とびひ

夏の「あせも・とびひ」徹底対策!ママナースが教える、正しいスキンケアと予防法

「ただの汗疹だと思ってたのに…」その赤いポツポツ、本当に大丈夫?

公園で元気に走り回って、汗びっしょりの我が子。その首筋や背中に、赤いポツポツを見つけると、「ああ、また汗疹(あせも)か…」と、夏の訪れを実感しますよね。

でも、ちょっと待って。そのポツポツ、本当にただの汗疹でしょうか?

「最初は数個だったのに、あっという間に全身に広がった」
「かゆみが強くて、夜も眠れないみたい…」
「ジュクジュクして、黄色いかさぶたができてきた」

もし、こんな症状が見られたら、それは汗疹が悪化してしまった、あるいは「とびひ」という、うつる可能性のある皮膚の感染症かもしれません。

私自身、ナースとして多くの肌トラブルを見てきましたが、特に子どもの肌はデリケート。正しいケアを知っているかどうかで、症状の悪化を食い止められるか、それとも長引かせてしまうかが大きく変わってきます。

この記事では、夏の二大肌トラブル「あせも」と「とびひ」について、ママナースの視点から、その見分け方、正しいホームケア、そして何より大切な「予防法」を、誰にでも分かりやすく徹底解説します。

ステップ1:見分け方|これって汗疹?それとも、とびひ?

まず大切なのは、敵を知ること。二つの違いを、簡単なチェックリストで確認してみましょう。

特徴 汗疹(あせも) とびひ(伝染性膿痂疹)
原因 汗の管が詰まる 細菌(主に黄色ブドウ球菌)の感染
見た目 赤や白の小さなポツポツ 水ぶくれ→ジュクジュク→黄色いかさぶた
広がり方 汗をかきやすい場所にできる 全身どこにでも広がる(飛び火する)
うつる? うつらない うつる
かゆみ チクチク、かゆい 強いかゆみ

**一番のポイントは、「水ぶくれ」と「黄色いかさぶた」**です。もし、これらのサインが見られたら、それは「とびひ」の可能性が高いと考え、早めに小児科や皮膚科を受診しましょう。

ステップ2:ホームケア|悪化させない!おうちで出来ること

汗疹の段階でも、とびひになってしまってからでも、基本のホームケアは同じです。それは、**「肌を清潔に保ち、しっかり保湿する」**こと。これを徹底するだけで、肌の回復力はぐんと高まります。

汗をかいたら、こまめにシャワーが鉄則!

夏場は、1日に2〜3回シャワーを浴びてもOKです。汗や汚れを、優しく洗い流してあげましょう。

  • 洗い方: 石鹸やボディソープをよく泡立てて、手で優しくなでるように洗います。ナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは、肌のバリア機能を壊してしまうので絶対にNGです。
  • すすぎ: 洗浄成分が残らないように、ぬるめのお湯でしっかりとすすぎます。

「保湿は不要」は大きな間違い!

「汗でベタベタしているから、保湿はしなくていいよね?」これは、よくある誤解です。実は、汗をかいた後の肌は、水分が蒸発して乾燥しやすい状態。肌が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなってしまいます。

  • 保湿のタイミング: シャワーや入浴後、5分以内がゴールデンタイム!タオルで優しく水分を押さえたら、すぐに保湿剤を塗りましょう。
  • 保湿剤の選び方: 夏場は、ベタつきの少ないローションやジェルタイプがおすすめです。子どもが嫌がらずに使える、伸びの良いものを選んであげてください。

掻き壊しを防ぐための工夫

かゆみは、子どもにとって我慢するのが難しいもの。掻き壊しは、とびひの最大の原因になります。

  • 爪は常に短く: こまめに爪を切り、角を丸くヤスリで整えてあげましょう。
  • 冷やす: かゆみが強い時は、冷たいタオルや保冷剤をハンカチで包んだもので、優しく冷やしてあげると、かゆみが和らぎます。
  • 日中の服装: 通気性の良い、綿100%の素材を選びましょう。汗をかいたら、こまめに着替えさせてあげることも大切です。

