【思春期の反抗期】「うざい」「別に」に心折れそうなママへ。3児の母ナースが教える親の心構え

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「今日の学校どうだった?」
「…別に」
「ねぇ、ちょっと話聞い…」
「うざい!」
バタン!

閉められたのは部屋のドアだけじゃない、私の心のドアまで、大きな音を立てて閉められた気がする…。
ついこの間まで、「ママ、ママ」と笑顔で話してくれた我が子が、まるで別人のように。その冷たい態度やトゲのある言葉に、戸惑い、怒り、そして猛烈な寂しさを感じているママへ。

こんにちは。3人の娘を育てる現役看護師の皐月です。
何を隠そう、我が家も今、まさに思春期の嵐の真っ只中!上の娘たちとの間では、こんな光景は日常茶飯事です。だから、あなたのその、心がえぐられるような気持ち、痛いほどわかります。

でもね、これだけは伝えたいんです。
あなたは、何も間違ってない。そして、あなたは一人じゃない。

今日は、そんな嵐の乗りこなし方を、精神論ではなく、もっと具体的な「心の置き方」として、ママナースの視点からお話しさせてください。

この記事でわかること

  • なぜ子どもは反抗するの?その科学的な理由
  • 親の心を軽くする、ママナースの「4つの呪文」
  • 「放任」と「見守る」の決定的な違いとは?
  • 親が自分自身を守るためのセルフケアの重要性

なぜ?子どもの中で起きている「脳の工事」を理解しよう

反抗的な態度の原因は、あなたの育て方ではありません。その子の脳の中で、人生で最も激しい**「大規模な増改築工事」**が行われているからです。

思春期の子どもの脳内は、こんな状態。

  • 感情のアクセル(扁桃体)はフル稼働! → ちょっとしたことでカッとなる、感情の起伏が激しい。
  • 理性のブレーキ(前頭前野)はまだ工事中! → 感情のコントロールが効かない、後先考えずに行動してしまう。

つまり、子ども自身も、自分の中で巻き起こる嵐をどうにもできなくて、一番混乱しているんです。親にぶつけられるトゲトゲした言葉は、その「工事の騒音」が外に漏れ出しているだけ。あなた個人への攻撃ではない、と知るだけで、少し見方が変わりませんか?

心が折れそうな時に唱えたい、ママナースの「4つの呪文」

頭で分かっていても、いざ我が子を目の前にすると、感情的になってしまいますよね。そんな時、私自身が自分に言い聞かせている「呪文」を、あなたにもそっとお教えします。

呪文①:「これは戦争じゃない、嵐だ」

反抗期は、勝ち負けを決める「戦争」ではありません。ただ、そこにある自然現象としての「嵐」です。
親の役目は、子どもを打ち負かすことではなく、嵐が過ぎ去るのを耐え、いつでも帰ってこられる「灯台」でいること。嵐に立ち向かうのではなく、やり過ごすしなやかさを持ちましょう。

呪文②:「これは人格攻撃じゃない、成長痛だ」

「うざい」「キモい」…そんな言葉は、ナイフのように心をえぐりますよね。でも、それは「あなたのことが嫌い」という意味ではありません。
子どもが親から精神的に自立し、「自分」という人間を確立しようとする過程で起こる、いわば**「心の成長痛」**なんです。「ママとは違う、一人の人間なんだ!」という、不器用で、痛々しいほどの自己主張。そう捉えると、少しだけ客観的になれるはずです。

呪文③:「説教は半分、聞くのは2倍」

この時期の子どもが親に求めているのは、正論やアドバイスではありません。ただ、自分のモヤモヤした気持ちを、**ジャッジされずに聞いてくれる「安全な壁」**です。
何か言いたくなっても、グッとこらえて、まずは「そっか」「うん」と、ただただ聞く。沈黙が流れても、気にしない。以前、娘と大喧嘩したあと、何も言わずにただリビングに座っていたら、しばらくして娘が部屋から出てきて、ポツリポツリと話し始めたことがありました。あの時、正論で追い詰めなくて、本当に良かったと思っています。

呪文④:「警察署になるな、安全な港になれ」

子どもの行動を監視し、間違いを正す「警察官」になってはいけません。
どんなに外の世界で傷つき、失敗しても、**「家に帰れば、無条件で受け入れてもらえる」**と信じられる「安全な港」でいること。これが親の最大の役割です。もちろん、社会のルールを破った時には毅然とした態度も必要ですが、その根底には「あなたの味方だよ」という信頼関係が不可欠です。

ママ自身の心を大切に。「自分の酸素マスク」をつけよう

嵐の中にいる子どもを支えるには、まず、あなた自身が倒れないことが絶対条件です。
飛行機で緊急時に「まず大人が自分の酸素マスクを装着してください」と言われるのと同じ。ママが自分の心を満たしてあげることは、決してわがままではありません。

  • 信頼できる友達に、思いっきり愚痴を言う
  • 一人になれる時間に、好きな音楽を大音量で聴く
  • こっそり高級なアイスを食べる

どんな些細なことでもいい。あなたが「ふぅ…」と一息つける時間を作ってください。あなたが笑顔でいることが、結果的に、家全体の雰囲気を和らげ、子どもの心を安定させる一番の薬になるのですから。

まとめ:嵐の先には、必ず光がある

思春期のトンネルは、暗くて、長くて、終わりが見えないように感じるかもしれません。
でも、大丈夫。この嵐は、永遠には続きません。

今はただ、冷静な灯台として、どっしりと構えていてあげてください。
そして、時々でいいから、思い出してあげてください。あなたが初めて、その子を腕に抱いた日のことを。

嵐が過ぎ去った後には、少し大人びた、でもあなたのことを大切に想う、素敵な一人の人間が立っているはずです。その日を信じて、今日を、なんとか一緒に乗り越えていきましょうね。

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