はじめに:「うちの子、まだ話さない…」周りと比べて不安になっていませんか?
同じ月齢の子が「ママ、ワンワン」と話し始めると、「うちの子は、まだ意味のある言葉を話さない…」「もしかして、言葉が遅れているのでは?」と、急に不安になってしまう。子どもの言葉の発達は、個人差が大きいと分かっていても、心配になってしまうのが親心ですよね。
こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの発達相談の中でも、「言葉の遅れ」に関する悩みは、常に上位にあります。
この記事では、言葉の発達の一般的な目安と、心配しすぎなくて良いケース、そして家庭でできる、子どもの発語を優しく促すための関わり方について、具体的なヒントをお伝えします。
言葉の発達、目安は?でも、個人差がとても大きい
まず、一般的な言葉の発達の目安を知っておきましょう。ただし、これはあくまで目安。この通りに進まなくても、焦る必要は全くありません。
- 1歳頃: 「マンマ」「ブーブー」など、意味のある単語を1つか2つ言う。
- 1歳半頃: 10個程度の単語を言う。大人の言う簡単な言葉を理解し始める。
- 2歳頃: 「ワンワン、いた」「まんま、ちょうだい」など、2つの単語をつなげた二語文を話し始める。
- 3歳頃: 自分の名前を言えたり、「〇〇が〇〇した」といった三語文を話したりする。
大切なのは、言葉の数よりも「コミュニケーションの土台」が育っているかです。
言葉の数より大切な「コミュニケーションの土台」チェックリスト
たとえ発語がゆっくりでも、以下の様子が見られれば、コミュニケーションの力は順調に育っていると考えられます。過度に心配する必要はありません。
- 指差しをする: 「あれ取って」と指を差したり、「ワンワンだ」と指を差して教えたりする。
- 大人の言うことを理解している: 「〇〇持ってきて」「お片付けして」などの簡単なお願いを理解して、行動できる。
- 視線が合う: 目を見て、にっこり笑いかけてくれる。
- 身振り手振りで伝えようとする: 言葉の代わりに、ジェスチャーで一生懸命伝えようとする。
- ごっこ遊びをする: おままごとなどで、やり取りを楽しんでいる。
発語を促す!家庭でできる4つの言葉かけスイッチ
言葉は、教え込むものではなく、楽しいコミュニケーションの中で自然と育っていくものです。家庭でできる、言葉の発達を後押しする関わり方をご紹介します。
1. 「実況中継」スイッチ
「りんご、むきむきしようね」「お洋服、着ようね、まずはおててから」など、親がやっていることや、子どもの行動を、ゆっくり、はっきりした言葉で実況中継してあげましょう。たくさんの言葉のシャワーを浴びることが、言葉の蓄積に繋がります。
2. 「オウム返し+α」スイッチ
子どもが「ブーブー」と言ったら、「そうだね、赤いブーブーだね」と、少しだけ情報をプラスして返してあげましょう。子どもは「自分の言葉が伝わった」という喜びを感じ、新しい言葉を吸収していきます。
3. 「先回りしない」スイッチ
子どもが指を差しただけで、親が「はい、お茶ね」とすぐに渡してしまうと、子どもは言葉で伝える必要性を感じません。少しだけ「待って」みて、「なあに?お茶がほしいの?」と、子どもが言葉を発する「間」を作ってあげましょう。
4. 「絵本の読み聞かせ」スイッチ
絵本の読み聞かせは、言葉の発達に非常に良い影響を与えます。親の膝の上で、温かい声を聞きながら、新しい言葉や表現に触れる時間は、子どもの心を豊かにし、言葉の世界を広げてくれます。
まとめ:焦らず、その子のペースを信じてあげよう
子どもの言葉の発達は、一人ひとり違って当たり前です。周りと比べて焦る気持ちは、ぐっとこらえましょう。
親がすべきことは、言葉を「教える」ことではなく、子どもが「話したい!」と思えるような、温かく楽しいコミュニケーションの機会をたくさん作ってあげることです。
もちろん、検診で指摘されたり、どうしても不安が拭えなかったりする場合は、専門機関(保健センターや小児科、言葉の教室など)に相談することも大切です。でも、まずは目の前のお子さんとの対話を、心から楽しんでみてくださいね。