新学期が始まって、ようやくペースに慣れてきたかな…とホッとする4月。でも実は、現役ナースの視点から見ると、本当の正念場はゴールデンウィーク(GW)が明けた後にやってきます。
「学校、行きたくない…」
GW明けに子どもがそう呟きだしたら、それは「5月病」のサインかもしれません。新しい環境で張り詰めていた緊張の糸が、連休でプツンと切れてしまうのです。
今回は、本格的な不登校などにつながる前に、4月のうちに家庭でできる「5月病」の予防法についてお話しします。
なぜGW明けが危険なの?
4月は、子ども自身も気づかないうちに、ものすごいエネルギーを使っています。
新しいクラス、新しい先生、新しい友達…。期待と同時に、とてつもない緊張感の中で毎日を過ごしているのです。
そして、やっと訪れたGWで、その緊張から解放されて心身ともにリラックス。しかし、その「ゆるみ」が、連休明けに学校へ戻る大きな壁となって立ちはだかります。
この心と体のギャップこそが、5月病の正体。決して、怠けているわけではないのです。
5月病を防ぐ「4月の過ごし方」3つのコツ
GW明けを笑顔で迎えるために、4月中に意識したい過ごし方のコツを3つご紹介します。
1. 「頑張りすぎない」を応援する
新しい環境に慣れようと、子どもはすでに120%の力で頑張っています。「あれも頑張れ、これも頑張れ」と背中を押すのは一旦お休み。
むしろ、「疲れたら休んでいいんだよ」「完璧じゃなくていいんだよ」と、「頑張りすぎない」ことを応援してあげましょう。
特に、家にいる時くらいは、心からリラックスできる安全基地であることが大切です。
2. 睡眠リズムを死守する
生活リズムの乱れは、自律神経の乱れに直結します。特に重要なのが睡眠です。
週末や祝日でも、できるだけ平日と同じ時間に寝て、同じ時間に起きることを意識してみてください。
十分な睡眠は、心の安定剤。ストレスへの抵抗力を高めてくれます。
3. ポジティブな「聞き役」に徹する
「学校どう?」「お友達できた?」と質問攻めにするよりも、ただ子どもの話を聞く時間を1日に10分でもいいので作ってみましょう。
楽しかったこと、嫌だったこと、何でもないこと…。子どもが自分の言葉で話すことで、心の中のモヤモヤが整理されていきます。
親は「解決策を言わなきゃ」と気負わず、ウンウンと聞いてあげるだけでいいんです。「話せてスッキリした」と子どもが感じられれば、それだけで十分な心のケアになります。
焦らず、見守る勇気
親としてできるのは、栄養満点のご飯と、あたたかいお風呂と、そして「あなたの味方だよ」という安心感を与えてあげること。
4月の小さな積み重ねが、5月の大きな壁を乗り越える力になります。焦らず、子どものペースを大切に見守ってあげてくださいね。
