生後9ヶ月

【生後9ヶ月の喃語】「あーあー」しか言わない?大丈夫!言葉の発達を促す関わり方

【生後9ヶ月】喃語が「あーあー」だけ…これって普通?

「うちの子、もう9ヶ月なのに、喃語が『あー』とか『うー』ばっかり…」
「同じ月齢の子は『まんま』とか言ってるのに、うちの子はまだ宇宙語。もしかして、言葉が遅れてる?」

赤ちゃんの成長は、周りの子とつい比べてしまいがちですよね。特に「言葉」の発達は、目に見えにくいからこそ、不安に感じてしまうママも多いのではないでしょうか。

私も3姉妹を育ててきましたが、一人ひとり発達のペースは全然違って、当時は「これでいいのかな?」と何度も育児書を読み返したものです。現役の看護師としても、たくさんのママから同じような相談を受けます。

でも、安心してください。生後9ヶ月の時点で、喃語の種類が少なかったり、「あーあー」「うーうー」といった母音が中心だったりするのは、決して珍しいことではありません。

この記事では、生後9ヶ月の赤ちゃんにとっての「喃語」が持つ意味と、言葉の発達のメカニズム、そして、赤ちゃんの「おしゃべりしたい!」という気持ちをグングン引き出す、具体的な関わり方のコツを、ママナースの視点から詳しくお話しします。

まず知っておきたい、生後9ヶ月の「言葉」の発達段階

この時期の赤ちゃんは、言葉を話すための準備段階の、まさに真っ最中です。口や舌の動かし方を練習したり、色々な音を出す実験をしたりしています。

  • 喃語のバリエーション: 「ばぶばぶ」「まんまんま」のような、子音と母音が組み合わさった**「反復喃語」を話す子が増えてくる時期です。しかし、これはあくまで平均的な目安。まだ「あー」「うー」といった「クーイング」に近い喃語**が中心の赤ちゃんも、たくさんいます。
  • 大人の真似が大好き: ママやパパの口の動きをじーっと見つめたり、話しかけた言葉のイントネーション(抑揚)を真似しようとしたりします。言葉の意味はまだ分からなくても、「コミュニケーションって楽しいな」という気持ちが芽生え始める、とても大切な時期です。
  • 言葉の理解が先行: 実は、言葉を「話す」能力よりも、「理解する」能力の方が先に発達します。「バイバイは?」と言うと手を振ったり、「ママはどっち?」と聞くとママの方を見たり。もし、こういった反応が見られるなら、赤ちゃんの中では着実に言葉が蓄積されていますよ。

「うちの子、大丈夫?」心配になった時のチェックポイント

個人差が大きいと分かっていても、心配になってしまうのが親心ですよね。発達の目安として、言葉そのものよりも、以下の3つのポイントをチェックしてみてください。

  1. 音への反応: 後ろから名前を呼んだ時に、振り向こうとしますか?おもちゃの音や生活音に、気づいたような反応を見せますか?(聴力が正常に発達しているかのサインです)
  2. コミュニケーションの意欲: ママやパパに、何かを伝えようとしていますか?(声を出したり、指をさしたり、視線を送ったり)
  3. 模倣の様子: 大人の表情や身振りを真似しようとしますか?(「ばぁ!」と言うと、笑ってくれたり)

もし、これらの反応が全体的に乏しいと感じたり、どうしても不安が拭えなかったりする場合は、一人で抱え込まず、地域の保健センターや小児科で相談してみましょう。専門家の「大丈夫ですよ」の一言が、何よりの安心材料になることもありますからね。

赤ちゃんの「話したい!」を引き出す、魔法の関わり方

赤ちゃんの言葉の発達は、ママやパパとの楽しいコミュニケーションの中で、自然と促されていきます。今日からできる、簡単なコツをご紹介しますね。

1. 「実況中継」でおしゃべりのシャワーを浴びせよう

特別なことをする必要はありません。「オムツ替えようね、スッキリするね」「お外は雨が降ってるね、ザーザーだね」というように、ママが見ているもの、やっていることを、ただただ実況中継してあげるだけでいいんです。赤ちゃんは、たくさんの言葉のシャワーを浴びることで、自然と日本語のリズムや音をインプットしていきます。

2. 赤ちゃんの「宇宙語」を全力でオウム返し!

