「ママ、お腹が痛い…」
遊びの途中で、急にうずくまるわが子。
夜中に突然、お腹の痛みを訴えて泣き出すわが子。
親として、子どもの「お腹が痛い」という言葉ほど、心配になるものはありませんよね。
「ただの食べ過ぎ?」「便秘かな?」「もしかして、何か大変な病気だったらどうしよう…」
そんな不安と疑問で、頭の中がぐるぐるしてしまうのは当然のことです。
こんにちは!小児科での勤務経験もあり、3人の娘の子育ての中で、数えきれないほどの腹痛と向き合ってきた、現役ママナースの皐月です。
子どもの腹痛は、ほとんどの場合、心配いらないものです。でも、ごく稀に、緊急性の高い病気が隠れていることもあります。大切なのは、親であるあなたが、その痛みが「大丈夫な痛み」なのか、「すぐに病院に行くべき痛み」なのかを見極める知識を持つこと です。
この記事では、そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、子どもの「お腹が痛い」という訴えから、痛みの場所で原因を見分けるポイント、家庭でできる対処法、そして見逃してはいけない危険なサインと病院に行くべき目安を、私の経験を交えながら、どこよりも分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- 子どものお腹の痛みが「どこが痛いか」でわかる原因
- 「すぐに病院へ!」見逃してはいけない危険なサイン
- 危険なサインがなければ、家庭でできる安心対処法
- 親の「おかしいな」という直感が、命を救う理由
もう「どうしよう」と立ち尽くす必要はありません。お子さんの健康を守る知識を、今、身につけましょう。
「ママ、お腹が痛い…」その痛みの場所で原因を見極める!
子どもが「お腹が痛い」と訴える時、痛みの場所によって、考えられる原因が異なります。まずは、お子さんに「どこが痛い?」と優しく聞いて、指で指してもらいましょう。
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【結論】痛みの場所と特徴で、緊急度を判断するヒントが見つかります。
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へその周り(お腹全体)が痛い場合
- 考えられる原因: 便秘、胃腸炎、食べ過ぎ、ストレスなど、比較的軽症の場合が多いです。
- 特徴: 痛みが移動したり、波があったりすることが多いです。うんちが出ると楽になることもあります。
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右下腹部が痛い場合
- 考えられる原因: 虫垂炎(盲腸)、便秘、リンパ節炎など。虫垂炎の場合は、緊急性が高いので注意が必要です。
- 特徴: 痛みが徐々に強くなり、右下腹部に集中することが多いです。発熱や嘔吐を伴うこともあります。
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左下腹部が痛い場合
- 考えられる原因: 便秘、過敏性腸症候群など。便秘の場合が多いです。
- 特徴: 痛みが持続したり、排便後に楽になったりすることがあります。
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みぞおち(上腹部)が痛い場合
- 考えられる原因: 胃腸炎、ストレス、食べ過ぎなど。胃の不調の場合が多いです。
- 特徴: 食後に痛みが強くなったり、吐き気を伴ったりすることがあります。
<皐月のひとこと>
我が家の娘がお腹が痛いと訴えた時、まずは「どこが痛い?」と聞いて、指で指してもらうようにしています。そして、「どんな風に痛い?キリキリ?ズキズキ?」と、痛みの種類も聞くようにしています。子どもが言葉で表現できない場合は、お腹を優しく触って、硬さや熱さ、痛がる場所を確認するようにしています。
【見逃さないで!】すぐに病院へ行くべき危険なサイン
ほとんどの腹痛は心配いりませんが、中には緊急性の高い病気が隠れていることもあります。以下のサインが見られたら、迷わず医療機関を受診しましょう。緊急性が高い場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。
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【結論】痛みが強い・続く、嘔吐・下痢がひどい、ぐったりしている場合は、すぐに病院へ!
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- 痛みがどんどん強くなる、または痛みが持続する
- 嘔吐を繰り返す、緑色の嘔吐物
- 血便、黒い便、白い便
- 高熱を伴う
- ぐったりしている、顔色が悪い、元気がない
- お腹がパンパンに張っている
- 男の子の場合、陰嚢(いんのう)の痛み
危険なサインがなければ、まずは家庭でできる対処法
上記の危険なサインがなく、お子さんが比較的元気な場合は、まずは家庭で様子を見ながら対処しましょう。
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【結論】安静にして、お腹を温め、水分補給を。無理に食べさせないで。
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- 安静にする: 無理に動かさず、楽な姿勢で休ませましょう。横になるだけでも、痛みが和らぐことがあります。
- お腹を温める: 温かいタオルや湯たんぽなどで、お腹を優しく温めてあげると、痛みが和らぐことがあります。ただし、痛みが強まる場合はすぐに中止してください。
- 水分補給: 脱水にならないよう、こまめに水分を摂らせましょう。経口補水液や、薄めたお茶などがおすすめです。
- 食事: 消化の良いものを少量ずつ与えましょう。無理に食べさせる必要はありません。食欲がない時は、無理に食べさせず、水分補給を優先してください。
- お腹のマッサージ: お腹を「の」の字に優しくマッサージしてあげると、腸の動きが活発になり、便秘が原因の腹痛であれば楽になることがあります。
まとめ:子どもの腹痛は、親の「観察力」が命を救う鍵
子どもの腹痛は、親にとって心配の種ですが、ほとんどの場合、心配いらないものです。大切なのは、親が子どもの様子をよく観察し、危険なサインを見逃さないことです。
あなたの「おかしいな」という直感は、何よりも大切なサインです。不安な時は、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談してくださいね。
このガイドが、あなたと、あなたの大切なお子さんの健康を守る一助となれば幸いです。
