夫の暴言が忘れられない…ママナースが寄り添う、傷ついた心の応急手当と回復ステップ

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「お前は本当にダメな母親だな」
「誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ」

投げつけられた言葉が、割れたガラスの破片のように、ずっと心に突き刺さって抜けない…。笑顔で子どもと接していても、ふとした瞬間にその言葉が頭をよぎり、胸がズキッと痛む。

そんな風に、一人で苦しんでいませんか?

こんにちは。3人の娘を育てながら、看護師として働く皐月です。

看護師として、私はたくさんの「目に見える傷」を治療してきました。でも、それと同じくらい、「目に見えない心の傷」に苦しむ人を、たくさん見てきました。言葉の暴力は、痣や骨折のように他人には見えません。だからこそ、その痛みは理解されにくく、一人で抱え込みやすいのです。

最初に、これだけは、はっきりと伝えさせてください。

あなたが、悪いわけでは、絶対にありません。

この記事では、夫の暴言に深く傷ついたあなたの心を、少しでも軽くするための「心の応急手当」について、具体的にお伝えします。

この記事でわかること

  • なぜ、彼の言葉はこんなにもあなたを傷つけるのか
  • 今すぐできる、自分の心を守るための「応急手当」
  • 傷ついた心をゆっくり癒すための3つのステップ
  • 「これから」を考えるための、心の準備

Step1【応急手当】まずは、自分の心を守ることから

ケガをしたら、まず止血しますよね。心の傷も同じです。これ以上、自分を傷つけないための、緊急の応急手当をしましょう。

① 「私が悪かったのかも…」と自分を責めるのを、今すぐやめる

暴言を吐かれた時、優しいあなたほど「私の言い方が悪かったのかな」「私が至らないからだ」と、自分を責めてしまいがちです。でも、どんな理由があっても、言葉の暴力は決して正当化されません。悪いのは、あなたではなく、言葉で相手を傷つける行為そのものです。

② その場から、物理的に離れる

暴言が始まったら、可能であれば、別の部屋に行く、トイレに駆け込む、ベランダに出るなど、物理的にその場を離れましょう。相手の言葉のシャワーを、浴び続ける必要はありません。

③ 感情を、ただ認めてあげる

「悲しい」「悔しい」「腹が立つ」…。湧き上がってくる感情を、「こんなこと思っちゃダメだ」と否定しないでください。「そっか、私、今すごく悲しいんだな」と、ただ、自分の気持ちを認めてあげる。それだけで、心は少し楽になります。

《皐月のワンポイント処方箋》
誰にも言えない気持ちは、スマホのメモ帳や、鍵付きの日記に書き出してみてください。「〇月〇日、〇時〇分、『〇〇』と言われた。胸が張り裂けそうに痛かった」と、事実と感情を記録するんです。これは、後で自分の気持ちを客観的に見つめ直したり、誰かに相談する時の大切な「証拠」にもなります。

Step2【原因分析】なぜ彼は暴言を吐くのか?

彼の行動を理解することは、あなたが前に進むために役立つかもしれませんが、**決して彼の行動を「許す」ためではありません。**そのことを、絶対に忘れないでください。

  • ストレスのはけ口:仕事や人間関係のストレスを、一番身近なあなたにぶつけている。
  • 歪んだプライド:自分の思い通りにならないと、相手を言葉で支配しようとする。
  • 育児への無理解:育児の大変さを理解できず、感謝や尊敬の念が欠けている。
  • 育ってきた環境:彼自身が、言葉の暴力を受ける環境で育ったため、それが「普通」だと思い込んでいる。

原因は彼自身の中にあります。あなたがコントロールできる問題ではないのです。

Step3【治療計画】あなたの「これから」を選ぶ

心が少し落ち着いたら、あなたの未来のために、どうしたいかを考えていきましょう。焦る必要はありません。一つずつ、考えていきましょう。

① 話し合う(戦う、ではない)

もし、少しでも話し合えるエネルギーが残っているなら、お互いが冷静な時に、「私は、あの言葉で、とても悲しかった」と、「私」を主語にして伝えてみましょう。相手を責めるのではなく、自分の気持ちを伝えることが目的です。

② 第三者を頼る

二人だけでは、感情的になってしまうことも多いです。市区町村のDV相談窓口、夫婦問題専門のカウンセラーなど、客観的な視点で話を聞いてくれるプロを頼ることは、決して恥ずかしいことではありません。

③ 距離を置く(別居・離婚)

あなたの心と体の安全が、何よりも最優先です。暴言が続く、エスカレートする、子どもにも影響が出ている…。そんな時は、自分と子どもを守るために、離れるという選択肢も、勇気ある決断です。

まとめ:あなたの笑顔が、子どもの未来を照らす

「子どものために、私が我慢しなきゃ」

そう思っていませんか?でも、ママが毎日心をすり減らし、笑顔を失っている家庭が、子どもにとって本当に幸せな環境でしょうか。

**ママが、心から笑っていること。**それこそが、子どもの心を健やかに育む、一番の栄養になります。

自分を大切にし、自分の心を守る選択をすることは、決してわがままではありません。それは、あなたと、あなたの大切な子どもの未来を守るための、最も重要な務めです。

あなたは、一人じゃありません。どうか、一人で抱え込まないでくださいね。

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