赤ちゃんが「あー、あー!」と言ったら、ママも笑顔で「ほんと、あーあーだねぇ!」と、同じトーンで返してあげましょう。赤ちゃんは、「自分の声に反応してくれた!」と感じ、コミュニケーションの楽しさを覚えます。これが、「もっと伝えたい」という意欲に繋がるんです。

3. 擬音語・擬態語の宝庫!絵本の読み聞かせ

絵本は、言葉の発達の最高の教材です。「ワンワン」「ブーブー」「ふわふわ」「キラキラ」など、赤ちゃんが真似しやすい、リズミカルな言葉がたくさん詰まっています。内容を理解できなくても大丈夫。ママの優しい声と、カラフルな絵が、赤ちゃんの脳を楽しく刺激してくれます。

4. お歌や手遊びで、体ごと楽しもう

「むすんでひらいて」や「とんとんとんとんひげじいさん」など、昔ながらの手遊び歌は、言葉と体の動きが連動していて、赤ちゃんが大好きです。一緒に体を動かしながら歌うことで、言葉がより記憶に残りやすくなります。

まとめ:焦らないで、赤ちゃんのペースを信じてあげて

生後9ヶ月の喃語は、本当に個人差が大きいものです。周りの子と比べて焦る必要は全くありません。

大切なのは、赤ちゃんが安心して、楽しくおしゃべりの練習ができる環境を、ママとパパが作ってあげることです。

「あーあー」しか言わなくても、それは赤ちゃんが一生懸命、言葉を話す準備をしている証拠。その可愛らしい「宇宙語」の時期も、今だけの宝物です。

ぜひ、赤ちゃんの目を見て、たくさん話しかけ、笑いかけてあげてください。ママの笑顔と優しい声が、赤ちゃんの「話したい」という気持ちを育てる、何よりの栄養になりますよ。応援しています!

「指さし」はいつから?赤ちゃんのコミュニケーション能力を育む親の関わり方

その指先に、想いが宿る。赤ちゃんの「指さし」を見逃さないで!

ある日突然、赤ちゃんが目の前のものに向かって、一生懸命に人差し指を伸ばし始める。この愛らしい仕草こそ、赤ちゃんのコミュニケーション能力における大きな飛躍の瞬間、「指さし」です。

「あっち!」「ワンワン!」まだ言葉は話せなくても、その小さな指先には、「あれが見たい」「あれが欲しい」「あれは何?」といった、たくさんの想いが込められています。この指さしに、親がどう応えるかによって、子どもの言葉の発達や、他者と関わる力は大きく変わってきます。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、赤ちゃんの「指さし」が持つ深い意味と、その大切なサインを見逃さず、子どものコミュニケーション能力を最大限に引き出すための親の関わり方について、詳しく解説します。

「指さし」に隠された3つの意味

赤ちゃんの指さしは、発達段階に応じて、その意味合いが変化していきます。

  1. 自発の指さし(生後9ヶ月頃〜):
    • 赤ちゃんが、自分の興味・関心があるもの(おもちゃ、犬、車など)を、ただ指さす段階です。「見て!」というよりは、「あれはなんだろう?」という、自分自身の興味の確認に近いものです。
  2. 要求の指さし(生後10ヶ月頃〜):
    • 「あれが欲しい」「あそこに行きたい」といった、具体的な要求を伝えるための指さしです。親の顔と指さす対象を交互に見るようになります。
  3. 共感の指さし(1歳頃〜):
    • 「見て!ワンワンがいるよ!」「飛行機だ!」と、見つけたものに対する感動や興奮を、親と分かち合う(共感する)ための指さしです。これは、他者の気持ちを理解する社会性の発達において、非常に重要なステップです。

ママナース直伝!子どもの発達を促す「指さし」への応答術

1. まずは共感!「本当だね」

赤ちゃんが指さしをしたら、まずはその視線の先にあるものを一緒に見て、「本当だね、ワンワンだね」「ブーブー、かっこいいね」と、その気持ちに共感してあげましょう。自分の興味を共有できた喜びが、次のコミュニケーションへの意欲に繋がります。

