子どもの寝顔を見ながら、ふと「この子の将来は…」と考えてしまう夜

すやすやと眠る、天使のような我が子の寝顔。
その愛おしい姿を見つめながら、ふと、胸の奥がざわつくことはありませんか?

「うちの子、友達とうまくやっていけるかな」
「勉強につまずいたら、どうしよう」
「この変化の激しい社会で、ちゃんと自立して生きていけるんだろうか…」

子どもの未来を想うからこその、親の愛。
でも、その愛情が、いつしか「不安」という名の重い雲になって、あなたの心を覆い尽くしてしまっては、元も子もありません。

こんにちは。3人の娘を育てながら、ナースとして働く皐月です。
今日は、そんな、親なら誰もが抱える「見えない不安」の正体と、その重荷を少しだけ軽くするための「心の処方箋」について、お話ししたいと思います。


なぜ私たちは不安になるの?それは「愛」の証。でも…

子どもの将来を心配するのは、あなたが深く、真剣に、お子さんを愛している証拠です。まずは、そんなご自身の気持ちを、優しく認めてあげてくださいね。

ただ、その不安が大きくなりすぎると、私たちは「今、ここ」にある幸せを見失いがちになります。特に、SNSで目にする、他の家庭の「キラキラした部分」と、自分の家庭の「日常」を無意識に比べてしまい、焦りや不安を増幅させてしまうことも少なくありません。

大切なのは、コントロールできない未来を憂うのではなく、コントロールできる「自分の心の持ち方」を変えていくことです。


【ママナースの処方箋】心を軽くする、4つの思考術

難しいことはありません。今日からできる、ちょっとした考え方のヒントです。

処方箋①:「未来」から「今、ここ」へピントを合わせる

私たちは、あまりにも遠い未来を、見つめすぎてしまうことがあります。
そんな時は、意識的にピントを「今、この瞬間」に戻してみましょう。

  • 今日の、お子さんの笑顔は何でしたか?
  • 今日、お子さんが見せてくれた、面白い行動は何でしたか?
  • 今日、お子さんを「愛おしい」と感じたのは、どんな瞬間でしたか?

未来への不安は、今日の「愛おしい」の積み重ねで、少しずつ上書きしていくことができます。

処方箋②:「事実」と「不安」を切り分ける

私たちの頭の中は、「実際に起きていること(事実)」と、「まだ起きていないことへの心配(不安)」がごちゃ混ぜになりがちです。これを、意識的に切り分けてみましょう。

  • 事実: 「子どもが、算数のテストで悪い点をとった」
  • 不安: 「このままでは、勉強が全部できなくなって、良い学校にも行けず、将来、仕事に就けなくなってしまうかもしれない…!」

こうして書き出してみると、後者がいかに壮大な「if(もしも)」の物語であるかに気づくはずです。私たちが対処すべきは、「事実」だけ。この場合なら、「次のテストに向けて、どこが分からなかったのか、一緒に復習してみようか」と考えるだけでいいのです。

処方箋③:「子どもの力」を信じてみる

親が思うより、子どもはずっと強く、しなやかです。
色々なことに悩み、失敗し、傷つきながらも、自分自身の力で立ち直り、成長していく力を持っています。

私たち親の役目は、子どもの前に立ちはだかる石を全て取り除き、道を舗装してあげることではありません。

子どもが、自分の足で、自分の力で、石を乗り越えていく力があると信じ、後ろからそっと見守ること。

時には、転んで怪我をしないように、近くで待機してあげる。それだけで、十分なのかもしれません。

処方箋④:「親自身の人生」を大切にする

子どもは、親の所有物ではありません。そして、親の人生もまた、子どものためだけにあるのではありません。

ママやパパが、自分の好きなことや、やりたいことを見つけて、楽しそうに生きている姿を見せること。それが、子どもにとって「大人になるって、なんだか楽しそうだな」と感じる、何よりの生きた教育になります。


最後に。最高の応援団長でいよう

子どもの人生は、子どものもの。
私たちは、その物語の、最高の読者であり、一番の応援団長でいればいいのかもしれません。

未来を心配するその時間を、今日、子どもをぎゅっと抱きしめる時間に変えてみませんか。
あなたのその温かい眼差しと、揺るがない信頼が、お子さんが未来を切り拓く、一番の力になるはずです。