「で、どう思ったの?」「…別に」この無限ループ、やめませんか?
夏休みのリビングに響き渡る、親子の不毛な会話。
「本、読み終わったの?で、どう思った?」
「…別に。面白かった」
「面白かった、だけじゃ感想文は書けないでしょ!」
そして、親子でうんざりしながら、結局あらすじをなぞるだけの「作業」が始まる…。
毎年、夏休みの終わりに繰り返されるこの光景に、頭を抱えているママ・パパ、多いのではないでしょうか。
こんにちは!高校生から小学生まで、3人の娘たちの読書感想文と戦い続けてきた、現役ママナースの皐月です。
何を隠そう、私も昔は「感想文はこう書くべき!」と型にはめようとして、娘たちを本嫌いにさせかけた大失敗経験者です。
でも、ある時から、私が子どもに問いかける「質問」を変えただけで、驚くほどスラスラと、その子自身の言葉で感想を語り始めてくれるようになったんです。
結論:読書感想文が書けないのは、子どもの能力の問題ではありません。それは、親が、子どもの心の中にある「感想の原石」を掘り出すための、「正しい質問」を知らないだけなのです。
この記事では、
- そもそも、なぜ子どもは感想文が書けないのか?
- 【コピペで使える】感想が溢れ出す!魔法の質問術7選
- 【ママナースの視点】読書が、子どもの「心の聴診器」を育てる
- 【最終手段】どうしても書けない時の、裏ワザ
を、具体的にお伝えします。
この記事を読めば、読書感想文が「苦行」から、親子の対話を深める「楽しいイベント」に変わりますよ!
なぜ?うちの子が「面白かった」の先へ進めない理由
子どもが感想文を書けないのは、決して国語が苦手だから、というわけではありません。理由は、もっとシンプルです。
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「感想」を表現する言葉を知らない
大人は「感動した」「考えさせられた」など、感情を表現する言葉の引き出しを持っています。しかし、子どもはまだその引き出しが少ないだけ。「面白かった」という言葉に、実は「ドキドキした」「悲しかった」「嬉しかった」など、色々な感情が隠れています。 -
「何を書けばいいか」が分からない
「感想を書きなさい」という指示は、「美味しいもの作って」と言うくらい、漠然としています。子どもは、感想文に「何を書くべきか」という、具体的な材料を持っていないのです。 -
「正解」を求めすぎている
「立派なことを書かなきゃ」「先生に褒められる感想文を…」と、無意識に「正解」を探してしまい、自分の素直な気持ちを表現できなくなっています。
【コピペOK】これを読めばOK!感想が溢れ出す「魔法の質問術」7選
本を読み終わったお子さんに、ただ「どうだった?」と聞くのはもうやめましょう。
代わりに、以下の質問を、一つか二つ、優しく投げかけてみてください。ポイントは、親は聞き役に徹し、絶対に否定しないことです。
魔法の質問1:「この本の表紙、色を変えるとしたら、何色にする?」
- 効果: 本全体のイメージを、直感的に捉える練習になります。「悲しい話だったから、青かな」「ワクワクしたから、オレンジ!」など、その子が感じた「テーマカラー」が分かります。
魔法の質問2:「一番『えーっ!』って驚いた(ドキドキした)場面はどこ?」
- 効果: 物語の中で、最も心が動いた「ピーク」を特定できます。感想文の、一番のクライマックスになる部分です。
魔法の質問3:「もし、主人公の親友だったら、なんて声をかけてあげる?」
- 効果: 物語を「自分ごと」として捉え、登場人物に共感する力を引き出します。「頑張ったね」「一人じゃないよ」など、子どもの優しい気持ちが溢れ出てきます。
魔法の質問4:「この登場人物と、一日だけ入れ替われるとしたら、誰になって何をする?」
- 効果: 登場人物への憧れや、自分との共通点・相違点に気づかせることができます。「空を飛んでみたい」「魔法を使って、みんなを助けたい」など、子どもの願望も見えてきます。
魔法の質問5:「この本の中で、一番『ずるい!』『ひどい!』と思ったのは誰のどの行動?」
- 効果: ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情にも焦点を当てることで、物語を多角的に見る練習になります。子どもの「正義感」や「倫理観」が垣間見えます。
魔法の質問6:「もし、作者が、この続きの話を書くとしたら、どんな話になると思う?」
- 効果: 物語の結末の、さらに先を想像させ、創造力を刺激します。自分なりの「続編」を考えることで、物語への理解が深まります。
魔法の質問7:「この本に、自分で新しいタイトルをつけるとしたら、どんな名前にする?」
- 効果: 物語のテーマや、作者が一番伝えたかったことは何かを、子どもなりに要約する力が養われます。秀逸なタイトルが生まれることも!
【ママナースの視点】読書は、最高の「心の聴診器」
看護師の仕事は、患者さんの言葉にならない声に耳を傾け、その痛みに寄り添うことから始まります。
読書は、まさにその訓練に他なりません。
物語の登場人物の気持ちを想像し、「なぜこの人は、こんな行動をしたんだろう?」と考える。それは、他人の心を「聴診」する、最高のトレーニングです。
読書感想文は、国語の成績のためだけにあるのではありません。人の痛みが分かる、優しい大人になるための、大切な心の栄養なのです。
まとめ:感想文は「書く」のではなく「話したこと」をまとめるだけ
魔法の質問で、お子さんの心の中にある「感想の原石」は、見つかりましたか?
そうしたら、あとは簡単。
お子さんが話してくれた言葉を、親がメモし、それを順番に並べ替えてあげるだけです。
「〇〇という本を読みました。私が一番ドキドキしたのは、△△の場面です。なぜなら…」
それだけで、世界に一つだけの、立派な読書感想文の完成です。
「書く」ことから始めるのではなく、「話す」ことから始める。ぜひ、試してみてくださいね。
