けたたましく鳴り響く、緊急地震速報。
その瞬間、親の頭をよぎるのは「子どもたちを、どうやって守るか」という、ただ一つの本能的な叫びではないでしょうか。
パニックになるな、という方が無理な話。でも、その恐怖を「知っている」という知識と「備えている」という自信で、乗りこなすことはできます。
こんにちは。3人の娘を育てる、現役ママナースの皐月です。
看護師として、そして母として、災害時に本当に子どもの命と心を守るために必要なことは何か、ずっと考えてきました。
今日は、多くの人が「とりあえず向かう場所」と思っている指定避難所が、必ずしも子連れにとっての正解ではないかもしれない、というお話をします。そして、命を守るための避難場所の選び方と、そこで生き抜くための知恵を、具体的にお伝えします。
この記事でわかること
- なぜ「指定避難所=安全」とは限らないのか
- 子連れ避難場所選び、命を守る3つのチェックポイント
- 看護師が警告する、避難所で最も警戒すべきこと
- 車中泊避難のメリットと、避難所での「心のオアシス」の作り方
その避難所、本当に安全?まず疑うべき「常識」
私たちは、災害が起きたら「近くの小中学校の体育館へ」と、当たり前のように教わってきました。でも、少しだけ立ち止まって考えてみてください。
- その学校は、川のすぐ隣や、崖の下にありませんか?
- 何百人もの人が密集する場所で、衛生状態は保たれるでしょうか?
- 赤ちゃんが夜通し泣き叫んでも、周りの目が気にならないでしょうか?
看護師として断言しますが、大規模な避難所で最も怖いことの一つは、感染症の集団発生です。特に、抵抗力の弱い子どもやお年寄りにとっては、ノロウイルスやインフルエンザは命取りになりかねません。
「人が少ない場所ほど、衛生的に安全な場所である」
これは、子連れ避難の大原則として、絶対に覚えておいてください。
命を守る避難場所選び、3つのチェックポイント
では、どこへ逃げるのが正解なのか。その判断基準となる、3つのポイントをご紹介します。
① Safety(安全性):ハザードマップは、命の地図
まず、今すぐお住まいの自治体の**「ハザードマップ」**を確認してください。
洪水、土砂災害、津波…。あなたの家や、指定避難所が、どんな危険に晒されているのかを知ること。それが、すべての始まりです。安全な場所にある親戚や友人の家、頑丈な高層マンション、場合によっては在宅避難も、立派な選択肢です。命を守るための選択肢は、一つじゃないと知っておきましょう。
② Sanitation(衛生環境):トイレと水が確保できるか
看護師として、私が最も重視するのが衛生環境です。特に、トイレの問題は深刻。清潔なトイレが確保できない環境は、心身ともに急速に人を疲弊させます。
その点、安全な場所にある**「車」は、最強のプライベート避難所**になり得ます。
③ Space & Security(空間と安心):車中泊避難という選択肢
周りの目を気にせず授乳やおむつ替えができ、鍵をかければ、子どもを少し休ませる間の安心感が全く違います。
もちろん、エコノミークラス症候群の予防など注意点はありますが、プライバシーが守られ、少しでも「我が家の空間」を確保できることは、特に子どもの心の安定にとって、計り知れない価値があります。
避難所で生き抜く!ママナースのサバイバル術
どうしても避難所へ行くしかない場合。その中で、少しでも安全・快適に過ごすための工夫です。
- 「心のオアシス」を作る
ビーチで使うようなワンタッチテントは、避難所での神アイテム。周りの視線を遮るだけで、そこは家族だけの「個室」になります。授乳も着替えも、子どものお昼寝も、格段にストレスが減りますよ。 - 衛生ハック:「きれいな手は、命を救う」
アルコール消毒液と除菌ウェットティッシュは、お守りだと思って、常に携帯してください。食事の前、トイレの後、こまめな手指消毒が、家族を感染症から守ります。コップや食器の共有も、できる限り避けましょう。 - 「遊び」の力を信じる
防災リュックに、お菓子や着替えと一緒に、**「退屈しのぎキット」**を入れていますか?トランプ、小さな塗り絵とクレヨン、お気に入りの人形一つ。子どもにとって「遊び」は、水や食料と同じくらい大切な、心を保つための必需品です。不安な状況だからこそ、日常に近い「遊び」の時間が、子どもの心を救います。
まとめ:備えとは、想像力。そして、愛情。
災害への備えは、特別なことではありません。
「もし、今、ここで地震が来たら、うちの子を連れてどこへ逃げるのが一番安全だろう?」
そう、想像力を働かせること。そして、その想像に基づいて、今日、行動することです。
ハザードマップを確認する。
家族と避難場所について話し合っておく。
車に、水と携帯トイレ、そしてお菓子を少しだけ積んでおく。
その一つひとつの小さな行動が、いざという時に、あなたを「パニックに陥る親」から「家族を守る、冷静な親」へと変えてくれる、最高の備えになるのです。