2. 言葉を添えて、世界を広げる

ただ「そうだね」と応えるだけでなく、「赤いブーブーだね」「ワンワンが走ってるね」など、少しだけ情報を付け加えてあげましょう。これを繰り返すことで、赤ちゃんは物と言葉を結びつけ、語彙を爆発的に増やしていきます。

3. 親からも積極的に指さしをする

お散歩中や絵本を読んでいる時に、「あ、お花が咲いてるね」「ちょうちょさん、こんにちは」など、親からも積極的に指さしをして、赤ちゃんの興味を引き出してあげましょう。親が楽しそうに世界と関わる姿を見せることで、子どもの好奇心はさらに刺激されます。

「指さしをしない」と心配になったら

指さしを始める時期には個人差があります。1歳を過ぎても指さしをしないからといって、すぐに「発達障害では?」と心配する必要はありません。

しかし、もし

  • 親が指さした方向を見ようとしない
  • 目が合いにくい
  • 呼びかけへの反応が薄い
  • 他の子に興味を示さない

といった様子が気になる場合は、一人で抱え込まずに、かかりつけの小児科医や、地域の保健センターなどに相談してみましょう。

まとめ|指さしは、親子の絆を深める魔法のコミュニケーション

たった一本の指から始まるコミュニケーション。それは、赤ちゃんが「自分」という存在から一歩踏み出し、「あなた」と世界を共有しようとする、成長の大きな証です。

その小さな指先が何を伝えようとしているのか、心を寄せて、笑顔で応えてあげてください。そのやり取りの一つひとつが、子どもの言葉と心を豊かに育み、親子の絆をより一層深いものにしてくれるはずです。

魔の9ヶ月!夜泣きが再発する「睡眠の退行」の正体と親ができる乗り越え方

「あんなに朝までぐっすり眠ってくれていたのに、なぜ…?」
「まるで新生児期に逆戻りしたみたい…」

生後9ヶ月頃、それまで順調だった夜の睡眠リズムが、突然、乱れ出すことがあります。夜中に何度も目を覚まし、火がついたように泣き叫ぶ。寝かしつけにも、以前の何倍もの時間がかかる…。

ママやパパは、深刻な睡眠不足と、「何か悪いことでもしただろうか」という不安で、心身ともに追い詰められてしまいますよね。

その現象、もしかしたら**「睡眠の退行(スリープリグレッション)」**かもしれません。

これは、赤ちゃんの成長過程で、一時的に睡眠パターンが崩れる現象のこと。決して、あなたの育て方が悪かったわけでも、赤ちゃんに異常が起きたわけでもありません。むしろ、赤ちゃんが順調に、めまぐるしく成長している証なのです。

この記事では、現役ママナースである私が、

  • なぜ生後9ヶ月に「睡眠の退行」が起こるのか、その3つの理由
  • 暗闇のトンネルを抜けるための、親ができる具体的な対処法
  • 「これだけはやってはダメ!」なNG対応

を、詳しく解説します。

この記事を読めば、終わりの見えない夜泣きへの絶望が、赤ちゃんの成長を喜ぶ前向きな気持ちに変わるはず。そして、この嵐のような時期を、親子で乗り越えるための具体的なヒントが見つかります。

なぜ?「睡眠の退行」が起こる3つの発達的理由

生後9ヶ月という時期は、赤ちゃんにとって、心と体が爆発的に成長する、まさに「激動の時代」です。その急成長が、睡眠に大きな影響を与えています。

1. 脳の発達:睡眠サイクルが、大人に近づいている証拠

赤ちゃんの睡眠は、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返しています。生後9ヶ月頃になると、この睡眠サイクルが、より大人のパターンに近づいてきます。その結果、浅い眠りと深い眠りの切り替えがうまくいかず、眠りが浅くなったタイミングで、ふと目を覚ましてしまうのです。

2. 体の発達:ハイハイ・つかまり立ちが、楽しくて仕方ない!

