はじめに:診断はゴールじゃない、最高の理解者になるためのスタート
医師から「お子さんには発達障害の特性が見られます」と告げられた瞬間、頭が真っ白になったり、涙が溢れたり、あるいは「やっぱりそうだったのか」と妙に納得したり…。
親御さん一人ひとりが、様々な感情の波にのまれていることと思います。
こんにちは、ママナースのさとみです。これまで多くの親子と関わる中で、発達障害の診断は、ゴールではなく、「我が子の取扱説明書」を手に入れるためのスタートラインなのだと感じています。
診断直後は、不安や混乱でいっぱいかもしれません。でも、大丈夫。少しずつでいいので、前を向いていきましょう。
この記事では、診断を受けた直後の親御さんに、まず知ってほしい大切なことを3つに絞ってお伝えします。
1. 「診断名」=「その子の全て」ではない
まず、最も大切なことです。
診断名は、あくまでその子の特性を理解するための一つの「ラベル」にすぎません。
「自閉スペクトラム症」「ADHD」といった診断名は、その子の人格や価値を決定づけるものでは決してありません。あなたの可愛い我が子が、昨日と今日で何かが変わってしまったわけではないのです。
診断を受けたことで、
- 今まで「なぜ?」と思っていた行動の理由がわかる
- その子の特性に合った関わり方のヒントが得られる
- 必要なサポートや支援に繋がりやすくなる
といった、たくさんのメリットがあります。
診断名を重く受け止めすぎず、「この子の個性をより深く理解するための、大切な手がかりをもらえたんだ」と考えてみてください。今まで以上に、お子さんへの愛情が深まるきっかけになるはずです。
2. 「療育」は、親子を救うサポーター
次に考えるのが「療育」のことだと思います。
「療育って、一体何をするの?」「通わせるべきか迷う…」
そんな風に感じるかもしれませんね。
療育は、障害を「治す」ための訓練ではありません。子どもが日常生活や社会生活で感じる「生きづらさ」を軽減し、その子らしい笑顔を増やすためのサポートです。
療育の具体的なメリット
- 子どもにとって: 専門家のサポートのもと、遊びを通してコミュニケーションや社会性を楽しく学べる。成功体験を積むことで、自己肯定感が育つ。
- 親にとって: 子どもの特性に合った関わり方を具体的に学べる。同じ悩みを持つ親と繋がることができ、孤独感が和らぐ。育児の悩みを相談できる専門家がいるという安心感が得られる。
療育は、子どもだけでなく、親にとっても心強い味方になってくれます。
まずは見学からでも大丈夫。お住まいの地域の「児童発達支援事業所」などを探し、親子に合った場所を見つけることから始めてみましょう。
3. 「公的支援」を積極的に活用しよう
発達障害のある子どもと家族を支えるための、様々な公的支援制度があります。これらを知っているかどうかで、経済的・精神的な負担は大きく変わります。
まず申請したい2つのもの
- 療育手帳・精神障害者保健福祉手帳: 障害の程度によって取得できる手帳が異なります。手帳があると、様々な福祉サービス(税金の控除、公共料金の割引など)が受けられます。
- 障害児通所受給者証: 児童発達支援などの療育サービスを利用するために必要なものです。所得に応じて利用料の自己負担額に上限が設けられているため、安心してサービスを利用できます。
申請手続きは少し複雑に感じるかもしれませんが、お住まいの市区町村の「福祉課」や「障害福祉担当窓口」で詳しく教えてくれます。
「自分たちだけで頑張らなきゃ」なんて思わないでください。使える制度は積極的に活用し、親子が笑顔で過ごせる時間を少しでも増やしていくことが大切です。
まとめ:あなたは、一人じゃない
発達障害の診断を受け、今はまだ先の見えない不安の中にいるかもしれません。
でも、思い出してください。あなたの周りには、手を差し伸べてくれる専門家がいます。同じ道を歩む仲間がいます。そして何より、あなたの愛情を一身に受けて輝いている、かけがえのないお子さんがいます。
診断は、絶望の始まりではありません。我が子の最高の理解者になるための、希望のスタートです。
焦らず、あなたのペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。心から応援しています。