「ただの汗疹だと思ってたのに…」その赤いポツポツ、本当に大丈夫?
公園で元気に走り回って、汗びっしょりの我が子。その首筋や背中に、赤いポツポツを見つけると、「ああ、また汗疹(あせも)か…」と、夏の訪れを実感しますよね。
でも、ちょっと待って。そのポツポツ、本当にただの汗疹でしょうか?
「最初は数個だったのに、あっという間に全身に広がった」
「かゆみが強くて、夜も眠れないみたい…」
「ジュクジュクして、黄色いかさぶたができてきた」
もし、こんな症状が見られたら、それは汗疹が悪化してしまった、あるいは「とびひ」という、うつる可能性のある皮膚の感染症かもしれません。
私自身、ナースとして多くの肌トラブルを見てきましたが、特に子どもの肌はデリケート。正しいケアを知っているかどうかで、症状の悪化を食い止められるか、それとも長引かせてしまうかが大きく変わってきます。
この記事では、夏の二大肌トラブル「あせも」と「とびひ」について、ママナースの視点から、その見分け方、正しいホームケア、そして何より大切な「予防法」を、誰にでも分かりやすく徹底解説します。
ステップ1:見分け方|これって汗疹?それとも、とびひ?
まず大切なのは、敵を知ること。二つの違いを、簡単なチェックリストで確認してみましょう。
特徴 | 汗疹(あせも) | とびひ(伝染性膿痂疹) |
---|---|---|
原因 | 汗の管が詰まる | 細菌(主に黄色ブドウ球菌)の感染 |
見た目 | 赤や白の小さなポツポツ | 水ぶくれ→ジュクジュク→黄色いかさぶた |
広がり方 | 汗をかきやすい場所にできる | 全身どこにでも広がる(飛び火する) |
うつる? | うつらない | うつる |
かゆみ | チクチク、かゆい | 強いかゆみ |
**一番のポイントは、「水ぶくれ」と「黄色いかさぶた」**です。もし、これらのサインが見られたら、それは「とびひ」の可能性が高いと考え、早めに小児科や皮膚科を受診しましょう。
ステップ2:ホームケア|悪化させない!おうちで出来ること
汗疹の段階でも、とびひになってしまってからでも、基本のホームケアは同じです。それは、**「肌を清潔に保ち、しっかり保湿する」**こと。これを徹底するだけで、肌の回復力はぐんと高まります。
汗をかいたら、こまめにシャワーが鉄則!
夏場は、1日に2〜3回シャワーを浴びてもOKです。汗や汚れを、優しく洗い流してあげましょう。
- 洗い方: 石鹸やボディソープをよく泡立てて、手で優しくなでるように洗います。ナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは、肌のバリア機能を壊してしまうので絶対にNGです。
- すすぎ: 洗浄成分が残らないように、ぬるめのお湯でしっかりとすすぎます。
「保湿は不要」は大きな間違い!
「汗でベタベタしているから、保湿はしなくていいよね?」これは、よくある誤解です。実は、汗をかいた後の肌は、水分が蒸発して乾燥しやすい状態。肌が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなってしまいます。
- 保湿のタイミング: シャワーや入浴後、5分以内がゴールデンタイム!タオルで優しく水分を押さえたら、すぐに保湿剤を塗りましょう。
- 保湿剤の選び方: 夏場は、ベタつきの少ないローションやジェルタイプがおすすめです。子どもが嫌がらずに使える、伸びの良いものを選んであげてください。
掻き壊しを防ぐための工夫
かゆみは、子どもにとって我慢するのが難しいもの。掻き壊しは、とびひの最大の原因になります。
- 爪は常に短く: こまめに爪を切り、角を丸くヤスリで整えてあげましょう。
- 冷やす: かゆみが強い時は、冷たいタオルや保冷剤をハンカチで包んだもので、優しく冷やしてあげると、かゆみが和らぎます。
- 日中の服装: 通気性の良い、綿100%の素材を選びましょう。汗をかいたら、こまめに着替えさせてあげることも大切です。
ステップ3:予防|そもそも、ならないために出来ること
最高の治療は、予防です。日々の生活で、ちょっとしたことを気をつけるだけで、肌トラブルのリスクはぐっと減らせます。
- 汗をかきっぱなしにしない: 遊びから帰ったら、まずシャワー。これが夏の合言葉です。
- 衣類や寝具は清潔に: 汗を吸った衣類やシーツは、こまめに洗濯しましょう。
- 虫刺されを放置しない: 虫に刺された場所を掻き壊し、そこから細菌が入って「とびひ」になるケースは非常に多いです。虫刺されにも、早めにかゆみ止めを塗ってあげましょう。
夏の肌トラブルは、正しい知識があれば、決して怖いものではありません。日々の丁寧なスキンケアで、お子さんのデリケートな肌を守り、楽しい夏を過ごしてくださいね。