ステップ3:予防|そもそも、ならないために出来ること

最高の治療は、予防です。日々の生活で、ちょっとしたことを気をつけるだけで、肌トラブルのリスクはぐっと減らせます。

  • 汗をかきっぱなしにしない: 遊びから帰ったら、まずシャワー。これが夏の合言葉です。
  • 衣類や寝具は清潔に: 汗を吸った衣類やシーツは、こまめに洗濯しましょう。
  • 虫刺されを放置しない: 虫に刺された場所を掻き壊し、そこから細菌が入って「とびひ」になるケースは非常に多いです。虫刺されにも、早めにかゆみ止めを塗ってあげましょう。

夏の肌トラブルは、正しい知識があれば、決して怖いものではありません。日々の丁寧なスキンケアで、お子さんのデリケートな肌を守り、楽しい夏を過ごしてくださいね。

【夏を乗り切る!】あせも・とびひ・水いぼ、子どもの3大肌トラブル予防と対策|ママナース解説

「また、あせもができちゃった…」「これって、とびひ?水いぼ?」

夏になると、子どもの肌トラブルはつきものですよね。汗をかきやすい子どもたちは、あせも、とびひ、水いぼといった、かゆみや痛みを伴う肌の悩みに直面しがちです。見ている親も、本当に辛い気持ちになります。

私自身、看護師として、そして3人の娘の母として、夏になると子どもの肌トラブルに悩まされる親御さんの気持ちが痛いほどよく分かります。特に、かゆみで夜中に起きてしまったり、掻きむしって悪化させてしまったりする姿を見ると、何とかしてあげたいと強く思います。

でも、大丈夫。それぞれの肌トラブルの特徴を知り、適切な予防とケアをすれば、今年の夏は、肌トラブル知らずで快適に過ごすことができます。

この記事では、現役ママナースの私が、子どもの3大夏の肌トラブル「あせも」「とびひ」「水いぼ」について、それぞれの症状の見分け方、家庭でできる予防とケア、そして病院に行くべき目安を、具体的な写真やイラストを交えながら分かりやすく解説します。ぜひ、お子さんの肌を守るために、参考にしてくださいね。

【見分け方と原因】子どもの3大夏の肌トラブル

まずは、それぞれの肌トラブルがどんなものなのか、見分け方と原因を知っておきましょう。

1. あせも(汗疹)

  • 症状:赤くて小さなブツブツ、または透明な水ぶくれ。かゆみを伴うことが多い。
  • 原因:汗腺が汗で詰まり、皮膚の中に汗が溜まって炎症を起こす。
  • できやすい場所:首、脇の下、肘の内側、膝の裏、おむつの中など、汗がたまりやすい場所。

2. とびひ(伝染性膿痂疹)

  • 症状:水ぶくれや、それが破れてジュクジュクしたただれ。かゆみが強く、掻きむしるとあっという間に広がる。
  • 原因:黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌などの細菌が、虫刺されやあせも、小さな傷から皮膚に入り込んで感染する。
  • 特徴:まるで火が飛ぶように、あっという間に広がることから「とびひ」と呼ばれます。

3. 水いぼ(伝染性軟属腫)

  • 症状:直径1~5mm程度の、光沢のある白いブツブツ。中央が少しへこんでいるのが特徴。かゆみはあまりないことが多い。
  • 原因:ポックスウイルスの一種である伝染性軟属腫ウイルスに感染する。
  • 特徴:プールの水やタオル、ビート板などを介して感染することが多いです。自然に治ることもありますが、数ヶ月から数年かかることもあります。

【皐月のひとこと】
「これって、あせも?とびひ?」と迷ったら、まずは皮膚科を受診しましょう。特に、とびひは細菌感染なので、適切な治療をしないとどんどん広がってしまいます。早めの受診が、子どもの肌を守る一番の近道です。

【家庭でできる!】予防とケアのポイント

それぞれの肌トラブルに合わせた、家庭でできる予防とケアのポイントです。

あせも対策

  • 汗をこまめに拭く:濡らしたタオルや、肌に優しいおしりふきなどで、汗をこまめに拭き取ってあげましょう。
  • シャワーを浴びる:汗をかいたら、シャワーで洗い流すのが一番。石鹸は使わず、お湯で流すだけでもOKです。
  • 通気性の良い服装:綿素材など、吸湿性・通気性の良い服を選び、汗をかいたらすぐに着替えさせましょう。
  • 室温・湿度管理:エアコンや扇風機を上手に使い、室温を26~28℃、湿度を50~60%に保ちましょう。

