その小さな成長が、親の心を揺さぶる。でも、焦っていませんか?

初めての寝返り。

よちよちと、初めての一歩を踏み出した瞬間。

赤ちゃんの成長は、親にとって何よりも嬉しいもの。その小さな「できた!」に、私たちは大きな感動と喜びをもらいます。

でも、同時にこんな不安も感じていませんか?

「〇〇ちゃんはもう寝返りしたのに、うちの子はまだ…」
「この発達、遅れているのかな?」
「何か、私がしてあげられることはないのかな?」

周りの子と比べてしまったり、インターネットの情報に一喜一憂したり…。

こんにちは!3人の娘たちの、個性豊かな成長発達を、時にハラハラしながら見守ってきた、現役ママナースの皐月です。

まず、あなたにお伝えしたいのは、赤ちゃんの成長発達は、本当に一人ひとり違う、ということです。目安はあくまで目安。大切なのは、お子さん自身のペースを尊重し、その子らしい成長を温かく見守ってあげることです。

この記事では、そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、月齢ごとの発達の目安と、親ができる「促し方」、そして**「こんな時は注意してほしい」というサイン**を、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、お子さんの「今」を楽しみながら、成長の道のりを一緒に見守っていきましょう。


赤ちゃんの成長発達、なぜ個人差があるの?

赤ちゃんの成長発達には、大きな個人差があります。これは、脳や体の発達のスピード、性格、環境など、様々な要因が絡み合っているからです。

  • 遺伝: 親の体質や発達の傾向が遺伝することもあります。
  • 環境: 刺激の多い環境で育つ子と、そうでない子では、発達のスピードに差が出ることがあります。
  • 性格: 慎重な性格の子は、できるまで何度も練習してから行動に移すため、一見遅れているように見えることもあります。また、体を動かすことが得意な子は、言葉よりも運動が先行することもあります。

大切なのは、「発達の目安」は、あくまで「多くの赤ちゃんがこの時期にできるようになること」を示すものであり、「この時期までにできなければいけない」というものではない、と理解することです。


【月齢別】赤ちゃんの成長発達と促し方・注意点

0〜3ヶ月頃:首すわり・追視

  • 発達の目安:
    • 首がすわる(縦抱きで頭がグラグラしない)
    • 目で物を追う(追視)
    • 音のする方を向く
    • あやすと笑う
  • 親ができる促し方:
    • うつ伏せ遊び(タミータイム): 赤ちゃんが起きている時に、親が見守る中で短時間うつ伏せにさせましょう。首や背中の筋肉が鍛えられ、首すわりを促します。
    • 顔を見つめて話しかける: 赤ちゃんの目を見て、たくさん話しかけたり、歌を歌ったりしましょう。追視やコミュニケーション能力の発達を促します。
  • こんな時は注意:
    • 生後4ヶ月を過ぎても首がすわらない。
    • 音に全く反応しない、目を合わせようとしない。

4〜6ヶ月頃:寝返り・お座り

  • 発達の目安:
    • 寝返りをする(仰向けからうつ伏せ、またはその逆)
    • 支えがあればお座りできる
    • おもちゃに手を伸ばして掴む
    • 自分の手をじっと見つめる
  • 親ができる促し方:
    • 寝返り: 赤ちゃんが寝返りしやすそうな方向に、お気に入りのおもちゃを置いて誘ってみましょう。無理に手伝わず、赤ちゃん自身の力で動けるように見守ります。
    • お座り: 支えながら座らせ、背中を丸めないように姿勢をサポートしてあげましょう。座った状態で遊ぶことで、体幹が鍛えられます。
  • こんな時は注意:
    • 生後7ヶ月を過ぎても寝返りをしない。
    • おもちゃに全く興味を示さない、手を伸ばそうとしない。

7〜9ヶ月頃:ハイハイ・つかまり立ち

  • 発達の目安:
    • ハイハイをする
    • つかまり立ちをする
    • 人見知り・後追いが始まる
    • 指差しをする
  • 親ができる促し方:
    • ハイハイ: 赤ちゃんがハイハイしやすいように、床に障害物を置かないようにしましょう。少し離れた場所からおもちゃで誘ったり、親も一緒にハイハイしたりするのも良いでしょう。
    • つかまり立ち: 安定した家具の近くで遊ばせ、自分でつかまり立ちができるように見守りましょう。転んでも大丈夫なように、周囲にクッションなどを置いておくと安心です。
  • こんな時は注意:
    • 生後10ヶ月を過ぎてもハイハイをしない(ずり這いのみ)。
    • つかまり立ちを全くしようとしない。

10〜12ヶ月頃:伝い歩き・一人歩き

  • 発達の目安:
    • 伝い歩きをする
    • 一人で数歩歩く
    • 「ママ」「パパ」など意味のある言葉を話す
    • バイバイなどの身振りをする
  • 親ができる促し方:
    • 伝い歩き・一人歩き: 赤ちゃんが安全に伝い歩きできる環境を整えましょう。手をつないで一緒に歩いたり、少し離れた場所から「おいで」と誘ったりするのも良いでしょう。
    • 靴を履かせるのは、一人歩きが安定してからで大丈夫です。
  • こんな時は注意:
    • 1歳半を過ぎても一人歩きをしない。
    • 言葉の遅れが気になる、指差しをしない。

【ママナースの視点】「発達の遅れ」が気になったら…

「うちの子、もしかして発達が遅れている?」

そう感じたら、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してください。

  • かかりつけの小児科医: まずは、普段からお子さんのことをよく知っている小児科医に相談しましょう。発達の専門機関を紹介してくれることもあります。
  • 地域の保健センター: 乳幼児健診などで、保健師さんや栄養士さん、心理士さんなどが相談に乗ってくれます。地域の支援情報も教えてくれます。

大切なのは、早期発見・早期支援です。もし、発達に特性があったとしても、早くから適切なサポートを受けることで、お子さんの可能性を最大限に引き出すことができます。

そして、何よりも大切なのは、お子さん自身の「個性」を尊重することです。発達のスピードは違っても、お子さんにはお子さんなりの素晴らしい成長があります。その小さな一歩一歩を、温かい目で見守ってあげてください。


まとめ:焦らず、比べず、我が子の「今」を楽しもう

赤ちゃんの成長発達は、親にとって尽きることのない喜びと、時に不安をもたらします。

しかし、この時期は二度と戻ってきません。

周りの子と比べるのではなく、お子さん自身の「昨日」と「今日」を比べてみてください。きっと、小さな成長の積み重ねに気づくはずです。

焦らず、比べず、お子さんの「今」を心から楽しみ、その成長を一番近くで応援してあげてください。あなたのその温かい眼差しが、お子さんの健やかな成長を育む、何よりの栄養になるでしょう。