この時期、多くの赤ちゃんが、ハイハイやずりばい、つかまり立ちをマスターします。日中に経験した、これらの新しい身体的な興奮が、夜になっても冷めやらず、脳を覚醒させてしまうのです。ひどい時には、寝ぼけたまま、ベビーベッドの中でつかまり立ちをして、自分で自分の状況に驚いて泣き出す、なんてこともあります。

3. 心の発達:「ママはどこ?」分離不安の高まり

ママやパパが、自分にとって特別な存在であることを、はっきりと認識し始めます。その結果、「ママがいないと不安」という**「分離不安」**が強くなります。夜中にふと目を覚ました時、隣にママの気配がないことに気づき、不安で泣き出してしまうのです。また、日中の後追いが激しくなるのも、この時期の特徴です。

嵐を乗り切る!親ができる具体的な対処法

この大変な時期を乗り切るために、親ができることは何でしょうか。

1. まずは「成長の証」と、おおらかに捉える

一番大切なのは、親が「これは、この子が順調に成長している証拠なんだ」と、前向きに捉えることです。「またか…」とため息をつくのではなく、「おお、脳が発達してるな」「つかまり立ちの練習、えらいぞ」と、心の中で実況中継するくらいの余裕を持つと、少しだけ気持ちが楽になります。

2. 日中の活動量を増やす

有り余るエネルギーを、日中にしっかり発散させてあげましょう。天気の良い日は、公園で思いっきりハイハイさせたり、児童館などで他の赤ちゃんと触れ合わせたりするのも良い刺激になります。体を動かして、心地よい疲れを感じさせることが、夜の深い眠りに繋がります。

3. 寝る前の「入眠儀式」を、より丁寧に

これまで行ってきた入眠儀式(ねんねルーティン)を、いつもより少しだけ丁寧に、時間をかけて行いましょう。

  • 部屋を暗くして、静かな音楽をかける。
  • 絵本を読む時間を、少しだけ長くする。
  • ベビーマッサージで、優しく肌と肌で触れ合う。

「これから、安心して眠る時間だよ」というメッセージを、赤ちゃんに根気強く伝えてあげることが大切です。

4. 安全な睡眠環境を再確認する

つかまり立ちを始めた赤ちゃんは、ベビーベッドの柵に頭をぶつけたり、思わぬものを踏み台にして乗り越えようとしたりする危険性があります。ベッドの周りに、余計なクッションやおもちゃなどを置かないようにし、安全な環境が保たれているか、今一度、確認しましょう。

これだけはNG!やってはいけない対応

良かれと思ってやったことが、かえって夜泣きを長引かせてしまうことがあります。

  • すぐに抱き上げる、授乳する: 赤ちゃんが少しでもぐずった瞬間に、すぐに抱き上げたり、おっぱいをあげたりするのはNGです。「泣けば、すぐに抱っこしてもらえる」「お腹が空いていなくても、おっぱいがもらえる」と学習してしまい、夜中に目を覚ます癖がついてしまいます。まずは数分、トントンや声かけで様子を見てみましょう。
  • 生活リズムを大きく変える: この時期を乗り切るために、お昼寝の時間を極端に減らしたり、就寝時間を大幅にずらしたりするのは、かえって生活リズムを崩す原因になります。これまで通りの、一貫した生活リズムを保つことが重要です。

まとめ:トンネルの出口は、必ずある

魔の9ヶ月の「睡眠の退行」は、親にとって、本当に過酷な時期です。

  • 原因は、赤ちゃんの脳・体・心の急成長にあると理解する。
  • 日中にしっかり活動させ、寝る前の入眠儀式を丁寧に行う。
  • 安易な抱っこや授乳に頼らず、一貫した対応を心がける。

この現象は、通常、2週間から6週間ほどで、自然と落ち着いてくると言われています。そう、必ず、終わりは来るのです。

今は、暗くて長いトンネルの中にいるように感じるかもしれません。でも、その先には、また一回り大きく成長した、我が子の輝く笑顔が待っています。

一人で抱え込まず、パートナーと協力し、時には周りのサポートも得ながら、この成長の嵐を乗り切ってください。応援しています。