とびひ対策

  • 清潔を保つ:石鹸をよく泡立てて、優しく洗い、シャワーでしっかり洗い流しましょう。爪は短く切り、掻きむしらないように。
  • 患部を覆う:ガーゼや絆創膏で患部を覆い、他の場所に広がるのを防ぎましょう。
  • タオル・衣類は別々に:家族とタオルや衣類を共有しないようにしましょう。洗濯も別々にするのが理想です。

水いぼ対策

  • プールは控える:水いぼがある間は、プールは控えましょう。他の子どもへの感染を防ぐためです。
  • タオル・衣類は別々に:とびひ同様、タオルや衣類の共有は避けましょう。
  • 保湿ケア:肌が乾燥していると、水いぼが広がりやすくなります。普段から保湿ケアをしっかり行いましょう。

まとめ:夏の肌トラブルは、早めのケアで乗り切ろう!

子どもの夏の肌トラブルは、親にとって本当に悩ましいものです。でも、それぞれの特徴を知り、適切な予防とケアをすることで、症状の悪化を防ぎ、子どもを不快感から守ることができます。

「これって何だろう?」と迷ったら、自己判断せずに、まずは皮膚科を受診してくださいね。そして、日頃からお子さんの肌をよく観察し、小さな変化に気づいてあげることが、肌トラブルを最小限に抑える一番の秘訣です。

今年の夏は、お子さんの肌を優しく守って、笑顔いっぱいの思い出を作りましょう!

とびひ(伝染性膿痂疹)の正しいケア|広げない・悪化させないための消毒・保護方法

その虫刺され、本当にただの虫刺され?夏の肌トラブル「とびひ」に要注意!

夏になると、あせもや虫刺されなど、子どもの肌トラブルが増えますよね。しかし、ただの虫刺されだと思ってかき壊してしまった傷が、あっという間に全身に広がってしまう恐ろしい病気、それが「とびひ(伝染性膿痂疹)」です。

とびひは、主に黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が、皮膚の傷口から感染することで起こります。水ぶくれやかさぶたを触った手で他の場所を掻くと、火事の飛び火のように次々と症状が広がっていくことから、この名前で呼ばれています。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、とびひを広げず、悪化させずに治すための正しいホームケアと、保育園・幼稚園の登園の目安について、詳しく解説します。

とびひのサインはこれ!2つのタイプ

とびひには、原因となる細菌によって大きく2つのタイプがあります。

  1. 水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)
    • 主に黄色ブドウ球菌が原因。
    • 赤みのある水ぶくれ(水疱)ができ、それが簡単に破れて皮膚がめくれます。
    • かゆみが強いのが特徴で、乳幼児に多く見られます。
  2. 痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)
    • 主にレンサ球菌が原因。
    • 厚いかさぶた(痂皮)ができ、その下に膿がたまります。
    • 炎症が強く、痛みや発熱を伴うこともあります。

ママナース直伝!とびひを広げないためのホームケア4原則

1. 患部を清潔に保つ

とびひの治療で最も大切なのは、患部を清潔に保つことです。医師の指示に従い、石鹸をよく泡立てて、優しく洗いましょう。シャワーでしっかりと洗い流すことで、原因菌を減らし、治りを早めることができます。

2. 掻き壊しを防ぐ

かゆみが強いとびひでは、掻き壊しを防ぐことが悪化させないための鍵です。爪は短く切り、患部はガーゼや包帯で保護して、直接触れないように工夫しましょう。かゆみが強い場合は、医師に相談し、かゆみ止めの薬を処方してもらうことも重要です。

3. 薬は正しく、最後まで

処方された抗菌薬の塗り薬は、医師の指示通りに塗りましょう。症状が良くなったように見えても、自己判断で中断すると、再発の原因になります。飲み薬が処方された場合も、必ず最後まで飲み切ることが大切です。

4. タオルや衣類の共有は避ける

とびひは接触によって感染します。家族間での感染を防ぐため、タオルやバスタオル、衣類の共有は避けましょう。また、洗濯は他の家族と分けて行う必要はありませんが、日光でしっかりと乾かすことをお勧めします。

保育園・幼稚園はいつから行ける?

