「あんなに可愛かったはずなのに…」上の子にイライラしてしまう、罪悪感との戦い
二人目の赤ちゃんが生まれ、幸せは二倍になるはずだった。
それなのに…
- 赤ちゃん返りして、わざと困らせる上の子に、愛情よりも苛立ちを感じてしまう。
- 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)でしょ」と、つい上の子にばかり我慢をさせてしまう。
- か弱くて可愛い新生児と比べて、「上の子、こんなに大きかったっけ…」と、突き放している自分がいる。
そんな自分に気づくたび、「私はなんてひどい母親なんだろう」と、深い罪悪感に苛まれていませんか?
その感情は、あなたが母親失格だからではありません。それは、多くの二人目ママが経験する、**「二人目の壁」そして「上の子可愛くない症候群」**と呼ばれる、ごく自然な心の葛藤なのです。
この記事では、かつて同じ壁にぶつかり、涙した先輩ママである私が、その苦しみの正体と、誰にも言えなかった罪悪感から抜け出すための、具体的な心の処方箋をお伝えします。
なぜ起こる?「二人目の壁」の正体とは
この苦しみは、いくつかの要因が複雑に絡み合って生まれます。
- ママの心身の限界: 産後のボロボロの体に、待ったなしの二人育児。睡眠不足と疲労は、心の余裕を根こそぎ奪っていきます。
- 上の子の「赤ちゃん返り」: ママの愛情が、すべて下の赤ちゃんに奪われたように感じ、上の子は必死に気を引こうとします。その行動が、心身ともに限界のママのイライラを増幅させてしまうのです。
- 「平等に愛さなければ」というプレッシャー: 「きょうだいを平等に愛するべき」という理想と、現実の感情とのギャップに、ママ自身が苦しんでしまいます。
- 夫とのすれ違い: 育児の負担がママに偏り、「私の大変さを分かってくれない」という不満が、夫婦関係の亀裂(産後クライシス)に繋がることも少なくありません。
あなたは一人で、心身の限界、上の子の不安定さ、理想論、そして孤独という、四つの敵と戦っているのです。苦しくないはずがありません。
私が「二人目の壁」を乗り越えるために実践した3つのこと
完璧な母親であることを、一度手放してみませんか?
1. 「上の子だけ」との時間を作る(1日10分でいい)
下の子が寝ている間や、パパに見てもらっている間など、ほんの少しの時間で構いません。**「あなたとママ(パパ)だけの、特別な時間」**を作りましょう。
- 一緒に絵本を読む。
- ぎゅーっと抱きしめて、「大好きだよ」と伝える。
- 上の子の好きな遊びに、全力で付き合う。
この「独り占め」の時間が、上の子の心を何よりも満たします。「ママは、自分のことを見てくれている」という安心感が、赤ちゃん返りを和らげ、あなたのイライラも不思議と減らしてくれるはずです。
2. 「上の子、可愛くない」という感情を、まず認める
罪悪感でいっぱいになる、その気持ち。無理に打ち消そうとする必要はありません。
まずは、「ああ、私、今、上の子を可愛いと思えないくらい、疲れてるんだな」と、自分の感情を客観的に認めてあげましょう。
感情に良いも悪いもありません。その感情を認めるだけで、不思議と心は楽になります。信頼できる夫や友人に、「今、こんな気持ちでつらいんだ」と正直に話してみるのも、非常に効果的です。
3. 「完璧な育児」を、やめる
二人育児を、一人で完璧にこなすことなど、誰にもできません。
- 家事を手放す: 食事は、レトルトや宅配サービスに頼ったっていい。掃除は、週末にまとめてやればいい。
- 周りを頼る: 行政の一時保育やファミリーサポート、ベビーシッターなど、使えるサービスはすべて使いましょう。周りを頼ることは、母親の権利です。
- 夫を「戦友」にする: 「手伝う」ではなく、「一緒にやる」という当事者意識を持ってもらうために、具体的に「〇〇をお願い」と、タスクを明確にして頼みましょう。
まとめ:嵐は、必ず過ぎ去る
「上の子可愛くない症候群」は、あなたの愛情が冷めてしまったわけでは決してありません。それは、あなたが、母親として、必死に二人以上の子どもを育てようと奮闘している証なのです。
今は、先が見えない嵐の中にいるように感じるかもしれません。
でも、大丈夫。子どもたちは成長し、ママの心と体も、少しずつ回復していきます。
いつか必ず、「ああ、あんな時期もあったな」と、笑って振り返られる日が来ます。
その日まで、どうか自分を責めすぎないでください。完璧じゃない、今のあなたのままで、十分に素晴らしい母親なのですから。