「なんだか今日、ずっとご機嫌ななめだな…」
「台風が近づいてきてから、やけに泣き続ける…」

理由がわからない赤ちゃんの不機嫌や夜泣きに、途方に暮れてしまうこと、ありますよね。ミルクでもない、オムツでもない、抱っこしても反り返って泣き止まない…。そんな時、ママやパパは自分を責めてしまいがちです。

でも、ちょっと待ってください。その不調、もしかしたら**「天気」**のせいかもしれません。

3姉妹の母であり現役ナースの私も、我が子が赤ちゃんの頃、同じ経験をしました。「天気痛」は、決して大人だけの症状ではないんです。

赤ちゃんにもある「天気痛」って?

天気痛とは、気圧の急激な変化によって引き起こされる様々な体調不良のことです。

私たちの体は、周りの空気から常に圧力を受けています。気圧が下がると、この圧力が弱まり、体の中から外へ向かう力が相対的に強くなります。

この変化に体が対応しようとして、自律神経が混乱。頭痛やめまい、古傷の痛みなどを引き起こすと考えられています。

まだ言葉を話せない赤ちゃんは、「頭が痛いよ」「なんだか気持ち悪いよ」と伝えることができません。その不快感を、「泣く」という方法でしか表現できないのです。

「天気痛かも?」と思った時に、親ができること

「もしかして、この子の不機嫌は天気痛のせい?」
そう気づくだけで、親の心は少し楽になります。「私が何か悪いことをしたわけじゃないんだ」と思えるからです。

その上で、赤ちゃんにしてあげられることは、実はとてもシンプルです。

1. 優しく耳のマッサージ

天気痛は、内耳(ないじ)が気圧の変化を敏感に察知することで起こるとも言われています。

赤ちゃんの耳を、指で優しくつまんで、ゆっくり回したり、軽く引っ張ったりして、耳の周りの血行を良くしてあげましょう。リラックス効果も期待できます。

2. とにかく、抱っこしてあげる

特効薬はありません。赤ちゃんが感じているであろう不快感を、「辛いね、大丈夫だよ」と、ただただ受け止めてあげることが一番の薬になります。

ぴったりと抱きしめて、背中をトントンしたり、ゆっくり部屋の中を歩いたり…。ママやパパの心臓の音や温もりは、赤ちゃんにとって最高の安心材料です。

3. 「諦める」という名の、最高の育児

何をやっても泣き止まない日。そんな日があってもいいんです。

「今日は気圧のせい!しょうがない!」

そう声に出して言ってみましょう。そして、家事やその他の「やるべきこと」は、一旦諦めて、赤ちゃんと一緒にゴロゴロ過ごす。

完璧な育児なんて、どこにもありません。赤ちゃんの辛さに寄り添い、ママ自身も自分を追い詰めないこと。それこそが、嵐のような一日を乗り切る、最高の「育児術」なのかもしれません。

台風の夜、泣き声に疲れたら、どうかこの話を思い出してください。あなたは一人じゃありません。