とびひは、学校保健安全法で「学校感染症」に定められています。登園・登校の目安は、**「患部をガーゼなどで覆い、他の子どもにうつす心配がなくなれば可能」**とされています。

しかし、園によっては独自のルールを設けている場合もあるため、必ず事前に確認し、必要であれば医師に「登園許可証」を書いてもらいましょう。

まとめ|早期発見・早期治療が鍵

あせもや虫刺されが増える夏は、とびひになりやすい季節です。普段から子どもの肌をよく観察し、傷や湿疹ができていないかチェックする習慣をつけましょう。

「もしかして、とびひかも?」と思ったら、自己判断で市販薬を使わず、早めに皮膚科や小児科を受診することが、早期治癒への一番の近道です。正しいケアで、つらいとびひを早く治してあげましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹)は、なぜ広がる?正しい薬の塗り方と、プールはいつからOK?

その水ぶくれ、あっという間に全身へ。夏に多い「とびひ」の正しい対処法

虫刺されや、あせもを掻き壊した場所から、小さな水ぶくれ(水疱)ができ、それが、あっという間に、全身に広がっていく…。夏場に、子どもに多い皮膚の感染症、それが**「とびひ(伝染性膿痂疹)」**です。その名の通り、火事の「飛び火」のように、驚くべきスピードで、感染が広がります。

こんにちは、ママナースのさとみです。とびひは、正しい知識を持って、早期に治療を開始すれば、怖い病気ではありません。しかし、対応を間違えると、自家感染で、どんどん悪化したり、きょうだいや、お友達に、うつしてしまったりします。

この記事では、とびひの正しいスキンケアと、薬の塗り方、そして、多くの親が悩む**「お風呂」や「プール」は、いつからOKか**、という疑問について、詳しく解説します。


なぜ「とびひ」は、広がるの?

とびひは、主に、黄色ブドウ球菌や、溶連菌といった、細菌が、皮膚のバリア機能が低下した場所(虫刺され、あせも、湿疹、小さな傷など)に、感染することで起こります。

水ぶくれが破れると、中から、細菌を含んだ滲出液が出てきます。その液が、ついた手で、体の他の場所を掻いてしまうことで、次から次へと、新しい場所に、感染が広がってしまうのです。


とびひ治療の3本柱

とびひの治療は、皮膚科や、小児科で処方される、薬物療法が基本です。それに加え、家庭での、正しいスキンケアが、早期治癒の鍵となります。

1. 抗菌薬(飲み薬)

原因となっている細菌を、体の中から、やっつけます。症状が良くなったように見えても、自己判断で中断せず、医師に指示された期間、必ず、最後まで飲み切りましょう。

2. 抗菌薬(塗り薬)

患部に直接塗って、細菌の増殖を抑えます。塗り方には、少しコツが必要です。

  • 患部を、優しく洗う: まず、シャワーなどで、患部を、石鹸をよく泡立てて、優しく洗い、古い薬や、かさぶた、滲出液を、きれいに洗い流します。
  • 薬は、少し広めに: 患部だけでなく、その周りにも、少し広めに、たっぷりと塗ります。
  • 患部を、ガーゼで覆う: 薬を塗った後、患部を、ガーゼなどで覆い、他の場所に、細菌が接触しないように保護します。ただし、ガーゼが、滲出液で、ジュクジュクになったら、こまめに取り替えましょう。

3. 抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)

強いかゆみを伴う場合は、かゆみを抑えるための、飲み薬が処方されることもあります。掻き壊しを防ぐことが、悪化と、拡大を防ぐために、非常に重要です。


お風呂は?プールは?日常生活のQ&A

  • Q. お風呂に入ってもいい?
    A. **はい、毎日、シャワーで、きれいに洗い流してください。**湯船に浸かるのは、きょうだいへの感染のリスクがあるため、治るまでは避けましょう。体を洗う時も、ゴシゴシこすらず、泡で優しく。タオルは、必ず、患者専用のものを用意し、共用は避けてください。

  • Q. プールは、いつから入れる?
    A. **患部が、完全に乾き、新しい水ぶくれが、できなくなるまで、プールは、お休みです。**自己判断せず、必ず、医師の許可を得てから、再開しましょう。

