「指が…痛い!」
もし、お子さんが指を突き指してしまったら…
あなたはどうしますか?
ボール遊び中に、転んだ拍子に、つまずいた時に。
子どもがいる家庭では、突き指の事故は珍しいことではありません。
私も3姉妹の母ですが、幼い頃の上の子が、体育の授業中に突き指をして帰ってきた時は、「大丈夫かな…」と心配したのを覚えています。
そして、多くの方が「突き指をしたら、引っ張って治す」という昔からの慣習を耳にしたことがあるかもしれません。
でも、看護師として救急現場でたくさんの突き指や骨折の患者さんを診てきた私から言わせると、その方法は絶対にNGなんです!
今日は、現役ママナースの私が、もしもの時に慌てず冷静に対応できるよう、子どもの「突き指」の裏に隠された「骨折の可能性」と、家庭でできる正しい応急処置、そして迷わず整形外科を受診すべき目安について、私の経験も交えながら、詳しくお話ししたいと思います。
この記事でわかること
- 子どもの突き指で「引っ張る」のが絶対にNGな理由
- 突き指と骨折を見分けるポイント
- ママナースが実践する、正しい突き指の応急処置
- 迷わず整形外科を受診すべき目安と、もしもの時に慌てない心構え
【結論】突き指は引っ張らない!「冷やして固定して整形外科」が鉄則!
子どもが突き指をしてしまった時、最も大切なのは**「引っ張らず、冷やして固定し、必要なら整形外科を受診すること」**です。
安易に引っ張ったり、放置したりすると、症状を悪化させたり、適切な治療の機会を逃してしまう可能性があります。
なぜ「突き指を引っ張る」のがNGなのか
「突き指をしたら引っ張って治す」という昔からの民間療法がありますが、これは**医学的な根拠が全くありません。**それどころか、以下のような危険が潜んでいます。
- 骨折を悪化させるリスク:もし骨折をしていた場合、引っ張ることで骨がさらにずれたり、皮膚を突き破ったりする可能性があります。
- 靭帯や腱を損傷するリスク:引っ張ることで、指の関節を支える靭帯や、筋肉と骨を繋ぐ腱をさらに傷つけてしまう可能性があります。
- 痛みの増悪:無理に引っ張ることで、痛みが強くなるだけでなく、患部を腫れさせてしまう原因になります。
私も救急現場で、「突き指だと思って引っ張っていたら、実は骨折していた」というケースをたくさん見てきました。だからこそ、このNG行為はぜひ知っておいてほしいです。
突き指と骨折を見分けるポイント
「突き指だと思っていたら、実は骨折だった」というケースは少なくありません。以下のようなサインが見られたら、骨折の可能性を疑い、整形外科を受診しましょう。
- 強い痛み:痛みが非常に強く、指を動かすことができない。
- 腫れがひどい:突き指した部分が、みるみるうちに大きく腫れてくる。
- 変形:指の形がおかしい、関節が曲がっている。
- 内出血:指の色が紫色や青色に変色している。
- 動かせない:指を全く動かせない、または動かすと激痛が走る。
ママナースが実践する、正しい突き指の応急処置
もしお子さんが突き指をしてしまったら、以下の応急処置を実践してください。
- 冷静になる:まずはお子さんを落ち着かせ、「大丈夫だよ」と声をかけましょう。ママが慌てると、子どもも不安になります。
- RICE処置を意識:
- Rest(安静):患部を安静にし、動かさないようにします。
- Ice(冷却):突き指した部分を、氷を入れた袋や保冷剤(直接当てず、タオルなどで包む)で冷やしましょう。炎症を抑え、痛みを和らげます。
- Compression(圧迫):テーピングや包帯などで、軽く圧迫して固定します。ただし、きつく巻きすぎると血行不良になるので注意。
- Elevation(挙上):患部を心臓より高い位置に保つことで、腫れを抑えます。
- 固定する:テーピングなどで、隣の指と一緒に固定する「バディテーピング」が有効です。これにより、患部が動くのを防ぎ、さらなる損傷を防ぎます。
迷わず整形外科を受診すべき目安と、もしもの時に慌てない心構え
以下の場合は、迷わず整形外科を受診しましょう。
- 上記「突き指と骨折を見分けるポイント」に当てはまる症状がある場合。
- 痛みが非常に強く、指が使えない場合。
- 腫れや変形がひどい場合。
- 応急処置をしても痛みが改善しない場合。
【ポイント】
- 自己判断は禁物:素人判断で「ただの突き指だろう」と決めつけず、心配な場合は専門医に診てもらいましょう。
- 子どもの様子をよく観察:痛みの程度、腫れの状態、指の動きなどをよく観察し、受診した際に医師に正確に伝えられるようにしましょう。
まとめ:あなたの「正しい知識」が、子どもの体を守る
子どもの突き指は、親にとって「よくあること」かもしれませんが、安易な判断や処置は、思わぬ事態を招く可能性があります。
あなたの「正しい知識」と「冷静な対応」が、子どもの体を守るための大切な一歩になります。
私自身、看護師としての知識が、もしもの時に冷静に対応するための支えになってくれました。
今日ご紹介した正しい応急処置を、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。
迷わず整形外科を受診する勇気も大切です。
頑張りすぎず、焦らず、あなたのペースで進めていきましょうね。応援しています!
