) ・全身が熱い<br>・顔が赤い<br>・汗をかいている 体が熱を<br>逃がしている ✅ 熱を逃がす<br>・薄着にする<br>・体を冷やす ❌厚着させる<br>(熱がこもってしまう)

本当に効く!クーリングの3つの急所

熱が上がりきって、子どもが暑がっているなら、いよいよクーリングの出番です。

ポイントは、太い血管(動脈)が通っている場所を冷やすこと。ここを冷たい血液が通ることで、効率的に全身の熱を下げることができます。

狙うべき急所はこの3つ!

  • 首のつけね(両脇)
  • わきの下
  • 足のつけね(そけい部)

(ここに、体のイラストと上記3箇所を指し示した図解を挿入するイメージ)

保冷剤や氷枕をタオルで包み、これらの場所にそっと当ててあげましょう。嫌がる場合は、無理にしなくて大丈夫です。

逆におでこや手足を冷やしても、本人が気持ちいいだけで、解熱効果はほとんどありません。

よくある質問(Q&A)

Q1. 解熱剤(熱冷まし)との併用は?

A1. クーリングはあくまで補助的なケアなので、医師の指示通りに解熱剤を使っても問題ありません。ただし、解熱剤を使った直後に体を冷やしすぎると、体温が下がりすぎてしまう可能性があるので、子どもの様子をよく見て調整しましょう。

Q2. 何度から冷やすべき?

A2. 熱の高さよりも、本人が暑がっているか、つらそうにしているかで判断します。熱が高くてもケロッとしているなら、無理に冷やす必要はありません。逆に、38℃台でもぐったりしているなら、楽になるように冷やしてあげましょう。

まとめ:正しい知識が、親子の不安を軽くする

子どもの突然の発熱。親なら誰でも、冷静ではいられませんよね。

でも、そんな時こそ、正しい知識が「親の冷静さ」を保つためのお守りになります。

  • 冷えピタに解熱効果はない。 気持ちよさそうならOK、でも目を離さないで。
  • 熱の上がり際は「温める」、上がりきったら「冷やす」。 これが鉄則。
  • 冷やすなら「首・わき・足のつけね」の3点を狙う。

そして、何より大切なのは、水分補給と休息です。

熱の高さに一喜一憂するのではなく、ぐったりしていないか、おしっこは出ているかなど、子どもの全身状態をしっかり観察してあげてください。

正しいケアで、つらい発熱の時期を少しでも快適に乗り越えていきましょうね。

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