「もう大人と同じでいいの?」離乳食の終わりと、新たな食の始まり
カミカミと上手に食べられるようになった赤ちゃんが、今度は、スプーンやフォークに興味を示したり、大人の食事に手を伸ばしたり…。
「離乳食って、いつまで続けるんだろう?」
「もう大人と同じものを食べさせていいのかな?」
離乳食完了期は、赤ちゃんが「食べる」という行為を通して、心身ともに大きく成長し、いよいよ「幼児食」へと移行していく大切な時期です。しかし、その一方で、親にとっては新たな疑問や悩みが尽きない時期でもあります。
こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、離乳食完了期から幼児食への移行に、試行錯誤を繰り返してきた、現役ママナースの皐月です。
お伝えしたいのは、離乳食完了期は、単に「離乳食が終わる」時期ではありません。 それは、赤ちゃんが「自分で食べる」という自立心を育み、生涯にわたる「食の基礎」を築く、非常に重要な期間だということ。そして、親の適切なサポートが、子どもの健やかな食生活を育む鍵となります。
この記事では、そんなあなたの疑問を解消するために、離乳食完了期の食事の固さや量の目安から、手づかみ食べの重要性、遊び食べ対策、そして幼児食へのスムーズな移行まで、専門家の視点と実体験を交えて、徹底的に解説します。
さあ、お子さんの「食べる力」を、さらに大きく伸ばしてあげましょう!
Step 1:いつから始める?完了期への移行サイン
離乳食完了期は、一般的に生後12ヶ月〜1歳半頃が目安です。以下のサインが見られたら、ステップアップの準備ができた証拠です。
- 歯茎でカミカミと食べ物を潰せるようになった
- 自分でスプーンやフォークを使いたがる
- 大人の食事に興味を示し、欲しがる
- 手づかみ食べを積極的にする
Step 2:どう進める?固さ・量・食事回数の目安
完了期では、食事の回数は大人と同じ3回になり、食べ物の形状もさらにステップアップします。栄養のほとんどを離乳食から摂るようになります。
固さの目安
- 歯茎で噛みつぶせる肉団子くらいの固さが目安です。
- 形は、5mm〜1cm角くらいにしていきます。徐々に、大人の食事に近い固さや大きさに慣らしていきましょう。
量の目安(1回あたり)
食材の種類 | 目安量 |
---|---|
穀類 | 軟飯80〜100g または ご飯80g |
野菜・果物 | 40〜50g |
タンパク質 | 魚・肉なら15〜20g、豆腐なら50〜60g、全卵なら1/2〜2/3個 |
※あくまで目安です。赤ちゃんの食欲や成長に合わせて調整しましょう。
食事の回数
- 1日3回の食事を基本とし、生活リズムを整えていきます。
- おやつ: 補食として、午前と午後に1回ずつ与えましょう。おやつは、食事で不足しがちな栄養を補う大切な役割があります。
Step 3:主役は「手づかみ食べ」!脳と体を育む簡単レシピ
この時期の主役は、引き続き「手づかみ食べ」です。食べ物を目で見て、手で掴み、口まで運ぶという一連の動作は、赤ちゃんの脳の発達を促し、「自分で食べる」という自立心を育む、最高の遊びであり学びです。
床が汚れるのは覚悟の上!新聞紙などを敷いて、存分にやらせてあげましょう。
おすすめ!簡単手づかみ食べレシピ
- スティック野菜
- 茹でたにんじん、大根、ブロッコリーの茎などを、赤ちゃんが持ちやすいスティック状に。歯茎で噛みつぶせる固さに。
- おやき・パンケーキ
- 野菜やひき肉を混ぜ込んだおやきや、甘さ控えめのパンケーキ。冷凍ストックも可能です。
- ミニおにぎり
- 軟飯に、細かく刻んだ野菜やしらす、鮭などを混ぜて、小さな俵型に握る。海苔を巻くと、さらに持ちやすくなります。
- 鶏ひき肉のハンバーグ
- 豆腐や野菜を混ぜて、柔らかく仕上げたミニハンバーグ。手づかみで食べやすい大きさに。
【お悩み解決】「遊び食べ」「ムラ食い」どうしたらいい?
自己主張が強くなるこの時期は、親の悩みも増えがちです。
Q. 食べ物をぐちゃぐちゃにしたり、投げたり。「遊び食べ」がひどいです…
- A. 「遊び食べ」は、食べ物の感触を確かめている、好奇心の表れでもあります。ある程度は「学びの時間」と割り切りましょう。ただし、食事の時間は30分などと決め、「ごちそうさま」をしたら、泣いてもキッパリ片付ける、というメリハリをつけることが大切です。「食べ物で遊んではいけない」というルールは、根気強く伝え続けましょう。
Q. 昨日まで食べていたのに、急に食べなくなりました…
- A. 「ムラ食い」は、この時期の「あるある」です。体調や気分によって、食欲に波があるのは当然。一口も食べなくても、食卓に並べたことを良しとしましょう。無理強いせず、「じゃあ、おしまいにしようか」と切り上げる勇気も必要です。1食抜いたくらいで、栄養失調になることはありません。
Step 4:幼児食へのスムーズな移行
離乳食完了期を過ぎると、いよいよ幼児食へと移行していきます。幼児食は、基本的に大人の食事からの取り分けが中心になります。
幼児食への移行のポイント
- 薄味を心がける: 大人の食事も、薄味を基本とし、子どもの分を取り分けてから味付けを足しましょう。
- 食材の固さ・大きさ: 子どもが食べやすいように、食材の固さや大きさを調整しましょう。歯が生え揃っていない場合は、まだ硬いものや大きいものは避けましょう。
- 栄養バランス: 炭水化物、タンパク質、ビタミン・ミネラルをバランス良く摂れるように意識しましょう。特に鉄分は不足しがちなので、意識して摂らせましょう。
- 楽しい食卓: 食卓は、親子のコミュニケーションの場です。食べ物の話だけでなく、今日の出来事などを話しながら、楽しい雰囲気で食事をしましょう。
まとめ:食卓は、親子の「成長」と「絆」を育む場所
離乳食完了期は、赤ちゃんが「食べる」という行為を通して、心身ともに大きく成長する大切な時期です。
完璧な食事を目指す必要はありません。大切なのは、赤ちゃんが「自分で食べるって、楽しい!」と感じること。
そして、親子の笑顔が絶えない食卓です。
あなたのその温かいサポートと、たくさんの「できたね!」が、お子さんの健やかな食生活と、親子の絆を育む、何よりの力になります。