  • Q. 登園・登校は、してもいい?
    A. とびひは、学校保健安全法で、出席停止が義務付けられている病気ではありません。しかし、感染を広げる可能性があるため、患部を、ガーゼなどで、きちんと覆うことができれば、登園・登校は可能、とする園や、学校が多いです。ただし、園や、学校の方針によりますので、必ず、事前に確認しましょう。


まとめ:早期受診と、正しいケアが、治癒への近道

とびひは、夏の、子どもの皮膚トラブルの代表格です。

虫刺されや、あせもを、掻き壊しているのを見つけたら、早めに、皮膚科、または、小児科を受診すること。そして、処方された薬を正しく使い、患部を清潔に保つこと。

この、基本的な対応を、徹底することが、とびひの、つらいかゆみと、感染の連鎖から、お子さんを、早く解放してあげるための、一番の近道です。


【ママナースが徹底解説】夏の三大皮膚トラブル(あせも・とびひ・虫刺され)から子どもを守る!予防とホームケア完全ガイド

夏の肌トラブル、今年も…と憂鬱なあなたへ

楽しいはずの夏。しかし、子どもの肌には過酷な季節です。

朝、子どもの首筋にびっしりと広がる赤いポツポツ(あせも)。
掻きむしった虫刺されが、あっという間にジュクジュクの水ぶくれ(とびひ)に…。

「清潔にしているつもりなのに、どうして?」
「このホームケア、本当に合ってる?」

そんな風に、夏の肌トラブルに頭を悩ませ、心を痛めている親御さんは、決して少なくありません。

こんにちは!3人の娘を育てる現役ママナースの皐月です。
何を隠そう、私自身も毎年、娘たちの肌トラブルと格闘してきました。看護師として知識はあっても、我が子のこととなると不安になるものです。

だからこそ、今回はあなたの不安に徹底的に寄り添います。**夏の三大皮膚トラブルである「あせも」「とびひ」「虫刺され」について、その原因から、最も重要な「予防法」、そして悪化させないための「ホームケア」**まで、専門家の視点で分かりやすく解説します。

この記事を読めば、もう夏の肌トラブルに振り回されることはありません。正しい知識を武器に、お子さんのすべすべ肌を守り抜きましょう!


Part 1:あせも(汗疹)― 基本の「き」は清潔と保湿

夏の皮膚トラブル、代表格の「あせも」。正式には「汗疹(かんしん)」と言います。

  • 原因: 大量の汗で、汗を出す管(汗管)が詰まってしまうことが原因。汗が皮膚の内側に溜まり、炎症を起こしてポツポツや水ぶくれになります。
  • できやすい場所: 首の周り、ひじや膝の裏、おむつで蒸れるお尻など、汗が溜まりやすい場所。

【予防が何より大事!】あせもを作らない3つの鉄則

  1. 汗をかいたら、すぐに流す・拭く: これが最も重要です。シャワーをこまめに浴びるのが理想ですが、難しければ濡らしたタオルで優しく拭くだけでも効果があります。
  2. 涼しい環境をキープ: エアコンや扇風機を適切に使い、快適な室温・湿度を保ちましょう。寝ている間も、汗をかきすぎていないかチェックを。
  3. 通気性の良い服を選ぶ: 吸湿性・速乾性に優れた綿やメッシュ素材の肌着がおすすめです。汗をかいたら、こまめに着替えさせてあげましょう。

【できてしまったら…】悪化させないホームケア

  • 優しく洗う: 汗や汚れを洗い流すことが第一。石鹸をよく泡立て、手で優しくなでるように洗い、しっかりとすすぎましょう。
  • しっかり保湿: 洗った後は、肌が乾燥しないように、すぐに保湿剤(ローションやクリーム)を塗ってあげましょう。肌のバリア機能が整い、新たな刺激から肌を守ります。
  • ベビーパウダーは要注意: 昔はよく使われましたが、汗や皮脂と混ざって毛穴を塞ぎ、かえって悪化させることも。基本的には保湿ケアを優先しましょう。

<ママナースの視点>
あせもを掻き壊してしまうと、そこから細菌が入り込み、次に解説する「とびひ」の原因になります。痒みが強そうな場合は、早めに小児科や皮膚科を受診し、適切な塗り薬を処方してもらいましょう。


Part 2:とびひ(伝染性膿痂疹)― 見つけたら、すぐに病院へ!

