「もっとちゃんとしなきゃ」「完璧な親でいなきゃ」

子育てをしていると、いつの間にか「いい親」でいなければというプレッシャーに押しつぶされそうになることがありますよね。SNSで見るキラキラした子育て、周りのママ友の完璧な姿、そして世間からの「こうあるべき」という無言の期待…。私も3姉妹の母として、現役看護師として、常に「もっとできるはず」「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い詰めてしまう時期がありました。「私ってダメな親だな…」と、自己嫌悪に陥り、一人で涙を流したことも少なくありません。

でも、完璧な親なんて、どこにもいません。そして、完璧な親であることよりも、あなたが笑顔でいることの方が、子どもにとっては何よりも大切なのです。だって、ママの笑顔は、子どもの心の栄養そのものですから。

この記事では、現役ママナースの私が、「いい親」プレッシャーに疲れてしまった時に、完璧主義を手放し、自分を許す考え方、そして心穏やかに子育てを楽しむためのヒントを、私の経験も交えながらお伝えします。まずは、頑張っている自分を認めて、労ってあげましょう。

この記事でわかること

  • 「いい親」プレッシャーを感じる根本的な理由
  • 完璧主義を手放し、自分を許すための具体的な考え方
  • 子育てを心穏やかに楽しむためのセルフケア術
  • ママナース皐月からの応援メッセージ

「いい親」プレッシャーの正体:なぜ私たちは苦しくなるの?

私たちはなぜ、「いい親」でいなければと強く感じてしまうのでしょうか。その背景には、様々な要因が隠されています。

【結論】「いい親」プレッシャーは、SNSの影響、社会や世間の期待、自己肯定感の低さ、情報過多、そして真面目さや責任感の強さなど、複数の要因が複雑に絡み合って生まれます。

「いい親」プレッシャーを生む主な要因

  • SNSの影響: 完璧な育児ライフを発信するSNSを見て、「自分もこうあるべきだ」と無意識のうちに比較し、劣等感を抱いてしまうことがあります。私も、他のママのキラキラした投稿を見るたびに、「私ってダメな母親なのかな…」と落ち込んだ経験、きっとあなたにもありますよね。
  • 世間の目・無言の期待: 「子育てはこうあるべき」「母親(父親)ならこうするべき」といった、社会や周囲からの無言の期待を感じ、それに沿おうと無理をしてしまうことがあります。特に看護師という仕事柄、「しっかりしているはず」という目で見られることもあり、余計に自分を追い詰めてしまうことがありました。
  • 自己肯定感の低さ: 幼少期の経験や、自分自身の自己肯定感の低さが、「完璧でなければ愛されない」という思い込みにつながり、子育てにも影響を与えることがあります。自分を認められないと、子どもにも完璧を求めてしまいがちです。
  • 情報過多: 育児に関する情報が溢れかえっている現代では、「あれもこれもやらなきゃ」と、情報に振り回されてしまうことがあります。私も、新しい育児法や教育メソッドを見るたびに、「うちの子にも取り入れなきゃ」と焦ってしまった時期がありました。
  • 真面目さ・責任感の強さ: 真面目で責任感が強い人ほど、「ちゃんとやらなきゃ」という思いが強く、自分を追い詰めてしまいがちです。これは、子どものことを心から愛している証拠でもありますが、時には自分を苦しめる原因にもなります。

これらのプレッシャーは、決してあなたのせいではありません。まずは、そのプレッシャーの存在を認識し、「そうか、私は今、プレッシャーを感じているんだな」と、自分の気持ちを客観的に見てみましょう。それが、自分を労わる第一歩です。


完璧主義を手放し、自分を許すための考え方

「完璧な親」を目指すのをやめ、自分を許すことで、子育てはもっと楽に、もっと楽しくなります。具体的な考え方のヒントをご紹介します。

【結論】「~すべき」を手放し、「ほどほどに良い親」を目指すこと。そして、自分を他人と比較せず、積極的に周囲に頼り、自分のための時間を作ることが、完璧主義を手放し、自分を許すための具体的なステップです。

