冬、ドアノブに触れた瞬間「バチッ!」
お友達と手が触れ合った瞬間「バチッ!」

大人でもビックリする静電気は、子どもにとっては恐怖の対象。「またバチッてなるかも…」と、何かに触るのを怖がるようになってしまった、なんてことはありませんか?

痛みももちろんですが、「なぜ起こるかわからない」ということが、子どもの不安を大きくします。

今回は、3姉妹の母であり現役ナースの私が、静電気が起こる簡単な仕組みと、服の「素材」の組み合わせを変えるだけで、あのイヤ〜な「バチッ!」を激減させられる豆知識をお伝えします。

そもそも、「静電気」ってなに?

全てのモノは、プラス(+)とマイナス(ー)の電気を持っています。普段は、このプラスとマイナスのバランスが取れているので、何も感じません。

しかし、服がこすれ合うなどの摩擦によって、このバランスが崩れてしまいます。どちらかの電気が、モノの表面にたくさん溜まってしまうのです。これが「静電気」の正体。

そして、電気が溜まった状態で、電気を通しやすい金属などに触れると、溜まった電気が一気に流れようとして「バチッ!」という放電が起こるのです。

「バチッ!」を防ぐ、素材の組み合わせ方

静電気の起きやすさは、実は服の素材の「相性」で大きく変わります。

学校の理科で習った「帯電列(たいでんれつ)」を思い出してみてください。素材には、摩擦した時にプラスの電気を帯びやすいものと、マイナスの電気を帯びやすいものがあるのです。

  • プラス(+)に帯電しやすい素材
    • ナイロン、ウール、レーヨン など
  • マイナス(ー)に帯電しやすい素材
    • アクリル、ポリエステル、アセテート など
  • 電気を帯びにくい素材
    • 綿(コットン)、麻、絹(シルク)

静電気は、この帯電列で「離れた」素材同士を組み合わせると、非常に起きやすくなります。

例えば、**「ウール(+)のセーター」「アクリル(ー)の肌着」**の組み合わせは、プラスとマイナス両方の電気が大量に発生し、最悪のコンビです。

逆に、帯電列で「近い」素材同士や、綿などの「電気を帯びにくい」素材を組み合わせれば、静電気はグッと抑えられます。

ナースのおすすめコーディネート

理屈はわかっても、毎朝子どもの服の素材をチェックするのは大変ですよね。
なので、これだけ覚えておいてください。

「肌着は、なるべく綿(コットン)100%を選ぶ」

これだけで、全然違います!

綿は、静電気をほとんど発生させないだけでなく、吸湿性にも優れているため、肌を乾燥から守ってくれます。肌が潤っていると、溜まった電気が自然に空気中に逃げてくれるので、さらに放電しにくくなるというメリットも。

もし、フリース(ポリエステル製がほとんど)などを着せる場合は、その下にナイロン系の肌着などを着せるのは避け、綿のTシャツなどを一枚挟んであげるのがおすすめです。

ちょっとした豆知識で、お子さんを冬の「バチッ!」の恐怖から解放してあげてくださいね。