【ママナースが解説】子どものアトピー性皮膚炎、つらいかゆみと肌荒れを和らげるケアと治療法

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「夜中もかゆくて眠れないみたい…」「肌がカサカサで、見てるのが辛い…」

子どものアトピー性皮膚炎に、毎日心を痛めていませんか?

私も3人の子育てをする中で、子どもの肌トラブルには何度も悩まされてきました。
特にアトピー性皮膚炎は、かゆみや肌荒れが慢性的に続き、
親も子も精神的に大きな負担がかかることを痛感しています。

この記事では、ママナースの視点から、子どものアトピー性皮膚炎の原因と症状、
そして、つらいかゆみと肌荒れを和らげるための正しいスキンケアと治療法について、
分かりやすく解説します。

一人で抱え込まず、専門家と二人三脚で、子どもの肌と笑顔を取り戻していきましょう。

子どものアトピー性皮膚炎とは?原因と症状

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下し、
外部からの刺激やアレルゲンが侵入しやすくなることで起こる、
慢性的な炎症性の皮膚疾患です。

主な原因

  • 皮膚のバリア機能の低下: 生まれつき皮膚のセラミドなどが少なく、水分が蒸発しやすいため、乾燥しやすく、外部からの刺激(ダニ、ほこり、花粉、汗など)が侵入しやすくなります。
  • アレルギー体質: 遺伝的な要因も大きく、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)を持っていることが多いです。食物アレルギーや喘息、アレルギー性鼻炎などを合併することもあります。
  • 免疫機能の異常: 免疫機能が過剰に反応し、炎症を引き起こすことも原因の一つです。

主な症状

  • 強いかゆみ: 特に夜間にかゆみが強くなり、眠りを妨げることが多いです。
  • 湿疹: 赤み、ブツブツ、カサカサ、ジュクジュク、皮膚のゴワつきなど、様々な症状が現れます。左右対称に現れることが多いです。
  • 乾燥: 皮膚全体が乾燥しやすく、粉を吹いたようになることもあります。
  • 好発部位: 乳児期は顔や頭、首、体幹に多く見られます。幼児期以降は、肘や膝の裏、首の周りなど、関節の曲がる部分に現れやすいです。

つらいかゆみと肌荒れを和らげる!毎日のスキンケアの基本

アトピー性皮膚炎のケアで最も大切なのは、毎日の正しいスキンケアです。

正しい洗い方

  • 洗浄剤の選び方: 低刺激性で、弱酸性の洗浄剤を選びましょう。泡で出てくるタイプがおすすめです。
  • 洗い方: 手のひらで洗浄剤をよく泡立て、泡で優しくなでるように洗いましょう。ゴシゴシこすると肌に負担がかかります。
  • すすぎ: 洗浄成分が肌に残らないよう、シャワーでしっかりと洗い流しましょう。特にしわや関節のくびれ部分は念入りに。
  • 拭き方: 清潔なタオルで、ポンポンと優しく押さえるように水分を拭き取りましょう。摩擦は肌にダメージを与えます。

徹底した保湿

  • 保湿剤の選び方: 医師の指示に従い、肌に合った保湿剤(ヘパリン類似物質、ワセリン、セラミド配合など)を選びましょう。
  • 塗るタイミング: お風呂上がり5分以内がゴールデンタイムです。肌がまだ潤っているうちに、たっぷりの量を塗布しましょう。
  • 塗り方: 指の腹で優しく、肌にすり込むように塗ります。特に乾燥しやすい部分や湿疹がある部分は念入りに。
  • 回数: 1日2回以上、朝と入浴後など、こまめに塗るのが理想です。乾燥がひどい場合は、さらに回数を増やしましょう。

ステロイドへの不安と正しい理解

ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎の炎症を抑えるために非常に有効な薬です。
「ステロイドは怖い」というイメージを持つ方もいますが、医師の指示に従って正しく使用すれば、安全で効果的な治療薬です。

  • 医師の指示通りに: 塗る量、回数、期間を必ず守りましょう。自己判断で中止したり、量を減らしたりすると、症状が悪化することがあります。
  • 適切な強さの選択: 症状の程度や部位によって、適切な強さのステロイドが処方されます。
  • リバウンド: 症状が良くなったからといって急にやめると、リバウンドで症状が悪化することがあります。徐々に減らしていく「ステップダウン」が基本です。

アトピー性皮膚炎の治療法:病院での治療とセルフケア

アトピー性皮膚炎の治療は、スキンケアと薬物療法が両輪となります。

  • 薬物療法: ステロイド外用薬の他に、タクロリムス軟膏、デルゴシチニブ軟膏などの非ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)、免疫抑制剤などが使用されます。
  • 光線療法: 特定の波長の紫外線を当てることで、炎症を抑える治療法です。
  • 生物学的製剤: 重症のアトピー性皮膚炎に対して、注射で投与する新しい治療薬です。
  • 環境整備: ダニやほこり、ペットの毛など、アレルゲンとなるものを除去するために、こまめな掃除や換気を行いましょう。
  • 衣類: 綿100%など、肌に優しい素材の衣類を選びましょう。刺激の少ない洗剤を使用し、柔軟剤は避けるのがおすすめです。

アトピー性皮膚炎とアレルギー:食事制限は必要?

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは合併することがありますが、
アトピー性皮膚炎だからといって、安易な食事制限は推奨されません

  • 医師の診断: 食物アレルギーが疑われる場合は、必ず専門医の診断を受け、血液検査や食物負荷試験などで原因となる食物を特定しましょう。
  • 自己判断での制限は危険: 自己判断で特定の食物を制限すると、栄養不足になったり、かえってアレルギーが悪化したりする可能性があります。
  • バランスの取れた食事: 基本的には、バランスの取れた食事を心がけ、様々な食材を摂ることが大切です。

ママナースからのメッセージ:一人で抱え込まず、専門家と二人三脚で

子どものアトピー性皮膚炎は、長期にわたる治療が必要な場合が多く、
親も子も精神的に疲弊してしまうことがあります。

でも、あなたは一人ではありません。

つらい時は、かかりつけの小児科医や皮膚科医、
アレルギー専門医、保健師さんなど、専門家を頼ってください。

正しい知識と適切なケアで、必ず症状は改善します。

ママナースとして、私がお伝えしたいのは、
**「焦らず、根気強く、そして何よりもママ自身を大切にすること」**です。

あなたの笑顔が、子どもの一番の薬です。

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