1. 「~すべき」を手放す

  • 「~すべき」の呪縛: 「毎日手作りの離乳食を作るべき」「常に笑顔でいるべき」「家はいつも綺麗であるべき」など、「~すべき」という考え方は、私たちを苦しめます。まずは、この「~すべき」という言葉を意識的に手放してみましょう。
  • 「~したい」に変換: 「毎日手作りの離乳食を作りたい」なら、それはあなたの「したい」こと。もし「したくない」なら、無理にやる必要はありません。私も、子どもが小さい頃は「毎日栄養満点の手作りおやつを!」と思っていましたが、今は市販のおやつも上手に活用しています。だって、ママが笑顔でいる方が、子どもは嬉しいはずですから。

2. 「完璧」ではなく「十分」を目指す

  • 「Good Enough Parent」: イギリスの精神分析医ウィニコットは、「Good Enough Parent(ほどほどに良い親)」という概念を提唱しました。完璧な親ではなく、子どものニーズに「ほどほどに」応える親で十分だ、という考え方です。完璧を目指すのではなく、「これで十分」と自分を認めてあげましょう。
  • 「できたこと」に目を向ける: 「あれもできなかった」「これもできていない」と、できていないことばかりに目を向けがちですが、今日一日で「できたこと」に目を向けてみましょう。例えば、「子どもを笑顔にできた」「ご飯を食べさせられた」「抱っこしてあげられた」など、どんな小さなことでも構いません。自分を褒めてあげましょう。私も、3人の娘たちを育ててきて、毎日「できたこと」を数えるようにしたら、心が軽くなりました。

3. 「比較」をやめる

  • 「隣の芝生は青い」: SNSや周りのママ友と自分を比較してしまうのは、人間なら誰にでもあることです。しかし、SNSは「良い部分」だけが切り取られた世界であり、他人の子育ての全てを知ることはできません。「隣の芝生は青い」と割り切り、比較するのをやめましょう。
  • 「私は私」: あなたにはあなたの良さがあり、あなたの子どもにはあなたという親が必要です。他の誰とも違う、あなたらしい子育てを大切にしましょう。私も、他のママと比べて落ち込むことがありましたが、「うちの子はうちの子、私は私」と割り切ることで、心が楽になりました。

4. 「助けて」と言える勇気を持つ

  • 弱さを見せる強さ: 「助けて」と言うのは、決して弱いことではありません。むしろ、自分の限界を認め、助けを求めることができるのは、とても強いことです。パートナー、家族、友人、地域の子育て支援サービスなど、頼れる人に積極的に頼りましょう。
  • 完璧な親はいない: 誰もが完璧な親ではありません。みんな、助けを借りながら子育てをしています。遠慮せずに「助けて」と言ってみましょう。私も、夫や実家の両親、地域のファミリーサポートに何度も助けられてきました。一人で抱え込まず、頼れる人に頼ることは、ママ自身の心を守る大切なスキルです。

5. 自分のための時間を作る

  • 「自分軸」を大切に: 子育て中は、どうしても子ども中心の生活になりがちですが、自分のための時間を持つことは、心身の健康を保つ上で非常に重要です。ほんの5分でもいいので、自分の好きなことをする時間を作りましょう。
  • 「ご褒美」を設定: 「これが終わったら、好きなドラマを見る!」「子どもが寝たら、ゆっくりお風呂に入る!」など、自分へのご褒美を設定するのも良いでしょう。私も、仕事と育児の合間に、好きなカフェで一人お茶をする時間を作るようにしています。たったそれだけでも、心がリフレッシュされ、また子どもたちに優しく接することができるんです。

ママナースからのメッセージ:あなたは十分頑張っている

「いい親」プレッシャーに苦しんでいるあなたは、きっと真面目で、責任感が強く、子どものことを心から愛している優しい親です。だからこそ、自分を追い詰めてしまうのかもしれません。

でも、もう十分頑張っています。完璧な親であることよりも、あなたが笑顔で、心穏やかに子育てを楽しむことの方が、子どもにとっては何よりも大切なのです。あなたの笑顔は、子どもの心を安定させ、自己肯定感を育む一番の栄養になります。

もし、どうしても苦しい時は、一人で抱え込まずに、地域の保健センターや心療内科、精神科など、専門機関に相談してください。私たちママナースも、皆さんの心と体を心から応援しています。あなたは一人ではありません。