「ママ、あのね…」その言葉、あなたは、ちゃんと聞いてあげていますか?

朝、バタバタと家事をしている時。
夕食の準備で、手が離せない時。
あなたは、子どもが「ママ、あのね」と話しかけてきた時、つい、こう言ってしまっていませんか?

「後でね」
「今、忙しいから」
「ちょっと待ってて」

そのたびに、子どもの、寂しそうな顔を見て、「あーあ、また言っちゃった…」と、自己嫌悪に陥る。
「でも、本当に忙しいんだもん…」
「いちいち聞いてたら、何も終わらないし…」
そんな不安に、押しつぶされそうになる日もありました。

3姉妹の母である私も、かつては、この「あのね問題」に、頭を悩ませてきました。

でも、ナースとして、そして、母として、たくさんの子どもたちと接してきた中で、私は、あることに気づいたんです。

それは、その「あのね」に、子どもの全部が詰まっている、ということ。
そして、その「あのね」を大切にすることが、子どもの心を育む上で、何よりも大切だ、と。

今日は、そんな、「ママ、あのね」を後回しにしてしまいがちなママへ。
子どもの心を育むための、3つのヒントについて、お話しさせてください。

なぜ「ママ、あのね」を後回しにしてしまうのか?それは「忙しさ」と「心の余裕のなさ」

まず、知っておいてほしいこと。
それは、あなたが子どもの「あのね」を後回しにしてしまうのは、決して、あなたが悪いからではありません。
そこには、明確な理由があります。

  • 忙しさ:家事や育児、仕事に追われ、ゆっくりと子どもの話を聞く時間がない。
  • 心の余裕のなさ:心身ともに疲れていると、子どもの話に、優しく耳を傾ける余裕がなくなる。

これらの要因が、複雑に絡み合い、ママの心を、深く傷つけてしまうのです。

その「あのね」に、子どもの全部が詰まってる。それは「承認欲求」と「成長の証」

では、その「あのね」に、子どもの何が詰まっているのでしょうか。

  • 「承認欲求」:子どもが「あのね」と話しかけるのは、親に自分の話を聞いてほしい、認めてほしいという「承認欲求」の表れです。
  • 「成長の証」:自分の気持ちや、今日あった出来事を、言葉で伝えようとする「成長の証」でもあります。

子どもは、親に話を聞いてもらうことで、

  • 「自分は、ママに大切にされている」
  • 「自分の話は、ママにとって価値がある」
  • 「自分は、ママに認められている」

と感じ、自己肯定感を高めます。
この「あのね」を大切にすることが、子どもの心を豊かに育む上で、何よりも大切なのです。

子どもの心を育む!「あのね」を大切にする3つのヒント

では、どうすれば、私たちは、子どもの「あのね」を大切にし、心を育んであげられるのでしょうか。

ヒント1:「5秒ルール」で、全力で向き合う

どんなに忙しくても、子どもが「ママ、あのね」と話しかけてきたら、5秒間、手を止めて、目を見て、全力で向き合うことを意識してみてください。
「どうしたの?」「ママ、ちゃんと聞いているよ」
と、短い言葉でもいいので、子どもの気持ちに寄り添ってあげましょう。
たった5秒でも、子どもにとっては、「ママが、私のことを見てくれた!」という、大きな満足感に繋がります。

ヒント2:「共感」と「受容」の姿勢。子どもの感情を否定しない

子どもの話に耳を傾け、感情を否定せず受け止めることが大切です。
「そんなことくらいで、泣かないの!」
「そんなこと、どうでもいいでしょ!」
といった言葉は、子どもの心を深く傷つけ、自分の気持ちを表現することを諦めさせてしまいます。

「そうなんだね」「そういう気持ちになるよね」「辛かったね」
と、子どもの感情を、ありのままに受け止めてあげることで、子どもは、「ママは、私のことを理解してくれている」と感じ、安心感を得られます。

ヒント3:「短い時間でも、質を重視する」

長時間話を聞けなくても、短い時間でも、真剣に話を聞くことを意識しましょう。
「今、ちょっと手が離せないから、5分だけ話を聞かせてくれる?」
「この家事が終わったら、ゆっくり話を聞くから、それまで待っててくれる?」
と、子どもに伝えて、約束を守ることも大切です。
短い時間でも、親が真剣に話を聞いてくれることで、子どもは、「ママは、私の話を大切にしてくれている」と感じます。

親も「完璧な親」を手放す勇気を持つ

親自身も、完璧な親を目指すのではなく、自分を労わり、休息を取る心の余裕を持つことが大切です。
「完璧な親」を目指すあまり、子どもに過度な期待を押し付けたり、自分を追い詰めてしまったりしていませんか?

  • たまには、家事が手抜きでも、大丈夫。
  • たまには、子どもとゆっくり過ごせなくても、大丈夫。

親が「完璧」を手放すことで、子どもも、失敗を恐れず、新しいことに挑戦できるようになります。

子どもの心を豊かに育むために

「ママ、あのね」を後回しにしないで。
その「あのね」に、子どもの全部が詰まっています。

親は、子どもの「あのね」を大切にし、承認欲求を満たし、成長を促すこと。
それが、子どもの心を豊かに育むための、最も大切なことです。
そして、ママの笑顔は、子どもにとって、最高の贈り物になります。

どうか、あなたの笑顔を、大切にしてください。
あなたは、一人じゃない。
そして、あなたは、最高のママです。