「とびひ」は、火事の飛び火のようにあっという間に広がることから、その名がついています。正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」という、細菌による皮膚の感染症です。

  • 原因: 虫刺されやあせも、湿疹などを掻き壊した傷口に、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が入り込んで感染します。
  • 特徴: 水ぶくれ(水疱)ができ、それが破れてジュクジュクした状態になります。その滲出液に触れると、体の他の場所や、他の人にもうつります。

【予防がカギ】とびひにさせないために

  • 掻かせない工夫: 虫刺されやあせもで痒がっていたら、冷やしたり、早めに薬を塗ったりして、掻き壊しを防ぎましょう。
  • 爪を短く切る: 爪が長いと、掻いた時に皮膚を傷つけやすくなります。常に短く、清潔に保ちましょう。

【ホームケアの注意点】自己判断はNG!

とびひが疑われる場合、市販薬で様子を見るのは絶対にやめてください。

とびひの治療には、抗菌薬(抗生物質)の飲み薬や塗り薬が必要です。必ず小児科か皮膚科を受診しましょう。

医師の指示のもと、家庭では以下の点に注意して「感染を広げない」ケアを徹底します。

  • 患部を清潔に: 石鹸をよく泡立てて、優しく洗い、滲出液をしっかり洗い流します。
  • 患部を覆う: 医師の指示に従い、ガーゼなどで患部を保護し、他の場所に触れないようにします。
  • タオルの共用は避ける: 兄弟間などでうつるのを防ぐため、タオルやバスタオルは必ず分けましょう。
  • プールは禁止: 完全に治るまでは、プールに入ることはできません。

Part 3:虫刺され ― 掻き壊しが二次被害を招く

夏は蚊やブヨ、ダニなど、様々な虫が活発になる季節。子どもの柔らかい肌は、虫にとっても格好の的なのです。

  • 子どもの特徴: 子どもは大人よりアレルギー反応が強く出やすいため、赤く大きく腫れたり、硬くなったりすることがあります。

【刺される前の対策】徹底予防4か条

  1. 服装の工夫: 外出時は、なるべく長袖・長ズボンで肌の露出を減らしましょう。白など、明るい色の服は虫が寄りにくいと言われています。
  2. 虫除け剤を上手に使う: 子ども用の虫除けスプレーなどを活用しましょう。近年では、年齢制限のない「イカリジン」という成分のものが人気です。
  3. 虫が多い場所・時間を避ける: 公園の草むらや水辺、夕方などは特に注意が必要です。
  4. 網戸や蚊帳を活用: 家の中への侵入を防ぐことも大切です。

【刺された後のケア】悪化させない3ステップ

  1. まずは洗う: 刺された場所を、まずは水道水で綺麗に洗い流します。
  2. 次に冷やす: 濡れたタオルや、ハンカチで包んだ保冷剤などで冷やすと、痒みや腫れが和らぎます。
  3. 薬を塗る: 子ども用の虫刺され薬を塗りましょう。痒みが強い場合は、ステロイド入りの塗り薬が有効なこともありますが、強さのランクがあるので、薬剤師に相談するか、皮膚科で処方してもらうのが安心です。

<ママナースの視点>
一番の敵は「掻き壊し」です。ここから「とびひ」に繋がるケースが後を絶ちません。痒みをいかにコントロールするかが、ホームケアの最重要ポイントです。
また、ハチに刺された後などに、ぐったりする、呼吸が苦しそう、全身に蕁麻疹が出るなどの症状が見られた場合は、命に関わるアナフィラキシーショックの可能性があります。ためらわずに救急車を呼んでください。


まとめ:夏の肌トラブルは「予防」が8割!

これまで見てきたように、夏の三大皮膚トラブルは、それぞれ関連しあっています。

あせも・虫刺されを掻き壊す → とびひになる

この悪循環を断ち切るために最も大切なのは、日々の予防です。

  1. 肌は常に清潔に。
  2. 掻き壊させない工夫を。

この2つを徹底するだけで、多くの肌トラブルは防ぐことができます。
そして、もし悪化してしまったら、決して一人で悩まず、早めに専門家を頼ってください。

正しい知識でしっかり予防して、親子で楽しい夏を過ごしてくださいね!