「ママ、抱っこ…」赤ちゃんを抱いてる時に限って、なぜ?

生まれたばかりの赤ちゃんを、ようやく寝かしつけた瞬間。
そーっとベッドに置こうとしたその時、上の子が駆け寄ってきて、

「ママ、抱っこして!」

可愛い我が子のはずなのに、心の底から「…今じゃないでしょ!」と思ってしまう。
そして、そんな自分に、猛烈に自己嫌悪…。

その気持ち、痛いほど、痛いほどわかります。

こんにちは!高校生から小学生まで、3人の娘を育ててきた現役ママナースの皐月です。
私も、二人目、三人目を産むたびに、上の子たちの「赤ちゃん返り」に悩まされてきました。

特に、次女が生まれ、当時イヤイヤ期真っ只中だった長女の赤ちゃん返りは、本当に壮絶でした…。

でも、安心してください。

結論:赤ちゃん返りは、上の子があなたからの愛情を再確認しようとしている、健気で切実な「SOSサイン」。そして、そのサインに正しく応えてあげれば、兄弟の絆は、もっともっと強くなります。

この記事では、私の3人分の経験と、看護師としての知識を総動員して、

  • 【実録】我が家の赤ちゃん返り体験談
  • 妊娠中からできる!「心のワクチン」チェックリスト
  • 産後に効く!上の子の心が満たされる魔法の習慣3選
  • 【最重要】ママ一人で抱えない!パパを「戦友」にする方法

を、具体的にお伝えします。
この記事を読めば、上の子へのイライラが「愛おしさ」に変わり、家族みんなで、新しい毎日を笑顔でスタートできますよ。

なぜ?赤ちゃん返りの裏に隠された、上の子の切実な本音

赤ちゃん返りは、決して「わがまま」や「意地悪」ではありません。
その行動の裏には、「ママの愛情を失うかもしれない」という、子どもにとっての世界が終わるレベルの恐怖が隠れています。

  • 急におっぱいを欲しがる
  • 抱っこをせがむ
  • わざと、お漏らしをする
  • 乱暴な言葉を使う

これらの行動はすべて、「赤ちゃんのように振る舞えば、また昔みたいに、ママは私のことだけを見てくれるかもしれない」という、切ない期待の表れなのです。

【妊娠中から】上の子の心を安定させる「心のワクチン」準備リスト

赤ちゃん返りを予防する鍵は、赤ちゃんが生まれる前、ママのお腹の中にいるうちからの関わりにあります。

  • [ ] 赤ちゃんの存在を「仲間が増える」と伝える

    • 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)になるんだから」は禁句!「〇〇(上の子の名前)のことが大好きだから、家族がもう一人増えたら、もっと楽しいね!」と、あくまで上の子が主役であることを伝えましょう。
  • [ ] エコー写真を一緒に見る

    • 「これが、〇〇の弟(妹)だよ。〇〇に会いたがってるって」と、お腹の中にいる時から、人格を持った一人の「家族」として紹介してあげましょう。
  • [ ] 1日10分、上の子だけの「特別タイム」を作る

    • スマホを置き、テレビを消し、ただその子のためだけに使う時間。ぎゅーっと抱きしめて「大好きだよ」と伝える。この時間が、子どもの心の「安全基地」になります。
  • [ ] 赤ちゃん準備の「隊長」に任命する

    • 「赤ちゃんのお洋服、どっちの色が似合うかな?」と、上の子に「選ばせて」あげましょう。自分が準備に参加することで、「迎える側」としての自覚が芽生えます。

【産後に効く】「あなたが一番」が伝わる魔法の習慣3選

いよいよ、赤ちゃんが家族の一員に。ここからの関わりが、とても重要です。

魔法の習慣1:再会の瞬間は、上の子を最優先!

退院して家に帰ってきた時。赤ちゃんを抱っこしたまま「ただいま」はNG!
可能であれば、赤ちゃんはパパに預け、ママは両手を広げて、まず上の子を全力で抱きしめてください。

「会いたかったよー!お留守番ありがとう。世界で一番大好きだよ!」

この数秒が、「ママは、帰ってきて一番に、私のことを見てくれた」という、何にも代えがたい安心感を上の子に与えます。

魔法の習慣2:「〇〇お兄ちゃん(お姉ちゃん)、助けて!」

「おむつ、取ってくれる?」「ガーゼ、持ってきてくれる?」
ポイントは「やって」と命令するのではなく、「助けて!」と頼ること。

そして、やってくれたら、「ありがとう!さすが、〇〇お兄ちゃん!ママ、すっごく助かっちゃった!」と、アカデミー賞主演女優賞ばりの演技力で、大げさに感謝を伝えましょう。

誰かの役に立つ喜びは、上の子を「ライバル」から「頼れるパートナー」へと変身させます。

魔法の習慣3:授乳タイムを「上の子の独占タイム」に

赤ちゃんに授乳している時間は、上の子にとっては「ママを取られている」と感じやすい時間。この時間を、逆転の発想で、上の子との特別なコミュニケーションタイムにしてしまいましょう。

隣に座らせて、背中を撫でながら、二人だけの好きな絵本を読んだり、特別なDVDを見たり。「赤ちゃんがおっぱいを飲んでいるこの時間は、〇〇くん(ちゃん)を独り占めできる時間だよ」と、スペシャルな時間にしてあげるのです。

【最重要】ママ一人で抱えない!パパを「戦友」にする方法

産後のママは、心身ともにボロボロの状態。一人で頑張る必要は全くありません。

  • パパに「上の子係」を任命する
    ママが赤ちゃんのお世話をしている間、パパは上の子と全力で遊ぶ、お風呂に入れる、など、役割を明確に分担しましょう。

  • 上の子を褒める役は、パパが担う
    「お兄ちゃんになった途端、しっかりしたなぁ!」「いつも我慢してくれて、えらいなぁ」と、パパが上の子の頑張りを具体的に褒めてあげることで、上の子の承認欲求が満たされます。

  • 夫婦で「お疲れ様」と言い合う
    お互いの頑張りをねぎらいましょう。「今日も一日お疲れ様」その一言があるだけで、孤独な戦いが「チーム戦」に変わります。

まとめ:愛情は、分け合うものではなく、増えていくもの

二人目を迎えることは、親の愛情が半分になることではありません。

愛情は、分け合うものではなく、家族が増えるたびに、どんどん大きく、豊かに、増えていくものです。

そのことを、親であるあなたが、自信を持って、上の子に伝え続けてあげてください。あなたのその温かい眼差しと工夫が、世界で一番素敵な、お兄ちゃん・お姉ちゃんを育てるのです。