おねしょ(夜尿症)、いつまで続く?叱らないで見守るための親の心構え

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はじめに:「また、おねしょ…」朝の布団を見て、ため息をついていませんか?

日中のおむつは外れたのに、夜のおねしょだけが、なかなかなくならない…。毎朝、濡れたシーツを見るたびに、がっかりしたり、「いつになったら終わるの?」と、焦りや不安を感じたり。そんな経験はありませんか?

こんにちは、ママナースのさとみです。子どものおねしょは、多くのご家庭が通る道です。そして、それは決して本人のやる気の問題や、親のしつけが悪いせいではありません。

この記事では、おねしょの本当の原因と、医療機関で「夜尿症」と診断される目安、そして何よりも大切な**「叱らないで見守る」ための親の心構え**について、詳しく解説します。


なぜ、おねしょは起こるの?

おねしょは、体の機能がまだ発達途中であるために起こる、生理的な現象です。主に、以下の3つの要因が関係しています。

  1. 夜間の尿量が多い: 睡眠中に尿量を減らす「抗利尿ホルモン」の分泌が、まだ不安定なため、夜間にもたくさんの尿が作られてしまいます。
  2. 膀胱が小さい: 作られた尿を、朝まで溜めておけるだけの膀胱の大きさが、まだ十分にないため、溢れてしまいます。
  3. 眠りが深い: 尿意を感じても、眠りが深くて目を覚ますことができないのです。

これらの体のメカニズムが、成長と共に整ってくることで、おねしょは自然となくなっていきます。本人が、わざとやっているわけではないことを、まず理解してあげましょう。


「おねしょ」と「夜尿症」、違いは?受診の目安

一般的に、5歳を過ぎても、月に数回以上のおねしょが続く場合を「夜尿症」と呼び、治療の対象となることがあります。

  • 5歳未満: まだ体の機能が発達途中なので、おねしょは当たり前。心配せず、温かく見守りましょう。
  • 小学校入学後: 本人が気にし始めたり、宿泊行事などで困ったりするようであれば、一度、小児科やかかりつけ医に相談してみるのが良いでしょう。生活指導や、必要であれば薬物療法、アラーム療法などの治療法があります。

親が絶対にやってはいけないこと、そして、できること

おねしょへの対応で、最も大切なのは、子どもの自尊心を傷つけないことです。

絶対にやってはいけないNG対応

  • 叱る・怒る: 「またやったの!」と叱っても、何の解決にもなりません。むしろ、子どもはプレッシャーを感じ、ストレスで症状が悪化することもあります。
  • 周りの子と比較する: 「〇〇ちゃんは、もうおねしょしないのに」という言葉は、子どもの心を深く傷つけます。
  • 夜中に無理やり起こしてトイレに行かせる: 子どもの睡眠リズムを乱し、抗利尿ホルモンの正常な分泌を妨げるため、逆効果です。

親ができる3つの基本方針「あせらない・おこらない・くらべない」

  1. あせらない: 「いつかは必ず終わる」と、親がどーんと構えましょう。防水シーツなどを活用し、親の負担を減らす工夫も大切です。
  2. おこらない: 濡れた布団を見ても、冷静に。「大丈夫だよ、着替えようね」と、安心させてあげましょう。おねしょをしなかった朝は、「お兄さんパンツ、濡れなかったね!すごい!」と思いっきり褒めてあげることが、子どもの自信に繋がります。
  3. くらべない: おねしょがなくなる時期は、個人差が非常に大きいものです。比べるべきは、他の子ではなく、過去の我が子。「先月より、おねしょしない日が増えたね」と、小さな進歩を一緒に喜んであげましょう。

また、夕食後の水分を控えめにする寝る前に必ずトイレに行く習慣をつけるといった生活習慣の見直しも、効果的です。


まとめ:おねしょは、親子の絆を試す時間じゃない

おねしょは、子どもの成長過程の一コマです。それを、親子の悩みの種にするか、それとも「大丈夫だよ」と子どもの安心感を育む機会にするかは、親の関わり方次第です。

焦らず、怒らず、比べず。その温かい眼差しが、子どもが健やかに成長していくための、何よりの土台となります。必ず卒業できる日を信じて、今だけのこの時期を、乗り越えていきましょう。


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